【試乗】新型 BMW 3シリーズ Mスポーツ ディーゼルターボ│ディーゼルの良さを存分に生かしたスポーツセダン
2019/10/21
▲2019年5月に「BMW 3シリーズ」に追加された、2リッター直4ディーゼルモデル「320d xドライブ Mスポーツ」。BMWとして初めて、ディーゼルエンジンに低回転と高回転で切り替わる2ステージターボシステムを組み合わせている。今回は自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が試乗した際の模様をレポートするディーゼルとスポーツの融合
ディーゼルモデルは鈍重だ、そんなイメージをもつ人が多いかもしれない。
鈍重なイメージとは言わないまでも、一昔前の日本では車のスポーティさとディーゼルエンジンは対極に位置するという雰囲気があったのは事実だろう。
加えてセダンタイプでディーゼルと聞くと、どうしても実用的な印象を感じてしまうのは私だけではないはずだ。
ところが欧州ではずいぶんと前から、ニュルブルクリンク24時間レースなどでディーゼルモデルが活躍している歴史がある。
そんなディーゼルとスポーツの親和性を如実に表すような、ステアリングを握りアクセルを踏むと一瞬にしてスポーツディーゼルセダンの良さを理解できる車がある。
それが「BMW 320d xドライブ Mスポーツ」である。


BMWの4気筒への理念
この車は2リッター4気筒のDOHC16バルブユニットに、ターボチャージャーを搭載するエンジンをもつ。
このディーゼルエンジンは最大トルク400N・mを1750回転という低回転から発揮させることができる。その最大トルクを2500回転まで持続することができ、最高出力は190psをマークするのだ。
気持ちよく加速し、悠々と追い越しすることを可能にするスペックの車だ。
ところでこの車が4気筒であることに対して、BMWのエンジンといえば「シルキーシックス」と呼ばれる直列6気筒ではないか、と思う方も多くいると思う。
しかしながら、BMWのエンジンは4気筒から開発が開始され、4気筒を成長、改良させて6気筒にした歴史がある。
無論、BMWの直列6気筒は実にスムーズでバランスが取れているユニットであり、運転すると非常に気持ちのよい走りをみせるが、BMWの理念を強く投影しているエンジン設計は4気筒なのである。
▲必要に応じて空気の流入量を調整可能な「アクティブエアストリーム」と呼ばれる電動開閉システムが組み込まれている
▲高性能3眼カメラや高性能プロセッサー、レーダーによって精度と正確性が向上した運転支援システムを標準装備スタビリティの高さを演出
このディーゼルスポーツセダンの走りはいかがなものか、高速道路で走らせてみた。
平坦な道はもちろんのこと、心臓破りと称されそうな上り坂もびっくりするほどグイグイ上る。
コーナーの脱出も素早く、スポーツモードにすればさらに楽しい走りをみせてくれる。
加えて、安定感も素晴らしいものだ。
実のところ、BMWのMスポーツ系はドライの路面重視のセッティングであるためか、濡れた路面でのパフォーマンスに幾分不安を感じる側面がある。
また、新型Z4に装着している「Mスポーツディファレンシャル(後輪の回転スピードの違いを補う機能)」もよい働きをするのだが、こと濡れた路面になると安定したスタビリティは生みにくい。
しかしこの車は、スタビリティの高さに定評があるBMWのインテリジェント4WD、「xDrive」を搭載しているため濡れた路面でも安定しているのだ。
FRのイメージのままで負荷をかけると「xDrive」の性能が生きて、フロントに働く動力を上手にリアに移行し高いスタビリティを演出してくれる。
▲搭載される2L 直列4気筒DOHCは最高出力190ps、最大トルク400N・mを発揮する
▲スタビリティの高い、しっかりと安定した走りを見せてくれたまたとないスポーツセダン
8速ATもとても気持ちよくシフトアップするのが、アクセルを強く開けて加速してみると分かる。
3シリーズが8速ATになって以来変わらずのことであるが、ドライビングプレジャーをよく理解しているトルクコンバータータイプATだ。
それでいて、最大トルク付近でスロットルをパーシャルにしておくと、爽快感を感じさせる加速でみるみる速度が上がる。
これがスポーツセダンだと感じるワンシーンだ。
人によっては重めに感じるパワステもダイレクト感があって、この方が最小限の舵角でカーブをトレースすることができる。
ディーゼルの良さを遺憾なく発揮した、スタビリティの高いスポーツセダンはもうこれしかない。
またすぐに乗りたくなってしまう1台である。

【試乗車 諸元・スペック表】
●320d xドライブ Mスポーツ ディーゼルターボ 4WD
| 型式 | 3DA-5V20 | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.72m×1.83m×1.44m |
| ドア数 | 4 | ホイールベース | 2.85m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.59m/1.57m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1680kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 1955kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.13m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
アルピン・ホワイトIII、ミネラル・ホワイトメタリック |
||
| オプション色 |
ミネラル・グレーメタリック、ブラック・サファイアメタリック、タンザナイト・ブルーメタリック、オキサイド・グレーメタリック、ドラバイト・グレーメタリック、シトリン・ブラックメタリック、ブリリアント・ホワイトメタリック、フローズン・ダーク・グレーメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| エンジン型式 | B47D20B | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 59リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 18.9km/L |
| 総排気量 | 1995cc | 燃費(WLTCモード) |
15.3km/L
└市街地:- └郊外:- └高速:- |
| 燃費基準達成 | R02年度燃費基準 +10%達成車 |
||
| 最高出力 | 190ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/2500 |
| 型式 | 3DA-5V20 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 4 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | アルピン・ホワイトIII、ミネラル・ホワイトメタリック |
| オプション色 | ミネラル・グレーメタリック、ブラック・サファイアメタリック、タンザナイト・ブルーメタリック、オキサイド・グレーメタリック、ドラバイト・グレーメタリック、シトリン・ブラックメタリック、ブリリアント・ホワイトメタリック、フローズン・ダーク・グレーメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.72m×1.83m×1.44m |
| ホイール ベース |
2.85m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.59m/1.57m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1680kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 1955kg |
| 最低地上高 | 0.13m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | B47D20B |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1995cc |
| 最高出力 | 190ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/2500 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 軽油 |
| 燃料タンク容量 | 59リットル |
| 燃費(JC08モード) | 18.9km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 15.3km/L
└市街地:-km/L └郊外: -km/L └高速: -km/L |
| 燃費基準達成 | R02年度燃費基準 +10%達成車 |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『車は50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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