【試乗】新型 メルセデス・ベンツ Aクラス|性格が異なるドイツのコンパクトハッチ&セダン
2023/09/29
▲2023年2月にモデルチェンジしたメルセデス・ベンツ Aクラス/Aクラスセダン。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による試乗のインプレッションをお届けするロングドライブが楽しいハッチバックのAクラス200d
メルセデス・ベンツといえば重厚感をもったブランドイメージであったが、時代の波とともに新たなモデルが作られていった。その中でもメーカー初の小型FFハッチバックモデルとして1998年日本に導入されたのが、Aクラスである。
当時はその近未来的な装いが、メルセデスの新たな時代の幕開けを象徴し、かなりセンセーショナルだったことを今でも思い出す。
あの時から25年の歳月が流れ、現行型のAクラスは2018年登場の4代目となった。
今回は2023年にマイナーチェンジを実施した、4代目Aクラス A200d(ハッチバック)とAクラスセダン A180のステアリングを握ったので雰囲気をお知らせしたい。
初めに2リッターディーゼルターボモデルのAクラス A200dからの試乗だ。

主な変更点はテッドライトとテールライトのフェイスリフトであるが、中に乗り込むと相変わらず上位車種のエッセンスが出迎えてくれる。重厚感ある雰囲気で安心感がある。

さて、シートを合わせ発進だ。細かい話で恐縮だが電動シートのモーターやギアの音が、国産車とは違った“機械が得意な雰囲気”が感じられる。
エンジンはEクラスでも採用されているユニットをFFモデル専用に進化させたものだ。非常に高い静粛性からは、乗用車に初めてディーゼルユニットを搭載した歴史をもつメルセデス・ベンツの技術が感じられる。
そのパワーを淀みなく路面に伝えるのが、8速DCT型のATだ。スムーズな走りと燃費には多段化は必須である。
一般道から有料道路に入る加速では、小気味よいシフトアップと伸びやかな加速はディーゼルターボの良さを際立たせる。

昨年までのモデルに比べると走りがよりスムーズになった。また路面からの突き上げもソフトとなって、このクラスの欧州ハッチバックでは最も重厚なキャビンと収束の速いダンパーは高速での安定感を感じられる。
上りのワインディングでも気持ちい走りだ。32.6 kg・mあるトルクは、コンパクトなモデルには非常に有効でありストレスを感じない。
コンパクトボディだが、安定感あるサスペンションと長距離で力を発揮するディーゼルユニットだけにロングドライブが楽しみなモデルである。
また、ステアリングは他の欧州FFモデルに比べて切れ角があるので、混雑したタイトな駐車場でも扱いやすい。昔からメルセデスは車庫入れが楽というのは、こういった細かな配慮もあるのだろう。
乗り心地や静粛性の良さが際立つAクラスセダン A180
そして、もう1台試乗したのがAクラスセダン A180だ。
Aクラスはハッチバックもセダンも全長が違うだけでホイールベースは同様。セダンは見た目の印象が堂々としていてCクラスのFRっぽいエッセンスが垣間見れるデザインとなっている。

今回試乗したモデルに搭載されるパワーユニットは、ルノーと共同で作った1.3リッターターボエンジン。主要部分はルノーの設計開発であるが、シリンダーヘッドのみはダイムラーの最新技術が詰まっている。
そこから約136/Lの馬力と2リッターNAエンジン級のトルクが出力されるので、約1.4tの車体でも難なく走ることが可能だ。よってこの出力特性と7速DCTの制御が気になるポイントだ。
走り出して感じた第一印象はターボエンジン特有のラグもないスムーズさ。さらに、7速ATトランスミッションはガソリンモデルの特性に合ったマナーのいい制御である。

そして何よりも、乗り心地と静粛性がこちらの方に軍配が上がる。
リアからの振動と音も明らかに静かである。いままでFRのメルセデスを乗り続けていた年配の方には、A180セダンが扱いやすいのではないかと思う。

コンパクトで堂々とした雰囲気、それでいて華美な感じもない。酸いも甘いもかみ分けた年代の方なら肩肘張らずに乗れる。そんな老練なドライバーにピッタリな「品の良いコンパクトセダン」といえよう。
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メルセデス・ベンツ Aクラス(4代目)×全国▼検索条件
メルセデス・ベンツ Aクラスセダン(初代)×全国【試乗車 諸元・スペック表】
●Aクラス A200d
| 型式 | 3DA-177012 | 最小回転半径 | 5m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.43m×1.8m×1.44m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.73m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.57m/1.56m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1490kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.13m |
| マニュアルモード | 〇 | ||
| 標準色 |
ポーラーホワイト |
||
| オプション色 |
コスモスブラック、イリジウムシルバー、マウンテングレー、サンイエロー、デジタルホワイト、パタゴニアレッド、ローズゴールド |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3DA-177012 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ポーラーホワイト |
| オプション色 | コスモスブラック、イリジウムシルバー、マウンテングレー、サンイエロー、デジタルホワイト、パタゴニアレッド、ローズゴールド |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
コラム |
| マニュアル モード |
〇 |
| 最小回転半径 | 5m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.43m×1.8m×1.44m |
| ホイール ベース |
2.73m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.57m/1.57m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1490kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.13m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | OM654q | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 43リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 20.4㎞/L |
| 総排気量 | 1949cc | 燃費(WLTCモード) | 19.1km/L └市街地:14.5km/L └郊外:18.5km/L └高速:23km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 150ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
320(32.6)/3200 |
| エンジン型式 | OM654q |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1949cc |
| 最高出力 | 150ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
320(32.6)/3200 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 43リットル |
| 燃費(JC08モード) | 20.4㎞/L |
| 燃費(WLTCモード) | 19.1km/L └市街地:14.3km/L └郊外: 18.5km/L └高速: 23km/L |
| 燃費基準達成 | - |
【試乗車 諸元・スペック表】
●Aクラスセダン A180
| 型式 | 5BA-177184 | 最小回転半径 | 5m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.56m×1.8m×1.45m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.73m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.57m/1.56m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1370kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.13m |
| マニュアルモード | 〇 | ||
| 標準色 |
ポーラーホワイト |
||
| オプション色 |
デジタルホワイト、コスモスブラック、デニムブルー、イリジウムシルバー、マウンテングレー、パタゴニアレッド、ローズゴールド |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 5BA-177184 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ポーラーホワイト |
| オプション色 | デジタルホワイト、コスモスブラック、デニムブルー、イリジウムシルバー、マウンテングレー、パタゴニアレッド、ローズゴールド |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
コラム |
| マニュアル モード |
〇 |
| 最小回転半径 | 5m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.56m×1.8m×1.45m |
| ホイール ベース |
2.73m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.57m/1.57m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1370kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.13m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | M282 | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 43リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 16.4km/L |
| 総排気量 | 1331cc | 燃費(WLTCモード) | 15.4km/L └市街地:11.2km/L └郊外:15.7km/L └高速:18.2km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 136ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
200(20.4)/4000 |
| エンジン型式 | M282 |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1331cc |
| 最高出力 | 136ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
200(20.4)/4000 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 43リットル |
| 燃費(JC08モード) | 16.4km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 15.4km/L └市街地:11.2km/L └郊外: 15.7km/L └高速: 18.2km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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