“しごデキ”彼女の愛車はポルシェ ケイマン。車どっぷり人生は、偶然から必然へ!
2025/09/10

【連載:どんなクルマと、どんな時間を。】
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
偶然が重なり合ってきた車人生
「スーパーニートになりたいんです!」
そう笑うのは箱入娘*Mayuさん。レースチームのマネージャー、インストラクター、デザイナー、インフルエンサー……と複数の顔を持ち、さらに2025年5月に栃木県宇都宮市にオープンしたスーパーカーカフェ「MACCHINA」のマネージャーも務めている“しごデキ”だ。
ニートになるために、むしろ仕事を増やしているのだから不思議である。

家族は車とは無縁だった。免許取得の際、「マニュアルはないよりあった方がいいだろう」と軽い気持ちでMT免許を選び、無事取得。ちょっと運転楽しいかも……? と思ったのはそのときだった。その後、11歳離れた兄のスバル フォレスターを借りてドライブを楽しんだ。
大学入学後は、たまたま目に留まった自動車部に入部。
「ゴルフ部にも誘われたんですけど、面白そうだからって自動車部を選んじゃいました」
その部活は絶対レースに出る! というようなガチガチのものではなく、普段は勉強優先で週に一度集まる程度。集まればカート場に行ったり、それぞれの愛車でふらっとドライブに出かけたりしたという。
当然、周りが車を持っていれば自分も欲しくなる。大学1年のとき、ついにER34スカイラインを購入した。それまでコツコツ貯めていた120万円に、足りない7万円を親に出してもらい、127万円を一括払い。相当な熱の入りようがうかがえる。

「ドライブの頻度が増えたし、日光や筑波のサーキットも走ってドリフトもしました!」
大学卒業後は車と無関係のイベント業に就職したが、やがて車関連のイベントにも関わるようになり、同時にチームマネージャーやインストラクター、さらには「VITA-01」というレーシングマシンで戦うKYOJO CUPといったレース参戦までするように。

すべては偶然の縁がつないだ結果だという。同時に、所有車も増えていった。現在は最初の愛車であるER34に加え、スバル WRX S4、そしてポルシェ ケイマンの3台を持つ。
国産車ばかりに目を向けていたMayuさんとケイマンとの出合いは、仕事先で最新型のポルシェ車に乗せてもらったことだった。
「ポルシェはジャジャ馬で乗りにくい」というイメージを抱いていたが、アクセルを踏んだ瞬間、価値観は一変。ステアリングを切ればそのとおりに曲がり、思うがままに操れる。運転ってこんなに楽しいんだ!と心を揺さぶられた。

ポルシェ沼に落ちた彼女はすぐに調べ、デザインに引かれた初期型のケイマンを160万円台で入手。レースに出ているVITA-01が右シフトとのことで、左ハンドルのマニュアル車をセレクトした。
当時は中古で300万円くらいが相場のモデルだったが、前オーナーのDIY跡が残っていたため安く買えたという。
「本当は“大人女子”を意識してベージュの内装がよかったんですけど、左ハンドルのマニュアルということを優先しました。安く買えた分、いろんなところに前のオーナーの愛情を感じるので(笑)、嫉妬しちゃうんですよね。だから今はDIYされている箇所を戻す純正化計画を進めてます」


複数台の車を持つメリットは「その日の気分で乗る車を選べる」こと。とくに落ち込んだ日には迷わずケイマンを選ぶという。
「ナビも音楽もつけずに、ふらっと走ります。ケイマンに乗っていると邪念が消えて、車と対話してるみたいで……。気がついたら遠くまで来てたりして(笑)。でも、スッキリした気持ちで帰れるんです」

偶然取ったマニュアル免許、偶然誘われた自動車部、偶然出会ったポルシェ……。彼女の車人生は、たくさんの「偶然」が重なり合って形成されてきた。
最後に、今後の夢を尋ねてみた。
「私自身これからもいろんな車に乗り続けながら、車の楽しさをたくさんの方たちに伝えていきたいです。そして“車愛あふれるおばあちゃん”になることが夢ですね!」
そう力強く語る彼女の夢は、もはや偶然ではなく必然的にかなえられるはずだ。
「あ、スーパーニートももちろん実現しますからね(笑)」
箱入娘*Mayuさんの人生は、スーパーニートへのアクセルを踏み込みながら、まだ地図にない未来を描いていく。

▼検索条件
ポルシェ ケイマン(初代)
箱入娘*Mayuさんのマイカーレビュー
ポルシェ ケイマン(初代)
●購入価格/160万円台
●マイカーの好きなところ/見た目と乗り味。ロングドライブも快適・軽快で最高! どこまでも行けちゃいますね!
●マイカーの愛すべきダメなところ/DIY跡がたくさん残っているので、前オーナーさんの愛情を感じて嫉妬しちゃいますね(笑)。早く私色にしたいです!
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/ポルシェが気になっている人。エントリーモデルかもしれませんが、十分に「ポルシェスピリット」を感じることができ、楽しく走ることができますよ!

自動車ジャーナリスト
瀬イオナ
車メディアの雑誌編集部員を経て、2024年にフリーランスとして独立。「走って書ける」自動車ジャーナリストを目指して修行しながら、若手ジャーナリストとして活動している。車業界に入ったきっかけは、某動画で中谷明彦師匠を見つけたこと。現在に至るまで「ドライビング」はもちろん「ジャーナリスト」の心得など業界におけるすべてを教わりながら日々鍛錬中である。趣味はドライブ、レーシングカート、サウナ。
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