【試乗】新型 メルセデス・ベンツ CLEクーペ|エレガントなラインが際立つが、目立たない部分にも良質さが詰め込まれたモデルだ
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2024/06/20
▲2024年3月に日本国内で発売となった新型 メルセデス・ベンツ CLEクーペ。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による試乗インプレッションをお届けするCクラスでもなくEクラスでもない、特別な乗り心地
新たなコンセプトで作られたエレガントなクーペが、メルセデス・ベンツ CLEクーペである。
2023年の7月に本国でオンラインにて発表されたが、そのコンセプトとCLEというネーミングは以前より考えられていたものだという。
もともとあったCクラスとEクラスのクーペに代わって登場し、大きさはEクラスクーペに近いが、クオーターパネルより伸ばしたフォルムによって従来のクーペの基本デザインを踏襲しながら、似て非なるエレガントなラインを形成している。
▲メルセデスデザインの基本思想である「Sensual Purity」によって磨き上げられ、ダイナミックかつエモーショナルなスタイリングを形成
▲全長4850mm×全幅1860mm×全高1420mm日本では2024年3月に発売。2L 直4ターボ+マイルドハイブリッド(MHEV)を搭載した「CLE200」のみのラインナップであるが、ヨーロッパではその他に直6電動スーパーチャージャー付きターボユニットのパワーモデルとディーゼル仕様が用意されている。
M254と呼ばれるISG搭載のこのエンジンは、新型Eクラス搭載されているものと同じであるが、試乗したことはなかった。そのため、このボディに2L MHEVのパワープラントはいかがなものか? と疑問を持っていたのも事実だ。
しかし、以前試乗したメルセデスAMG SLクラスの2Lエンジンの実力が素晴らしいものであたため、期待は高まる。
運転席に乗り込むと、大きなモニターとフローティングデザインのメーター、躍動感ある送風口のデザインが目に入る。CLEも最近のメルセデスのアーキテクチャーを採用しており、色合いがクーペにふさわしく上品にまとめられている。

ロングノーズと伸びやかなリアをもっているボディだが、メルセデスの車は非常に見切りが良好だ。
サイドミラーにはサイドパネルの大きさがリアルに映しだされるので、駐車や狭い道でも感覚がつかみやすい。
気になるパワーユニットに火を入れると瞬時に始動する。クランキングは、まさに“瞬時”という言葉がふさわしい。
そしてエンジンの振動は皆無であるぐらい少ない。4気筒でこのクオリティかと、さらに期待は高まる。
▲最高出力204ps(150kW)、最大トルク320N・mを発揮するM254ユニットDレンジにレバーを倒してスタートする。ちなみにこのセレクターは好みが分かれるかもしれないが、個人的にはとても扱いやすい。
3人乗車で走り出すが全く力不足は感じず、4気筒エンジンにありがちなチープな音振もない。6気筒に迫るクオリティに仕上げてある。
2Lクラスのトルクを発生させるハイブリッドモーターユニットの威力は有効だ。トルクの谷を見事に埋めることよって、大きな排気量のようにフラットなトルクを作り出す。
そして4気筒であることでノーズが軽く、軽快感を促している。
ちょっとしたS字のカーブでもフロントの重みを感じることなく、左右にヒラヒラとターゲットを交す。クーペらしい挙動だ。

「上品」という言葉にふさわしいサスペンションの懐も、特出すべき点だ。CクラスでもなくEクラスでもない、特別な乗り心地を作り出している。
試乗の舞台を一般道から首都高速変える。強めの加速をしてもノーズダイブはなく、路面に吸い付くような印象をドライバーと同乗者に与える。
ステアリングを切らずにレーンチェンジを行っているような錯覚に陥るほど、身体の感覚と操舵が一体化する。
どこかネガティブな部分はないものか? と探してみたが……見当たらない。2Lであっても高級感ある雰囲気をしっかりと作り出している。
構想期間も含めると、このモデルが世に出るまで20年近くが経過を要したという。時代に合ったエンジニアリング構想を、しっかりと見つめて作られたモデルであることが試乗して理解できる。
決して艶やかではないが、目立たない部分に良質さが詰め込まれたモデルである。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ CLEクーペ(初代・現行型)×全国【試乗車 諸元・スペック表】
●CLE200 スポーツ (ISG搭載モデル)
| 型式 | 4AA-236350C | 最小回転半径 | 5.2m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.85m×1.86m×1.42m |
| ドア数 | 2 | ホイールベース | 2.87m |
| ミッション | 9AT | 前トレッド/後トレッド | 1.61m/1.59m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | △ | 車両重量 | 1760kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.14m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ポーラーホワイト |
||
| オプション色 |
オブシディアンブラック、グラファイトグレー、ハイテックシルバー、スペクトラルブルー、オパリスホワイト、パタゴニアレッド、アルペングレー、グラファイトグレーマグノ(マット) |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 4AA-236350C |
|---|---|
| 駆動方式 | FR |
| ドア数 | 2 |
| ミッション | 9AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | △ |
| 標準色 | ポーラーホワイト |
| オプション色 | オブシディアンブラック、グラファイトグレー、ハイテックシルバー、スペクトラルブルー、オパリスホワイト、パタゴニアレッド、アルペングレー、グラファイトグレーマグノ(マット) |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 4名 |
| ミッション 位置 |
コラム |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.2m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.85m×1.86m×1.42m |
| ホイール ベース |
2.87m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.61m/1.59m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1760kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.14m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | 254M20 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 66リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 16.4km/L |
| 総排気量 | 1997cc | 燃費(WLTCモード) |
14.5km/L
└市街地:9.8km/L └郊外:15.1km/L └高速:17.8km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 204ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
320(32.6)/4000 |
| エンジン型式 | 254M20 |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1997cc |
| 最高出力 | 204ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
320(32.6)/4000 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 66リットル |
| 燃費(JC08モード) | 16.4km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 14.5km/L
└市街地:9.8km/L └郊外: 15.1km/L └高速: 17.8km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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