【試乗】新型メルセデス・ベンツ EQS SUV│EV専用の車台がもたらすショーカーのような走り
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2024/01/02
▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、メルセデス・ベンツ EQS SUVに試乗した際のレポートをお届けEV専用プラットフォームを採用した初のSUV
メルセデス・ベンツの電気自動車シリーズである「EQ」。
先を見越したプラットフォームである「EVA(エレクトロリック・ビークル・アーキテクチャー)」を採用している。エヴァンゲリオンの初号機をほうふつとさせるプラットフォーム名だなと思ったのが3年ほど前であり、未来感とカッコ良さを感じてしまったのは私だけであろうか。
▲メルセデス・ベンツの中で最も大きなSUVであるEQS SUV

試乗したEQS SUVはEVAを採用した初のSUVであり、しかもフラッグシップモデルである。Sクラスから市場に登場させるのは、プレミアムカテゴリーを中心に意識しているからだろう。
EQシリーズ初のモデルとして登場したのはEQSであり、その後EQE、EQS SUV、EQE SUVという流れで作られた。
今回試乗したのはEQS SUVの「450 4マチック AMGラインパッケージ」のショーファーパッケージモデルだ。3列シートの7人乗りで、2列目には専用のエンターテインメントシステムとタブレットも装備されるモデルという。



実際に見るのは初めてだったが、5mを超えるボディは迫力が違う。
そして、外装のホワイトのカラーは奥深い細かなメタリックを使用していて、写真ではわかりづらいがとにかく上品で柔らかな雰囲気を醸し出した色だ。

格納式のドアハンドルがせり出すとき、異次元の瞬間が訪れる。
マグノリアの内装は弩級の高級感が感じられる色であり、最良のマテリアルだ。ブルーアメジストのアンビエントライトは、何とも言えない雰囲気をキャビンにもたらす。

巨大なボディをテクノロジーで扱いやすく
現実的ではない現実を味わう時が来た。まるでショーカーにでも座っているような気分だ。
走り出す瞬間は、巨人の手で押されたような感覚にとらわれた。
システム出力の数値は360馬力だが、一気に花を咲かすトルク特性はフラッグシップらしくゆとりを感じさせるセッティングとなっている。このあたりのメルセデスがもつノウハウは、揺るぎないものである。

メルセデス・ベンツのすごさは、大きい車体でも乗りやすい点にあろう。
六本木から出発して狭い道を経て首都高に入るルートだったが、3.2mを超えるホイールベースであっても不便さは感じられない。
自宅の小さな駐車場も驚くほど小回りが利いてリバースでの車庫入れは長さを感じさせないほどだ。2mを超える幅感はやはり感じられるが、見切りは悪くない。

最大10度操舵するリアのステアリングシステムは以前からあったシステムとはいえ、感覚が自然体だ。このシステムによって、コンパクトカーにも匹敵する5.1mの回転半径を実現している。
高級車にエアサスペンションはつきものであるが、メルセデス・ベンツはエアのアクチュエーターを惜しみなく使って盤石のシステムとなっている。
特に高速では、ストロークの深いゆったりとした特別なフラットライドな空間を共有できのがSクラスというとことなのだろうか。

SUVは一般的にヒップポイントが高いが、身長170cmの私にも乗降性はとてもいい。
しいて言うならば、ロッカーパネルのわたりの幅が広いくらいであろうか。これは欧州車の高級モデルは当たり前なのだが……。

カタログでは航続距離が593kmとうたっているので、充電に関しては気にならないかもしれないが、充電する際の時間は気になってしまう。
イージーで快適なモデルだからこそ、充電することをつい忘れそうになってしまうモデルであることは間違いない。

▼検索条件
メルセデス・ベンツ EQS SUV(初代)【試乗車 諸元・スペック表】
●450 4マチック AMGラインパッケージ 4WD
| 型式 | ZAA-296624 | 最小回転半径 | 5.1m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 5.14m×2.04m×1.73m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 3.21m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.67m/1.68m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | ◯ | 車両重量 | 2900kg |
| シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 7名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.18m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
オブシディアンブラック、ハイテックシルバー、ソーダライトブルー、エメラルドグリーン、セレナイトグレー |
||
| オプション色 |
アルペングレー、ダイヤモンドホワイト |
||
| 掲載コメント |
※交流電力量消費率 WLTCモード 221Wh/km 市街地モードWLTC-L 218Wh/km 郊外モードWLTC-M 215Wh/km 高速道路モードWLTC-H 228Wh/km |
||
| 型式 | ZAA-296624 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | ◯ |
| 標準色 | オブシディアンブラック、ハイテックシルバー、ソーダライトブルー、エメラルドグリーン、セレナイトグレー |
| オプション色 | アルペングレー、ダイヤモンドホワイト |
| シート列数 | 3 |
| 乗車定員 | 7名 |
| ミッション 位置 |
不明 |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.1m |
| 全長×全幅× 全高 |
5.14m×2.04m×1.73m |
| ホイール ベース |
3.21m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.67m/1.68m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 2900kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.18m |
| 掲載用コメント | ※交流電力量消費率 WLTCモード 221Wh/km 市街地モードWLTC-L 218Wh/km 郊外モードWLTC-M 215Wh/km 高速道路モードWLTC-H 228Wh/km ※一充電走行距離(WLTCモード)593km |
| エンジン型式 | - | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 電気モーター | 使用燃料 | 電気 |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | -リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | -cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 360ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
800(81.3)/- |
| エンジン型式 | - |
|---|---|
| 種類 | 電気モーター |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | -cc |
| 最高出力 | 360ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
800(81.3)/- |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 電気 |
| 燃料タンク容量 | -リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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