【試乗】新型メルセデスAMG G63|改良により心地よさという価値が付加された新たなGクラス
2025/05/23
▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、新型メルセデスAMG G63に試乗した際のレポートをお届け野蛮さではなくラグジュアリーを
新型のGクラスを3モデル乗り比べた。ここでは“老舗の匂い”がするGクラスのAMGモデルを紹介する。
グレード名は「G63 ローンチエディション」。ということは、W465型になっての初めてのAMGモデルである。
振り返ればGクラスのAMGモデル導入は1994年から始まったので、かれこれ31年の歴史がある。リジッドな車体とサスペンションと箱型のヘビーな仕様に、ハイパフォーマンスのパワーユニットを搭載して高級SUV試乗に大きな付加価値をもたらした。

試乗したAMG G63 ローンチエディションは、2018年に登場したAMG G63の改良モデルである。
レースシーンでも鍛えられたAMGは30年以上にわたって絶対的なパフォーマンスを維持してきた。それだけに車体の大きさに反した独自のアジリティは、モデルの形は変わっても時代に追従したハンドリングを果たす。
今回はG580 EQ テクノロジーを試乗した後にステアリングを握ることとなった。

個人的にはEQ テクノロジーのパフォーマンスが十分すぎる乗り心地やパフォーマンスだったこともあり、時代的にAMG G63の必要性はどの程度あるのかと感じていた。
そのような考えをいだきつつ、シートに体を沈めてエンジンを始動する。計算された点火クランク角によって、クランキングが一瞬でハーモニックなサウンドを奏でる。油臭い内燃機関で育った世代の私にとっては最高の1コマだ。
M177ユニットは生粋のAMGの設計で、ホットVシステムによるツインターボによりレスポンスは非常に良好だ。ちなみにこのユニットは、アストンマーティンにも採用されている。

理屈ではなく感性に訴えかけてくる
Dレンジに入れてスタートさせる。ISGによるモーターのアシストとエンジンのハーモニーが、おだやかな低速から中間加速にラグジュアリーさを付け加えている。
短い直線で加速を試み、エンジンにむちを入れる。M177は「ビーン!」というV8燃焼のバランスが取れた音で高揚をさらに高める。必要かどうかはさておき、この音と加速は感性に訴えるものだ。

それをさらに演出する9GトロニックによるATは、ダイレクトなシフトがシフトとシフトの隙をギリギリまでつめていてエンジン特性のおいしい部分を効率的に使う。
また、AMGシフトによるステップアップの頃合いも専用チューニングだけあってスポーツでダイレクトだ。
タイトでツイスティーな道を走る。ハンドリングの評価の出番だ。2.5tをゆうに超える車重とは思えないコーナリングはむしろ軽さを感じる。


もともと見切りが良いボディのGクラスはリアルオフロードにも耐えるSUVであるが、AMG G63はそれよりもターマックスペシャリスト的なヘビーSUVだ。
今回の改良モデルで感じたのは、2018年に試乗したモデルよりもかなりコンフォータブルになっているということだ。走行時の静粛性も重厚感があって、非常に安心したキャビンとなっている。
それはまるでドアを閉めた瞬間に、金庫の扉をほうふつとさせるものだった。

【試乗車 諸元・スペック表】
●Gクラス G63 ローンチエディション
| 型式 | 4AA-465250C | 最小回転半径 | 6.3m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.69m×1.99m×1.99m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.89m |
| ミッション | 9AT | 前トレッド/後トレッド | 1.66m/1.66m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 2570kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.24m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
オブシディアンブラック |
||
| オプション色 |
オパリスホワイト、ハイパーブルーマグノ(マット)、ナイトブラックマグノ(マット) |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 4AA-465250C |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 9AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | オブシディアンブラック |
| オプション色 | オパリスホワイト、ハイパーブルーマグノ(マット)、ナイトブラックマグノ(マット) |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
コラム |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 6.3m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.69m×1.99m×1.99m |
| ホイール ベース |
2.89m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.66m/1.66m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 2570kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.24m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | 177 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | V型8気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 100リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 7.3km/L |
| 総排気量 | 3982cc | 燃費(WLTCモード) |
6.8km/L
└市街地:4.7km/L └郊外:7.3km/L └高速:8km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 585ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
850(86.7)/3500 |
| エンジン型式 | 177 |
|---|---|
| 種類 | V型8気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 3982cc |
| 最高出力 | 585ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
850(86.7)/3500 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 100リットル |
| 燃費(JC08モード) | 7.3km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 6.8km/L
└市街地:4.7km/L └郊外: 7.3km/L └高速: 8km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は馬場馬術。
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