BMW X1 は駆け抜ける喜びをしっかりと感じ取れるSAVである
2016/01/29

SAVらしさを存分に堪能できる
SUVではなくSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)。メーカー自らがそう標榜するだけあって、先代は背が低くスポーティなデザインだった。それに比べると新型は、いわゆるSUVっぽいスタイルになったというのが第一印象だ。
2010年に登場したBMWのコンパクトSUV、X1が2代目へとモデルチェンジした。最大のトピックはこれまでFRだったプラットフォームが、このモデルから2シリーズアクティブ&グランツアラーと同様のFFになった点だ。エンジンも同じく新世代のモジュラーユニットを搭載する。ラインナップは1.5L 3気筒ターボでFF(sDrive)の「18i」、2L 4気筒ターボで4WD(xDrive)の「20i」と「25i」がある。
全長は30mm短くなったというが、全高が35mm高くなっていることもありひと回り大きくなった印象を受ける。FF化による恩恵もあって、特に後席が広くなった。頭上空間はもちろんニールームも最大66mm拡大している。
まずは192ps/280N・mの「20i」に乗り込む。パワフルというほどではないが不満はない。エンジンは回せばきっちり加速してくれるし、8速ATはもはやその存在を意識させないほどスムーズに動作する。18インチタイヤを履いたサスペンションはしなやかさとスポーティさをうまくバランスさせている。
一方の「25i」は、ベースは20iと同じ2Lエンジン。とはいえ出力は231ps/350N・mと明確な差があり、乗り比べるとその力強さは魅力的だ。またこちらにはオプションの19インチタイヤが組み合わされており、よりダイレクトでスポーティな乗り味だったが、街乗りを重視するなら個人的には18インチが好みだ。ちなみに「20i」と「25i」の両者のあいだに設定された価格差は約80万円。売れ筋はやはり前者ということになるだろう。
4WDシステムは、いわゆるオンデマンド式で通常時はFFで走行。ステアリングの切れ角やホイールの回転速度などからアンダーやオーバーステアの徴候を感知すると瞬時に前後アクスルへトルクを配分する機構となっている。またコーナリング時にアンダーステアの状況になると内側後輪に自動でブレーキをかけ、外側の駆動を高めハンドリングを向上させる「パフォーマンスコントロール」も備えている。
実はそのスタイルから、かつてのSAVらしさを失ったのでは思っていたが、ステアリングを握ればあっという間にその疑いは晴れた。FF化しようとも、背が高くなろうとも、BMWにとって「駆け抜ける歓び」とは普遍のものなのだとあらためて感じた。



【SPECIFICATIONS】
■グレード:xドライブ 20i xライン 4WD ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1998cc
■最高出力:141(192)/5000[kw(ps)/rpm]
■最大トルク:280(28.6)/4600[N・m(kg・m)/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:8AT
■全長×全幅×全高:4455×1820×1610(mm) ■ホイールベース:2670mm
■車両重量:1660kg
■車両本体価格:492万円(税込)
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