次世代ロータリー復活か!? マツダの次なる一手は
2016/05/03
▲2015年の東京モーターショーに参考出品され、大きな反響を呼んだRXビジョン。2016年3月に開催されたジュネーブショーで欧州デビューを果たし、やはり注目を集めたマツダのロータリーエンジンは今どうなっているのか
昨今のマツダといえば、スカイアクティブ技術を思い浮かべる人が多いことだろう。だが、マツダといえばロータリーエンジンを思い浮かべる人もいまだに多い。マツダとロータリーエンジンの今を追った。
マツダが初めてロータリーエンジンを実用化したのは、いまから49年前の1967年のこと。多くの人が知っているコスモスポーツに搭載され、世界初の2ロータースポーツカーとしてリリースされた。しかし、74年に世界を襲ったオイルショックで燃費の悪さに注目が集まってしまい、肩身の狭い思いをすることになってしまった。
▲491cc×2ローターの10A型ロータリーエンジン(110ps/13.4kg-m)が搭載されて1967年に発表されたコスモスポーツ。1年後にパワーアップとホイールベースの延長化が図られたあの名作、サバンナRX-7の登場
今日のスカイアクティブ技術が生み出されたのと同じように、当時のマツダ開発陣は執念を持って取り組み、大幅な燃費改善を現実のものとした。こうして1978年に発表されたのが、ロータリーロケットこと、サバンナRX-7だ。この頃からル・マンへの参戦も試み、1991年に日本初の総合優勝を成し遂げたことは有名。
▲1978年にリリースされたサバンナRX-7は、言わずとしれた名車のひとつ。573cc×2ローターが用いられ、ターボチャージャー追加で最高出力165psを誇るモデルもラインナップされた
その後、バブル経済の崩壊、いっそう厳しくなる燃費基準に直面して、ロータリーエンジン搭載車の生産は2002年に一度終わった。しかし、マツダはサイド排気ポートを採用した新世代ユニット、「レネシス」を完成させてRX-8に載せた。レネシスは、排気抵抗が少なく、吸気量アップによる出力向上や燃費改善を達成した。しかし、そのRX-8も2012年6月に生産終了となった。
経営陣がロータリーに再注目したとの情報も
いま現在、マツダはロータリーエンジン搭載車を生産しておらず、空白の時代を迎えているが、水素ロータリーエンジンを開発したり、レンジエクステンダーの発電用エンジンに技術を流用するなど、そのテクノロジーに対する情熱は確実に生き残っている。
▲レンジエクステンダー用エンジンへの技術流用も模索されている。発電に必要な動力は1ローターエンジンで十分にまかなうことができ、コンパクトカーにも載せられる
では、ロータリーエンジン搭載のスポーツカーは本当に実現するのだろうか。結論から言うと、マツダ社内での商品化検討は、確実に行われている。将来の商品に結びつくような研究が行われている形跡はないものの、企業としてのマツダはロータリーエンジンを見直したようだ。
同社の財産であり、自動車用としては世界に実用例がないロータリーエンジンにもう一度取り組もうとの判断が、経営陣によってなされたとの情報もある。
直噴、可変吸気、3プラグ、様々な技術で延命を図る
燃料供給方式は、直噴に変わるだろう。これならローターハウジングに燃料インジェクターを取り付けるだけで済む。レシプロエンジンの場合、バルブや点火プラグとの場所の取り合いになるが、この点ロータリーエンジンは有利だ。
また、点火エネルギーを高めるため、プラグは従来の2個から3個に増やされるか、あるいは新しい多点点火システムが採用される可能性が高い。さらに、ル・マン優勝マシンに採用されていた可変吸気システムに相当する機構がドッキングされる。これはスカイアクティブ技術で知見を得た、吸排気の脈動効果を応用するものになりそうだ。
次期ロータリースポーツは、厳しくなっている環境基準をクリアするためにも、ハイブリッド化が避けては通れない関門となりそうだ。エンジンに電気モーターを直結か。また、ロータリーエンジンの省スペース性を生かせば、別途、前輪駆動用モーターが搭載できる可能性もあるが、果たして一足飛びにそこまで行くかどうか。
2015年に東京モーターショーで好評を博したロータリースポーツのコンセプト、RXビジョンは確実に商品化へと向かっていく。開発を進め、今後も動きが止まることなく進んでいくことを祈りたい。
※2016年5月3日現在における予測記事です
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