マツダ RX-7 【プレイバック試乗記】
カテゴリー: マツダの試乗レポート
2009/06/09
※この記事はカーセンサー関東版41号(2000年11月2日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
しなやかな足とリニアな手応えで理想的なスポーツカーになった
↑走りは非常にダイレクト感が強く、よい緊張感が漂うスポーツモデルに仕上げられている(左)ボディカラーは専用のスノーホワイトパールマイカ。175台の限定モデル(右)
精度の向上が、今回のRX-7改良の大きなテーマだ。メカニズム面の改良としては、パワステ特性を変更しステアリングフィールを向上させている。また、ABSの制御を16ビット化とし、きめ細やかな作動とした。さらに、EBD(電子制御制動力配分システム)を追加することで制動配分を最適化しブレーキング時の安定性を高めた。また、ダンパーは減衰力をわずかに落とすことで、よりしなやか感のある足の動きを実現している。結果、走りはスポーツモデルとして理想的な高い質感を伴うものとなった。ステアリングの手応えはよりリニアになり、足回りも不快な衝撃をうまく和らげながらも、スポーツ性と両立した味つけとなった。ロードスターもそうだったが、フィット感が抜群に良くなった。つまり、走りのマシンとして精度が向上したと言える。
まさに「名刀」。復活したRZは究極のRX-7!
↑メーターはマツダ車共通のホワイトとなり、照明もアンバーに変更されている(左)RZは2シーターゆえ、リアシート部分にストレージボックス(小物入れ)を用意する(右)
注目は、2シーターのスパルタンモデル「RZ」の復活だ。タイプRSに比べ10Okg軽量化されたボディに、レカロシート、BBSホイール、ビルシュタイン製ダンパーなどを備える。RZは、今回の改良による精度の向上に加え、さらに鋭い切れ味を味あわせてくれる。メカニズム部分は足回りの設定以外はRSと大差ないが、体感としては非常にダイレクト感が強く、緊張感の漂うスポーツモデルらしい感覚。まさに「名刀」だ。
開発者自身が以前から出したかったこのモデルが、限定ではあるがようやく現実になった。つまりこのRZは、RX-7の究極の姿。乗りこなすにもそれ相応の覚悟が求められる。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | タイプRZ |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | 5MT |
全長×全幅×全高(mm) | 4285×1760×1230 |
ホイールベース(mm) | 2425 |
車両重量(kg) | 1270 |
乗車定員(人) | 2 |
エンジン種類 | 直2ロータリー+ターボ |
総排気量(cc) | 1308 |
最高出力[ps/rpm] | 280ps/6500rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 32.0kg-m/5000rpm |
10・15モード燃費(km/L) | ー |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/76 |
車両本体価格 | 399.8万円 |
河口まなぶの責任採点
コンセプト | 5点 | 取り回し | 4点 | 加速性能 | 5点 | ブレーキ性能 | 5点 |
フィニッシュ | 4点 | 操作系の使い勝手 | 4点 | 乗り心地 | 4点 | 環境対策 | 3点 |
前席居住性 | 5点 | ラゲージルーム | 3点 | 操縦安定性 | 4点 | 燃費 | 3点 |
後席居住性 | ー点 | パワー感 | 5点 | 高速安定性 | 5点 | ステータス | 4点 |
内装の質感 | 3点 | トルク感 | 5点 | しっかり感 | 5点 | コストパフォーマンス | 3点 |
得点合計 | 79/100 |
マツダ RX-7 【プレイバック試乗記】/試乗レポート
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