北米仕様にカスタムする『USDM』とは? 手軽に楽しむならトヨタ 86がオススメ!
2020/05/26
▲『USDM』って聞くけどどんなカスタムなのか? なぜ北米仕様なのか? その詳細とカスタムにオススメなトヨタ 86を紹介しますカーセンサーでもたまに見かける『USDM』ってなんだ?
みなさん、カーセンサーで検索してますカー!? 日課のようにカーセンサーで検索している人もいるかと思いますが、たまに車両情報の中に「USDM」というワードを見かけたことはないでしょうか?
USDMは、「United States Domestic Market」を略したもの。
直訳すると「アメリカ国内市場」となり、転じてアメリカ(ここでは北米を指す)で販売されている車両やアメリカ向けに輸出されている車両を模したカスタマイズがされた車両などが該当します。
もちろんアメ車は言うまでもなくUSDMなのですが、ここで言うUSDMは、日本仕様車を北米に輸出されている仕様に近づける。ということを指していることがほとんど。
しかし、日本車は北米市場以外にも欧州やアジア圏など幅広い国や地域に輸出されているのに、なぜ北米市場向けの仕様とすることがひとつのジャンルとして確立されているのでしょうか?
同じように見えて、実は見た目の変化が大きい北米仕様
北米仕様の車両には、日本仕様と見た目が異なるモデルが多く存在します。
それだけにUSDM化したときの変化が大きく、満足感が高いというのも理由のひとつに挙げられるでしょう。
特に、時速5マイル(約8km/h)以下で衝突したときにバンパーが衝撃を吸収し、復元することを求めた北米の安全基準に基づいて作られた「5マイルバンパー」が外観の雰囲気に大きな差を与えます。
日本仕様よりも大型で形状が異なるものが多いため、交換したときの満足度が高い部分です。ですが、北米仕様のバンパーは、高価で入手も難しいものがほとんどです。
同じく、北米の基準でサイドマーカーの点灯も義務付けられています。真横から見たときにフロントがオレンジ、リアにはレッドの光が確認できなければいけません。これも雰囲気が変わるポイントですね。
また、USDM化で注意したい点もあります。まず、大型の北米仕様バンパーに変更する場合は、全長が変わるため、記載変更をする必要があります。
そして、サイドマーカーを点灯させる場合、北米仕様のヘッドライトユニットを使用すると光軸を合わせられなくなる可能性や、そもそもサイドマーカーを点灯させることが保安基準に適合しない可能性もあるので注意が必要。
と、いったように『USDM』はちょっぴりハードルの高いカスタムジャンルなのです。
▲変化例として日産 キューブを見比べてみましょう。こちらが日本仕様です
▲こちらは北米仕様。バンパーにご注目。長くなりボリュームが増しています。そしてヘッドライト横とリアバンパーの横のマーカーが点灯しますFR-S仕様でお手軽にUSDMを楽しめるトヨタ 86
前述したとおり、いざチャレンジしてみようとするとハードルが高めのUSDM化。
「せっかく興味をもったのに、自分には無理か……。」と諦めかけたそこのあなた! ちょっとお待ちください!
実はもっとお手軽に、それでいてUSDM化をしっかりと味わえるオススメモデルがあるのです。
それは、日本の王道スポーツカーであるトヨタ 86。
86は、北米市場で「サイオン」というトヨタの若者向けブランドから「FR-S」という名前で、日本仕様でいう前期型(2016年7月まで生産のモデル)までの期間に販売されていました。
▲北米の86ことサイオン FR-Sなので、86をサイオン FR-S仕様にすることで、USDM感を得ることができるというワケなのです。
では、なぜFR-S仕様ならライトに楽しめると言えるのでしょうか?
86のFR-S仕様化は多少の部品交換で完成する
そもそも86とFR-Sは、どちらも前後バンパーが同形状なのがポイント。つまりUSDM化の最大のハードルとも言える、バンパー交換が不要なのです。
バンパー交換が必要なモデルと比べれば、確かに見た目の変化は少ないかもしれません。
しかし逆に言えば、ちょっとしたカスタムだけで本場アメリカのFR-Sにそっくりにできる、まさにわかる人にはわかるツウな仕様にできるとも言えます。
▲こちらが日本仕様の86
▲こちらがサイオン FR-S。バンパー形状は同一ですでは、具体的に手を加えていくところを見ていきましょう。大きく分けて交換する部品は2つ。
ひとつ目は、前後のメーカーロゴとリアの車名エンブレム。これをFR-Sのものに交換します。NETで1万3000円程度で手に入り、純正を剥がして貼り替えるだけ!

▲前後のエンブレムが国内仕様と異なるデザイン。交換するとぐっと雰囲気が変わりますふたつ目は、バンパーサイドに配されたオレンジ色のサイドマーカーです。こちらもNETで検索すると1万円くらいで購入できます。交換部品ふたつ合わせても2万円ちょっととリーズナブル。
▲FR-Sはこのようにクリアではなくオレンジ色のマーカーが装着されていますと、基本的にここまでやればライトな仕様の出来上がりです。
が、もしまだまだUSDM化を深めるのであれば、北米仕様のメーターや英語表記の注意書きステッカーなど、マニアックな変更箇所はまだまだあります。
これもまたUSDMの面白い部分。ライトに楽しんでいたつもりが、どんどんUSDM沼にハマっていくことでしょう……。
86の中古車価格にもライトに楽しめる要素あり
USDM化に適した前期型の86は、執筆時点で約650台が掲載されています。
AT車であれば総額110万円前後から、MT車は少し高くて130万円前後から見つけることができます。
本物のFR-Sは並行輸入ものということもあり希少で、200万円オーバーの個体がほとんど。86をベースにすれば車両代も安くよりライトに楽しめるのもポイントです。
なお、北米仕様のパーツに関しては、普通にトヨタディーラーで購入できるものではありません。
USDMカスタムを得意としているショップや、オークションサイトなどで入手するのが一般的。もし、英語に自信があるのであれば、海外通販サイトを利用するのもアリでしょう。
USDM系のイベントも全国で多く開催されているので、気になった人はまずイベントの見学からスタートするのも面白いかもしれませんよ。
▼検索条件
トヨタ 86(初代)×2012年4月~2016年7月生産モデル×全国
自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
この記事で紹介している物件
トヨタ
86 2.0 GT 純正デジタルオーディオ/ETC/LEDヘッドライト/パドルシフト/スマートキー/プッシュスタート/純正17インチAW/電格ミラー/
本体価格112.5万円
支払総額124万円
トヨタ
86 2.0 GT トムスマフラー BBSホイール トムスサクションパイプ HPIステアリング ラグルス車高調 運転席BRIDEフルバケ 取説 保証書
本体価格214.0万円
支払総額220万円
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