【試乗】新型 フォルクスワーゲン ティグアン|4MOTIONの超安定性に驚く! 最適なシステム介入で雪上ドライブも怖くない!
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
タグ: フォルクスワーゲン / ティグアン / EDGEが効いている / 松本英雄
2019/03/03


数パターンのシーンを再現した雪上テストコースで試乗
初のディーゼルエンジンと4MOTIONという4WDシステムを搭載しているティグアンだが、アスファルト中心の試乗では操作性は良好だった。
4WDのSUVを選ぶユーザーは、雪というシュチュエーションでの性能が最も知りたいのではないだろうか。
そこで今回は雪深い長野県北部の新潟県とまたがる斑尾高原で、新型ティグアンの雪上試乗をしてきた。
雪で作ったクローズドのオフロードコースを走るというもの。
メニューの内容は、対角線上に車輪を浮かせるモーグルセクション、パイロンを縫うように走るスラロームセクション、雪で作った急こう配の滑りやすい山をゆっくり上って下るセクション、また中心に置かれた三角ポールを中心にアクセル全開で雪上定常円旋回を試せるコースとなっている。
よほどのシーンでなければ、走行モードを選択せずとも走破してしまう

初めに、モーグルセクションで走破性能を確かめる。
このセクションでは、雪のくぼみに車輪を落とすことで、前後対角線上の車輪が浮いてしまう状況をわざと作り出している。つまり、雪道やぬかるんだ道でスタックした場合の脱出力を確認できるわけだ。
並の4WDでは接地している車輪へトラクションがうまく伝えられず前に進むことが難しい。
接地している車輪に動力を伝える作用はLSD(リミテッド・スリップ・デフ)が担うが、これがオフロードにおけるLSDの最も大きい利点だ。
最近では、四輪の状態をセンサーが感知し、ブレーキを左右別々にコントロールすることで接地している車輪に動力を伝える、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を使った仕組みも多くなっているが、ティグアンもそのコントロールシステムを採用しているモデルだ。

初めはオンロードで静かに通過してみた。サスペンションのストロークがたっぷりあるので、なかなか空転の状況に持ち込めない。
しかも前後どちらかが空転した程度では、あっけなく前に進んでしまうのだ。
何度も試したが、走行モードをセレクトすることなくクリープの状態で走破してしまう。言ってみればもともと素性が良い車ということなのだろうか。
ある程度の速度域からは走行モードによる性格の違いが明らかに

スラロームでオンロードとスノーモードを使い分けてみたところ、明らかな違いがあった。スノーモードの方が雪道では安定感が高く、雪上とは思えないほどスイスイとスラロームを通過できる。
旋回する際、コースの外に膨らむ寸前にブレーキと動力のシステムがさりげなく介入し、車体をコントロールして正確なターンインを助けてくれるのだ。
基本中の基本、フットブレーキのフィーリング性能が高い!
滑りやすい下り坂でも、ヒルディセントコントロールが介入する必要性がないほど路面との密着性が良い。
新しく開発されたミシュランのスタッドレスタイヤの恩恵もあるのだろうが、驚いたのはフットブレーキのコントロールがしやすいこと。
微妙な踏力調整に対してダイレクトにブレーキをコントロールできるのだ。
慣れている人ならば滑りやすい下りでもシステム介入なしで、フットブレーキだけで速度コントロールができるだろう。
滑りやすい路面での旋回性能の高さは安心ドライブにつながる

最後に定常円旋回だ。
ここはこの手のSUVモデルは、たいていアンダーステア気味に外に膨らんでいく。
そこをさらにアクセルを開け、リアにトラクションと荷重をかけると、スライドしながらドリフト状態で円を描けるのである。
公道でこのような走り方をするシーンはそうそうないだろうが、ややオーバースピードでカーブに進入してしまった場合など、アクセルオンで向きを変えられる性能は役に立つのだ。

ティグアンの4MOTIONは滑りやすい路面でのスポーツ走行というよりも、とにかく車の姿勢を安定に保つセッティングのようだ。
もちろん、選択した走行モードや乗り方によって姿勢や挙動に変化があるが、基本的にはそれが安全に走るために一番大切なセッティングであり、ティグアンはそういった狙いで設計されているSUVということができる。
【スペック・諸元表】※試乗車
■グレード:TDI 4モーション Rライン ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直列4気筒DOHC+ターボ ■総排気量:1968cc
■最高出力:110(150)/3500-4000 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:340(34.7)/1750-3000[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:7AT
■全長x全幅x全高:4500 x 1860 x 1675(mm) ■ホイールベース:2675mm
■ガソリン種類/容量:軽油/63(L)
■JC08モード燃費:17.2(㎞/L)
■車両価格:524万円~(税込)
【関連リンク】
あわせて読みたい
初めてのポルシェ 911はコレを! モダンクラシックな「996型」と「997型」の魅力と現状と真実を専門店に聞いてきた
2157psの新開発V12クアッドターボエンジンを搭載! イタリアン・スーパーカーの聖地で誕生した新プロジェクトの行方は?【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
【試乗】新型 ポルシェ マカン|BEVでもエンジン車と変わらぬポルシェらしい自然なドライブフィールが味わえる!!
新型日産 マイクラが待ちきれない人に贈る「今すぐ買えるコレ、代わりにどうですか?」5選
【試乗】新型 アウディ Q6 e-tron|快適な乗り心地と扱いやすさで幅広い層にアピールする最新BEV!
ID.Buzzの新車乗り出し約1000万円に絶望した人に贈る「半額以下で買えるコレ、代わりにどうですか?」5選
【試乗】新型 ランドローバー ディフェンダー オクタ|オフロードでもオンロードでも “究極のパフォーマンス”を発揮する635psのラリーベースモデル
ヒョンデ インスターは見た目もサイズも最高! でも……EVはキツイという人に贈る「代わりにコレどうですか?」5選
【試乗】新型 メルセデスAMG GT63 S Eパフォーマンス 4ドアクーペ|AMG謹製V8エンジンを感じさせてくれるパフォーマンス志向のPHEVモデル
【試乗】新型 フィアット 600ハイブリッド|ドライバーをとりこにするハンドリング、これぞイタリアンコンパクト!