【オンリーワンを探せ】イタリアンデザインのこだわりを感じさせるランチア テーシス
2014/01/06

原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2013年12月25 日に発見したのは「ランチア テーシス」です。ランチアが2001年に会社の命運をかけて世に送り出した最高級モデルで、イタリア高官の公用車として、当時のローマ法王車両として公の場で活躍。7年間で1万6000台ほどしか生産されなかった車です。
ランチアの歴史を振り返りながらデザインされた
個性的なフロントマスクは、世界で初めて量産車で「GTカー」と名付けられた、1950年代のランチアの名車「アウレリア」がモチーフ。要は、ランチアの輝かしい“歴史”を現代に合うようアレンジしたデザインなんです。それにしても凄いデザインです。出身国の個性を感じさせます。
ランチアと同様にフィアット傘下にあるアルファロメオのアルファ166がベースだと思われがちですが、基本的にはエンジンを共有しているだけで、シャーシは専用設計でした。アルミを多用したサスペンションは前後ともにマルチリンク式。当時のマセラティ スパイダーが採用していた“スカイフック”と呼ばれるアダプティブダンパーが投入されています。
想定ライバルはアウディA6やM・ベンツEクラスだったそうですが、個人的には賛同できません。なぜなら、「個性的」という点においてテーシスに太刀打ちできるのはシトロエンC6、もしくはアルファ166くらいしかないと思うからです。
さて、当該中古車は2.4L直5ディーゼルターボエンジン搭載車です。低速域からの図太いトルクは3.2Lのガソリン車に勝る勢いですし、巡航高速移動においては思いのほか低燃費。ガソリンエンジン車とは異なるアクセルレスポンスで、ハマると快感です。
写真を見るかぎり、内外装の状態は「バリモン(極上コンディション)」です。見せかけのギラギラした高級感ではなく、ミニマリズムのなかにセンスの良さが光っています。センターコンソールにはマグネシウムが採用されており、カップホルダーや灰皿に金属感あふれる感触は最近の車ではレアでしょう。なお、本革シートは高級家具メーカー、ポルトローナ・フラウが手掛けたものです。
もう、こんな車が登場することもないでしょうから、一生モノとして大事にしていけたら素敵だと思います。
Text/古賀貴司(自動車王国)
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