【試乗】新型 ヒョンデ インスター ラウンジ|かわいい見た目に安心感を兼ね備えたコンパクトEV
2025/06/03

韓国を代表するヒョンデ自動車。クオリティに期待大!
隣国、韓国を支えている企業は大きく分けると4つの財閥で成り立っていると言っても過言ではない。
サムスン電子、LG電子、SK、そしてヒョンデ自動車である。

ヒョンデはちなみに、2024年度の収益は過去最高というジェトロのリリースを少し前に見たことがある。日本ではそれほど見かけることがないヒョンデであるが、アメリカやヨーロッパではとてもよく見かける。
かつては日本の自動車に近い雰囲気のモデルで日本市場にもチャレンジしたこともあったが、販売は特殊な市場といわれる日本では苦戦した事実がある。
しかし、ヒョンデは世界新車販売台数で第3位のメーカーだ。黙って日本を見ているわけではない。アイオニック、KONA、などの日本にマッチしたEVモデルを投入していることはご存じであろう。
ヒョンデ自動車は、ドイツプレミアムモデルのエッセンスを導入しながら今までヒョンデが培ってきた車づくりをして、モデルの個性を主張した印象を私は感じる。正直言って価格にして驚くクオリティの高さを感じられる部分も多い。
小型だが力強いフォルム
今回はヒョンデとしては最も小型なエントリーモデルを日本でも展開して、多くの人に知ってもらうということだろうか。
その名は“インスター”という。

ディメンションは見た雰囲気で言うと初代マツダ デミオという印象だ。親しみやすいBEVのサイズと言えよう。
全体のデザインはキッチュな感じと言った方がいいだろうか。日産 ジュークとキューブをミックスして小型にしたような部分もある。小型で力強いフォルムを作り出すのは欧州のノウハウも組み込んだのだろう。
インテリアに至ってはアイオニックのアーキテクチャーを使っているので、車のサイズよりもハイグレードのインジケーターが取り付けられている。特に方向指示器を左右に動かすと死角の部分を映しだすメーターパネルは便利で、アイオニック同様に画質もいい。


各部のクオリティは日本の同モデルクラスより良質な雰囲気がする。FFの内燃機関モデルをすでに販売しているので作り込み自体には安心感はありそうだ。

この価格にしてすべてを盛り込んでいることを考えると、しかも日本仕様にあつらえたわけだからヒョンデの首脳陣の心意気が理解できよう。
パワー十分。制御もなめらかで扱いやすい
では試乗してみよう。
アクセルを踏んだときのパワーのコントロールは極めて良好だ。115psと15.0kg・mのトルクもあれば1400kgに車重には十分なパワーである。アイオニックよりも制御が滑らかな印象を受ける。これは扱いやすいということである。

回生ブレーキの制動力とディスクブレーキの頃合いも文句ない。
ただ一点あるとすれば、タイヤと路面のコンタクトが希薄になったときに特に下り坂で起こる現象なのだが、ブレーキ制御が欧州のモデルに非常に類似した動きをする。具体的にはフロントが沈み込みリアタイヤが路面から離れようとするときに生じるABSの動きだが非常に気になった。ちなみに日本の自動車メーカーでは感じ取れたことはない。
それ以外は正直言って文句のつけようのないモデルである。世界で3位の販売実績はだてじゃない。
一度の充電で、WLTCモードで458km走行が可能だというが、まぁこれは7割くらいに考えた方が安全に走行できるだろう。EVの欠点は何といってもインフラだ。しかし、いつも決まった道や充電施設を心得ているのであれば恐るるに足らないだろう。

かわいくて質感の高く装備盛り盛りのヒョンデ インスター ラウンジは357万5000円也である。装備と値段と走った印象からすれば値頃感は否めない。
【試乗車 諸元・スペック表】
●ラウンジ
型式 | ZAA-B1511 | 最小回転半径 | 5.3m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 3.83m×1.61m×1.62m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.58m |
ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.4m/1.42m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.83m×1.38m×1.42m |
4WS | - | 車両重量 | 1400kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | 1620kg |
ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.14m |
マニュアルモード | - | ||
標準色 |
アトラスホワイト、トムボーイカーキ |
||
オプション色 |
アビスブラックパール、バタークリームイエローパール、シエナオレンジメタリック |
||
掲載コメント |
※交流電力量消費率(国土交通省審査値)WLTCモード 119Wh/km 市街地モード103Wh/km 郊外モード110Wh/km 高速道路モード132Wh/km |
型式 | ZAA-B1511 |
---|---|
駆動方式 | FF |
ドア数 | 5 |
ミッション | その他AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | アトラスホワイト、トムボーイカーキ |
オプション色 | アビスブラックパール、バタークリームイエローパール、シエナオレンジメタリック |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 4名 |
ミッション 位置 |
不明 |
マニュアル モード |
- |
最小回転半径 | 5.3m |
全長×全幅× 全高 |
3.83m×1.61m×1.62m |
ホイール ベース |
2.58m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.4m/1.42m |
室内(全長×全幅×全高) | 1.83m×1.38m×1.42m |
車両重量 | 1400kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 1620kg |
最低地上高 | 0.14m |
掲載用コメント | ※交流電力量消費率(国土交通省審査値)WLTCモード 119Wh/km 市街地モード103Wh/km 郊外モード110Wh/km 高速道路モード132Wh/km ※一充電走行距離(国土交通省審査値)WLTCモード 458km |
エンジン型式 | EM08 | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 電気モーター | 使用燃料 | 電気 |
過給器 | - | 燃料タンク容量 | -リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | -cc | 燃費(WLTCモード) | - |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 115ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
147(15)/5400 |
エンジン型式 | EM08 |
---|---|
種類 | 電気モーター |
過給器 | - |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | -cc |
最高出力 | 115ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
147(15)/5400 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 電気 |
燃料タンク容量 | -リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | -km/L |
燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は馬場馬術。
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