レンジローバーイヴォーク・コンバーチブルはこれまでのコンバーチブルの持つイメージを覆す
カテゴリー: ランドローバーの試乗レポート
2016/04/27
▲100%のうち95%は手に入れたいというのが素直な気持ち。その気持ちにブレーキをかけるのは車の美しさを自分が汚してしまうのではという恐怖。車と似合う服装を意識するのが常だというオシャンティたちに意味もなく屋根を開けて骨董通りを往復していてほしい混ぜるな危険! と勝手に思い込んでいたけれど……
イヴォークには5ドアと3ドアの2種類があって、5ドアの車名がイヴォークなのに対し、3ドアは正確にはイヴォーク・クーペという。イヴォーク・クーペはその名のとおり、SUVとクーペをクロスオーバーさせたコンテンポラリーなモデルだ。そのSUVとクーペのクロスオーバーに、さらにオープンカーを掛けあわせたのがイヴォーク・コンバーチブル。メーカーは「Convertible For All Seasons」とうたう。
日本仕様のイヴォークと同じガソリンの2L直4ターボに乗って、フランス南東部のリヨンから、アルプスの高級スキーリゾート、クールシュベルを目指す。乗り味はイヴォーク・クーペと同じ。ボディ剛性感は十分で、キシミ音などとは一切無縁。9速ATが細かく変速を繰り返すが、ショックはなく、シームレスな加減速を得られる。
空港駐車場から一般道へ抜ける間にトップを開ける。開けるのに18秒程度を要するが、48km/hまでなら走行中でも開閉できるため、ストレスはない。閉めるのに要するのは21秒程度。開けたときの感覚は独特だ。角度の寝たフロントガラスが頭上までせり出してきているし、リアに向かって上がっていく特徴的なショルダーラインの位置がそもそも高いため、開けても囲まれ感は強く、開放感あふれるという感じではない。
思うに、この車は外から見られてどうかということを強く意識したオープンカーではないか。あるときトップをおろしたイヴォーク・コンバーチブルが自分の目の前を走り抜けるのを見て、あまりの美しさにそう感じた。単なる移動の手段としてではなく、身に着けて自身を表現するものとして車をとらえている人にこれ以上オススメしたい車はない。
さらに重要なのはトップを上げたときのプロポーションの素晴らしさ。南カリフォルニア在住でもない限り、どんなオープンカーでも閉めた状態で使う時間の方が多い。クローズドのイヴォーク・コンバーチブルはイヴォークとも、イヴォーク・クーペとも異なるシルエットを楽しませてくれる。5層からなるトップの耐候性はもちろん、静粛性もかなりのもので、閉めればほぼイヴォークと変わりない快適性が得られる。しかも3ドアのイヴォーク・クーペどころか5ドアのイヴォークよりも、後席の頭上スペースに余裕があるのだから恐れ入る。
オープンカーはやせ我慢の車だというこれまでの風潮に一石を投じるエフォートレスなオープンカーだ。日本導入は秋頃。
▲SUVモデルだけにオフロード走行も可能。渡河能力も水深500mmまで対応している
▲次世代インフォテインメントシステム(InControl Touch Pro)を備えた10.2インチタッチスクリーンをブランド初採用
▲ラゲージスペースは251Lを確保。スキー板などの長尺物にも対応するスキーハッチも備わった【SPECIFICATIONS】
■グレード:HSE Dynamic ■乗車定員:4名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1999cc
■最高出力:240/5800[ps/rpm]
■最大トルク:340/1750[n・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:9AT
■全長x全幅x全高:4370x1980x1609(mm) ■ホイールベース:2660mm
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