フェラーリと同じエンジンなのにお買い得なマセラティ
2018/01/27

フェラーリ製のV8エンジン、デザインはピニンファリーナやイタルデザイン
年末ジャンボ宝くじが当たったらフェラーリを買う、ということすらもう、ちょっと、どうなんだろうと思う。それくらい近年の中古フェラーリの高値安定は目に余る。
10年前には500万円以下から選べた20年落ちの308が、30年落ちとなった今では1000万円以上する。中古車なら貧乏人にも手が届くはずだった美しい跳ね馬は、さらに高みへと登ったようだ。
予算の都合上、もしフェラーリに手が届かないのであれば、僕はマセラティのV8モデルを買おう。具体的に車種を挙げるなら、マセラティ クアトロポルテやグラントゥーリズモ、あるいはクーペだ。
この3台に共通する点は、イタリア・マラネロの工場で作られた、フェラーリ製のスポーティな自然吸気のV8エンジンを搭載していることだ。
デザインだってクアトロポルテとグラントゥーリズモはピニンファリーナだからフェラーリと同じだし、クーペはピニンファリーナの好敵手、ジウジアーロ率いるイタルデザインが手がけた。
マセラティと聞くと、ラグジュアリーカーを製造しているメーカーと思うだろうが、そもそもマセラティはモータースポーツの名門だ。F1黎明期の4年間に8勝するなど、同じイタリア・モデナのチームであるフェラーリと数々のレースでガチバトルを繰り返し、ドライバーやエンジニアを引き抜き合っていた。
高級車メーカーであることは間違いなく、フェラーリと同型のエンジンを搭載しているとなると、さぞお高いと思うであろうが、実はそうではない。
クアトロポルテでいえば、2005年式(13年落ち)の走行距離8.4万kmで支払総額172.8万円(原稿執筆時点の価格)とフェラーリより全然安い500万円以下で十分探せてしまう。
しかも、フェラーリなどいわゆるスーパーカーと違って、紹介する3台のマセラティは高級グランドツアラー、つまり長距離ドライブを楽しめる車だ。
5人乗りの実用性が高いセダンをはじめ乗り降りがしやすく荷室の広さも十分な広さがあるため、日常的な使い方に適しているのだ。
そして、3台とも自然吸気のV8エンジン。ターボ化された現行型フェラーリのV8モデルとは音色が違う。クォーーーーーーーーンと、つい音引きを多用したくなるエンジン音が心を震わせる(といっても室内の静粛性が高いので、外にいた方が気持ちよく聞こえるんだけど)。
とはいえマセラティのV8もターボ化が進んでいる。そう考えるとフェラーリ製自然吸気V8エンジンは、そろそろ絶滅危惧種かもしれないので、気持ちが揺らいだ人はお早めに。



この記事で紹介している物件
あわせて読みたい
6月は北イタリアでスポーツカー三昧! “モーターヴァレー”のスーパーカーブランドが一堂に会する一大イベントとミュージアムへの誘い【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
その存在意義を考えさせられた、古都を舞台としたコンクールデレガンス
今絶対乗っておくべき「マルチシリンダー・大排気量・自然吸気」のMTという絶滅寸前モデル5選!!
戻ってきた“ブーメラン”! ジウジアーロによるワンオフスーパーカー「ペラルタS」は伝説のコンセプトカーのストーリーをなぞらえる【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
ポルシェ 911を買うなら知っておきたい! 今お買い時を迎えている「996型」「997型」のチェックポイント!!
【海外試乗】新型 マセラティ GT2ストラダーレ|マシンと一体になれる“公道仕様”の高性能ミッドシップスーパースポーツ
マセラティの世界観を体現する横浜の新ショールームに並ぶ、見たことがないMC20とグレカーレは一体ナニ?
「ちょっと古いマセラティは壊れやすい」は本当か!? プロショップにド直球に聞いてみた!
デ トマソが手がけた50年前のリ・ブランディングをめぐるマセラティの現在と過去【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
今注目すべきマセラティは“跳ね馬の心臓”をもつ世代! 「フェラーリ時代のMaserati」~【カーセンサーEDGE 2025年3月号】