魔法の絨毯のようなロールス・ロイス ファントムは、運転席こそが特等席だ
カテゴリー: ロールスロイスの試乗レポート
タグ: ロールスロイス / ファントム / EDGEが効いている / 西川淳
2018/05/09

前で乗るべきか後ろに乗るべきか……それが問題
トルステン・ミューラー・エトヴェシュ社長いわく、「最近の若い金持ちはショーファー(お抱え運転手)を雇わず、自分で運転することを好む」のだそうである。
それゆえ、8世代目となる新型ファントムは、全く新しいアルミニウム・スペースフレーム・アーキテクチャーを得て、見事なまでのドライビングカーとなった。
標準ボディ(全長5.7m)はもちろん、エクステンド(6m)でも、大いにファン・トゥ・ドライブだったのだ。
実は、ファントムというとやはりショーファー・ドリブンなのだから、と、まずは後席に座ってみたのだ。
そして、あまりの静けさと乗り心地の良さに、あっという間に熟睡してしまった。準ボディもロングも変わらずで、日中、こんなによく眠った試乗会は初めてだった。
もうその時点で、さすがはファントムの新型だと大いに納得したが、驚きはむしろ後席よりも前席にあったというわけである。
前に座っても、圧倒的な静かさ(何しろ風を切る音がしないのだ)と、恐ろしく身体に馴染む乗り心地は、後席と同じ感覚だ。
そこに、運転する楽しみが加わるわけだから、驚かずにいられるだろうか?
ツインターボ化された6.75LのV12エンジンは、ウルトラシルキーで、丁寧な出力特性ながら、すさまじい力で巨体を前へ前へと押し出す。
狭いワインディングロードも走ったが、後輪操舵のおかげもあって、大きさをまるで感じさせないハンドリング性能をみせた。
ブガッティ シロンとは正反対、だけれども、同じく最高の乗用車である。夢の車という点でも同じだが。



【SPECIFICATIONS】
■グレード:PHANTOM ■乗車定員:5名
■エンジン種類:V12DOHCターボ ■総排気量:6750cc
■最高出力:571/5000[ps/rpm]
■最大トルク:900/1700[n・m/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:8AT
■全長x全幅x全高:5770x2018x1646(mm) ■ホイールベース:3550mm
■車両価格:5460万円
あわせて読みたい
【試乗】新型 アストンマーティン ヴァンキッシュ|V12を積んだ新たなFRフラッグシップは、リアルスポーツからGTまで劇的に変化する乗り味を得た!
6月は北イタリアでスポーツカー三昧! “モーターヴァレー”のスーパーカーブランドが一堂に会する一大イベントとミュージアムへの誘い【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
“SUV疲れ”した人に贈る「代わりに、実用性も備えるスタイリッシュフォルムが新鮮なコレ、どうですか?」5選
~その使命は感情を揺さぶる存在であり続けること~ スーパーカー論【カーセンサーEDGE 2025年7月号】
【試乗】新型 テスラ モデルY|もはや走りにも文句はなくなり全方位進化でBEV最強の1台へ!
【試乗】新型 アウディ A5|堂々たるサイズの新ネーミング基幹車種、ベーシックモデルも必要十分に実用的!
【試乗】新型 ヒョンデ インスター|軽自動車の十八番を奪うBEV! 愛らしいスタイルでも快適性はクラス以上!
その存在意義を考えさせられた、古都を舞台としたコンクールデレガンス
【試乗】新型 BMWアルピナ B4 GT|Dセグメントセダン最上! 良質なライドフィールを濃密に楽しめる“実用スーパーカー”
自由と絶景とハプニング! ルノー アルカナで行く神様が集まる「神津島」への旅