【試乗】新型 メルセデスAMG G63 ローンチエディション|快適性と過激さをさらに増した“本格オフローダー”
カテゴリー: AMGの試乗レポート
2024/10/06

“電動化”を加えた最新型はよりラグジュアリーに!
2018年に登場した現行モデルがマイナーチェンジ。AMGが仕立てたハイパフォーマンスバージョンのG63も、ISGを搭載したマイルドハイブリッド仕様となっている。
2024年7月、メルセデス・ベンツ Gクラスの新型モデルが国内発表された。2018年に登場した現行モデル(W463A型)のマイナーチェンジモデルだ。
モデルチェンジといってもあの四角い無骨なスタイリングに大きな変更はない。それこそがGクラスたるゆえんであり、メルセデスも容易に変更の手を入れることができないはずだ。思い起こせば2000年代にGクラスの生産中止が噂されたことがあった。しかし、メルセデスにそれを翻意させたのは日本市場での人気の高さだったといわれる。本格オフローダーをストリートで使うというスタイルが流行し、それが世界的に広まっていった。
マイナーチェンジのタイミングで日本に導入されたのは、「G450d ローンチエディション」と「AMG G63 ローンチエディション」の2種類。モデルチェンジのポイントは両モデルに電動化システムである「ISG(Integrated Starter Generator)」を搭載したこと。「ISG」はエンジンとトランスミッションの間に配置された、電気モーターで、オルタネーターとスターターの機能も兼ねる。この電気モーターと48V電気システムにより、回生ブレーキによる発電を行いリチウムイオンバッテリーに充電。エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うもの。電動走行はしない、一般的にはマイルドハイブリッドと呼ばれるものだ。


今回、試乗できたのは「AMG G63 ローンチエディション」。いまや世界的にみればGクラスの販売台数の半数以上がG63という。国内車両本体価格はついに3000万円オーバーの3080万円と、ラグジュアリーカーの世界へと向かっているようだ。
エクステリアの変更点はほんのわずか。ボンネット上のバッジが新しくAMGクレストデザインになり、フロントバンパーの左右に配されたエアインテークが大型化されている。また、アルミホイールのデザインも新しくなった。ぱっと見では判断しづらいが、ルーフ前端にリップスポイラーを追加。そしてB/Cピラーの間やフロアに吸音材を追加するとこで空力特性、静粛性を向上しているという。そして、Gクラスとして初めてキーレスゴーを採用したのも朗報だ。キーを携帯しているだけで、ドアの開錠/施錠が可能になった。
特徴的なドアハンドルや、ガチャッと金属的かつ重厚なドアクロージング音には変わりはない。しかし、車内へと乗り込んでみると、既存のGクラスの面影はなく、ダイヤモンドステッチ付きのナッパレザーシートやフラットボトムなAMGパファーマンスステアリングを備えるなど、まさにラグジュアリーカーさながらの雰囲気だ。
そして「ハイ、メルセデス」で起動する対話型インフォテインメントシステム「MBUX」をGクラスとして初搭載。ナビの目的地入力をはじめ、電話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、エアコンの温度調整、照明などなどを音声で操作できるメルセデスではお馴染みの機能だが、満を持してGクラスにも採用されたというわけだ。MBUXは年々進化を果たしており、認識精度も高まり使い勝手が向上している。また、現実の映像の上に重ねて進むべき方向を矢印で表示するAR(Augmented Reality=拡張現実)ナビゲーションも標準装備している。
パワートレインは「One Man、One Engine」を原則とする、 AMG謹製の4L V8ツインターボエンジンを搭載。最高出力585ps、最大トルク850N・m を発揮。これに20ps、200N・m を発揮するISGを組み合わせる。トランスミッションには AMG スピードシフトTCT 9速トランスミッションを採用。0→100km/h 加速は4.4秒とスポーツカーのような性能を誇る。
サスペンションもまさにスポーツカーのごとし。AMG GTやSLに設定されている、ダンパーの伸び側と縮み側の減衰力を独立して制御できる電子制御のアダプティブダンピングシステムと、同じく電子制御の油圧式スタビライザーによる「AMG ACTIVE RIDE CONTROLサスペンション」を初採用。走行モードは、「Slippery」「Comfort」「Sport」「Sport+」「Individual」とオフロード走行プログラムの「Sand」「Trail」「Rock」の計8つのモードから選択可能。

走り出してすぐに静粛性が高まっていることに気づく。風切り音やロードノイズなども低く抑えられており、高速巡航がこれまで以上に快適になった。「Comfort」モードで走行していれば、そもそもはラダーフレームを採用する本格オフローダーであるGクラスであることを忘れてしまう、まるでサルーンのようだ。少し「Sport」モードも試してみた。タイヤの接地感が増しており、大きくて重いはずのGクラスだが、かなりの速度で安心してコーナーを曲がることができる。過激さも快適性もマシマシである。
ハイパーブルーマグノという派手なカラーリングもあってかこのGクラスは街中で注目を浴びる。試乗の合間、横浜の大黒パーキングで休憩していたら、BMWのスポーツモデルに乗っていた男性に話しかけられた。「Gクラス欲しいんですけど、いま買えないんですよね」と。たしかに、Gクラスの新車オーダーがストップしているという噂は聞いていた。それはおそらく、このモデルチェンジが控えていたからに違いない。裏をとったわけではないけれど、この新型が出たのできっとオーダーが再開しているはず。最寄りのディーラーにお急ぎを、と伝えておいた。カーセンサーEDGE的には、新型の登場で高値安定の中古車相場がもう少しこなれることを期待したい。







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メルセデスAMG Gクラス(現行型)× 全国メルセデス・ベンツ Gクラス(先代)の中古車市場は?

1979年に軍用車両の市販モデルとして登場したW460型をはじまりとする本格オフローダー。先代となるW463型は1991年に登場。スクエアなスタイルにラダーフレームや前後リジッドサスペンションなどを採用、フルタイム4WDに変更されている。大柄に見えるが、全長4575mm、全幅1860mm(ヘリテージエディション)と、近年の大型ラグジュアリーSUVと比べると扱いやすいサイズとも言えそうだ。
2024年9月下旬時点で、中古車市場には250台程度が流通、支払総額の価格帯は350万~2200万円。2016年に期間限定で販売された“究極のオフローダー”G550 4×4 スクエアードもわずかながら流通している。一方、AMGモデルは30台程度が流通、支払総額の価格帯は950万~2650万円となっている。
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メルセデスAMG Gクラス(先代)× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●G63 ローンチ エディション (ISG搭載モデル) 4WD
型式 | 4AA-465250C | 最小回転半径 | 6.3m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.69m×1.99m×1.99m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.89m |
ミッション | 9AT | 前トレッド/後トレッド | 1.66m/1.66m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 2570kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.24m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
オブシディアンブラック |
||
オプション色 |
オパリスホワイト、ハイパーブルーマグノ(マット)、ナイトブラックマグノ(マット) |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 4AA-465250C |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | 9AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | オブシディアンブラック |
オプション色 | オパリスホワイト、ハイパーブルーマグノ(マット)、ナイトブラックマグノ(マット) |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
コラム |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 6.3m |
全長×全幅× 全高 |
4.69m×1.99m×1.99m |
ホイール ベース |
2.89m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.66m/1.66m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 2570kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.24m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | 177 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
---|---|---|---|
種類 | V型8気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 100リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 7.3km/L |
総排気量 | 3982cc | 燃費(WLTCモード) |
6.8km/L
└市街地:4.7km/L └郊外:7.3km/L └高速:8km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 585ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
850(86.7)/3500 |
エンジン型式 | 177 |
---|---|
種類 | V型8気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 3982cc |
最高出力 | 585ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
850(86.7)/3500 |
環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 100リットル |
燃費(JC08モード) | 7.3km/L |
燃費(WLTCモード) | 6.8km/L
└市街地:4.7km/L └郊外: 7.3km/L └高速: 8km/L |
燃費基準達成 | - |
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