【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2021/06/12
 ▲今までABSやエアバッグを世界初搭載してきた歴史をもつ、メルセデス最上位の最新モデル。次世代のMBUXと進化した乗客保護を最新装備とともに搭載し、プレミアムセダンの水準をさらに高めた1台となっている
▲今までABSやエアバッグを世界初搭載してきた歴史をもつ、メルセデス最上位の最新モデル。次世代のMBUXと進化した乗客保護を最新装備とともに搭載し、プレミアムセダンの水準をさらに高めた1台となっているすべてが最高峰、世界のフラッグシップモデル
フルモデルチェンジを受けたメルセデス・ベンツの新型Sクラスに乗ると、未来の車に迷い込んでしまったような感慨を覚えるかもしれない。
ダッシュボードの中央に突き出したディスプレイは、なんと12.8インチの大画面。しかも、目の前のデジタルメーターも12.3インチとサイズが大きいうえ、そこに表示される3D映像も画期的なもの。これだけでも未来感は十分だが、その他にも未来的な装備は枚挙にいとまがないほどだ。
例えば、メルセデス・ベンツ独自のARナビゲーションシステムはさらに進化。従来はセンターディスプレイ上に車載カメラで撮影した前方の景色が映り、その上に進行方向を示す矢印などが表示されていたが、新型Sクラスではこの矢印をフロントウインドウ上に投影することで、モニター画面上ではなく実際の景色の中に進行方向が示されるようになった。
ここまでの説明でなんとなく想像できるとおり、新型Sクラスの大きなテーマとして、人と車のコミュニケーションをこれまでなかったレベルまで進化させたことが挙げられる。そうすることで、ドライバーや乗員の余分な手間を省き、運転により集中できる環境をつくり上げるとともに、乗員にとってはより快適で安楽なひとときが過ごせるように工夫されているのだ。
ドライバーの生体認証もその一環。これは、ドライバーの顔、指紋、声のいずれかを登録しておくと、好みのシート、ステアリング、サイドミラーのポジションを自動的に調整するとともに、メーターパネルの表示やナビゲーションのお気に入り設定、さらにはペアリングした携帯情報端末の情報まで読み込んでくれるというもの。まさに、「黙って座ればピタリと当たる」車なのである。
音声認識を中心としたユーザーインターフェイスのMBUXもさらに進化し、使い勝手を向上させている。 「ハイ、メルセデス!」をキーワードとして立ち上がるMBUXは、ナビゲーションシステム、オーディオ・エンターテインメント、エアコン、車内の照明などを幅広くコントロール。実は筆者も、センターディスプレイの表示をナビゲーションに呼び戻す方法がわからなかったとき、「ハイ、メルセデス! 地図を表示して」とお願いしてことなきを得たことがあった。MBUXはそのくらい柔軟で幅広い操作に対応するシステムなのである。
さらに、新型SクラスのMBUXは前後左右の4席のうち、どの座席から「ハイ、メルセデス!」と発したかを自動的に判断。その声の主が腰掛けるシート周辺のエアコンだけを調整したり、オーディオ・エンターテインメントの操作を行なうといったことが可能になっている。
 
 ▲後輪操舵と四輪駆動システム4 MATICを全車に採用。今回新たに搭載された後輪操舵は走破性と安定性をに加え、4WDの小回りが悪いというデメリットを完全に打ち消し、扱いやすさを飛躍的に向上している
▲後輪操舵と四輪駆動システム4 MATICを全車に採用。今回新たに搭載された後輪操舵は走破性と安定性をに加え、4WDの小回りが悪いというデメリットを完全に打ち消し、扱いやすさを飛躍的に向上している ▲エクステリアは極限までなめらかな造形に仕上げられた。これにより空気抵抗が減り(Cd値0.22)燃費性能が向上している
▲エクステリアは極限までなめらかな造形に仕上げられた。これにより空気抵抗が減り(Cd値0.22)燃費性能が向上している ▲収納式ドアハンドルはメルセデス・ベンツでは初採用。衝撃を受けた際は自動的に飛び出すため、万が一のときもドアを開けることができる安心設計
▲収納式ドアハンドルはメルセデス・ベンツでは初採用。衝撃を受けた際は自動的に飛び出すため、万が一のときもドアを開けることができる安心設計 ▲搭載されるエンジンは全車直6でディーゼルやマイルドハイブリッドもラインナップされている
▲搭載されるエンジンは全車直6でディーゼルやマイルドハイブリッドもラインナップされている当然、メルセデスゆえに先進安全システムの充実ぶりも目を見張るばかり。例えば、後席両シートのSRSリアエアバッグや、シートベルト自体を膨張させて衝撃を吸収するSRSベルトバッグの設定などだ。さらに、衝突時にシート座面の全部を跳ね上げることで乗員がシートベルトの下側に潜り込むのを防ぐクッションエアバッグまで装備するなど万全を期している。
走りの機能としては、低速域で最大4.5度まで後輪を逆相に操舵するリア・アクスルステアリングが注目される。おかげで、ホイールベースが3215mmに達するロングボディでも驚くほど小回りが利く他、高速域では前輪と同方向に最大3度まで操舵することで、コーナリング時のスタビリティを改善している。
その他、シャシーやエンジンにも魅力的なところは多いが、それらの印象はひとことで片付けられる。すなわち、メルセデス・ベンツのSクラスに求められる快適性、静粛性、そして余裕のすべてがまったく不満のないレベルで仕上げられている、となる。
価格は1293万円から2040万円。「これで世界最高峰のプレミアム・サルーンが手に入るのなら安いモノ」と言えるような身分に筆者も早くなってみたいものだ。
 
 ▲インテリアはデザインを一新。スイッチ類を減らし、すっきりとシンプルになった。最新世代型のステアリングや、247個のLEDを設置したアンビエントライトを搭載している
▲インテリアはデザインを一新。スイッチ類を減らし、すっきりとシンプルになった。最新世代型のステアリングや、247個のLEDを設置したアンビエントライトを搭載している ▲今回のアップデートの目玉のひとつはセンターに設置されたインフォティメントシステム。12.8インチモニターは、最新世代の対話型システムMBUXやジェスチャーコントロール機能などを搭載している
▲今回のアップデートの目玉のひとつはセンターに設置されたインフォティメントシステム。12.8インチモニターは、最新世代の対話型システムMBUXやジェスチャーコントロール機能などを搭載している ▲シートは3色から選択可能で縦に模様の入ったノーマルパッケージと、網目模様の付いたレザーエクスクルーシブパッケージ(写真)の2タイプががラインナップされている
▲シートは3色から選択可能で縦に模様の入ったノーマルパッケージと、網目模様の付いたレザーエクスクルーシブパッケージ(写真)の2タイプががラインナップされている ▲S500もしくはロンググレードでは、後席の利便性を向上させるオプションのリアシートコンフォートパッケージを選択可能。後席用のモニターがそれぞれ左右に付き、エアコンなど各種操作が可能となっている
▲S500もしくはロンググレードでは、後席の利便性を向上させるオプションのリアシートコンフォートパッケージを選択可能。後席用のモニターがそれぞれ左右に付き、エアコンなど各種操作が可能となっている ▲ラゲージ容量は535L。オプションのブルメスターサウンドを搭載するとサブウーファーが設置される分、容量は25L減少する
▲ラゲージ容量は535L。オプションのブルメスターサウンドを搭載するとサブウーファーが設置される分、容量は25L減少する▼検索条件
新型メルセデス・ベンツ Sクラス × 全国 × 2021年以降先代メルセデス Sクラス(2013年~2020年)の中古市場は?

2013年から2020年まで販売された前モデルはV6や直6+マイルドハイブリッド、さらに新型では選べないV8仕様がラインナップされていた。ボディカラーは黒や白、グレーで占められており白、黒が圧倒的に多い。価格帯は、約300万円から1500万円と幅広く、MC後の走行5万km未満という条件で約500万円からという相場を形成している。また、1000万円以上にはAMGラインや快適装備の充実した物件を多く見つけることができる。
 
▼検索条件
先代メルセデス・ベンツ Sクラス(2013年~2020年) × 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●S500 4マチック AMGライン (ISG搭載モデル) 4WD
| 型式 | 5AA-223063 | 最小回転半径 | 5.4m | 
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 5.21m×1.93m×1.51m | 
| ドア数 | 4 | ホイールベース | 3.11m | 
| ミッション | 9AT | 前トレッド/後トレッド | 1.65m/1.65m | 
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m | 
| 4WS | ◯ | 車両重量 | 2140kg | 
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg | 
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg | 
| ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.13m | 
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 | オブシディアンブラック、オニキスブラック、ルビーライトレッド、グラファイトグレー、モハーベシルバー、ハイテックシルバー、エメラルドグリーン、セレナイトグレー、アンスラサイトブルー | ||
| オプション色 | ダイヤモンドホワイト | ||
| 掲載コメント | - | ||
| 型式 | 5AA-223063 | 
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 
| ドア数 | 4 | 
| ミッション | 9AT | 
| AI-SHIFT | - | 
| 4WS | ◯ | 
| 標準色 | オブシディアンブラック、オニキスブラック、ルビーライトレッド、グラファイトグレー、モハーベシルバー、ハイテックシルバー、エメラルドグリーン、セレナイトグレー、アンスラサイトブルー | 
| オプション色 | ダイヤモンドホワイト | 
| シート列数 | 2 | 
| 乗車定員 | 5名 | 
| ミッション 位置 | コラム | 
| マニュアル モード | ◯ | 
| 最小回転半径 | 5.4m | 
| 全長×全幅× 全高 | 5.21m×1.93m×1.51m | 
| ホイール ベース | 3.11m | 
| 前トレッド/ 後トレッド | 1.65m/1.65m | 
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m | 
| 車両重量 | 2140kg | 
| 最大積載量 | -kg | 
| 車両総重量 | -kg | 
| 最低地上高 | 0.13m | 
| 掲載用コメント | - | 
| エンジン型式 | M256 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ | 
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列6気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク | 
| 過給器 | スーパーチャージャー | 燃料タンク容量 | 76リットル | 
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 12.4km/L | 
| 総排気量 | 2996cc | 燃費(WLTCモード) | 11.2km/L └市街地:7.3km/L └郊外:11.8km/L └高速:13.9km/L | 
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 435ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm | 520(53)/5800 | 
| エンジン型式 | M256 | 
|---|---|
| 種類 | 直列6気筒DOHC | 
| 過給器 | スーパーチャージャー | 
| 可変気筒装置 | - | 
| 総排気量 | 2996cc | 
| 最高出力 | 435ps | 
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm | 520(53)/5800 | 
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ | 
| 使用燃料 | ハイオク | 
| 燃料タンク容量 | 76リットル | 
| 燃費(JC08モード) | 12.4km/L | 
| 燃費(WLTCモード) | 11.2km/L └市街地:7.3km/L └郊外: 11.8km/L └高速: 13.9km/L | 
| 燃費基準達成 | - | 
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