【試乗】新型 メルセデス・ベンツ CLE カブリオレ|素直で優雅な走りを楽しめる貴重なオープンカー!
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2024/09/23
▲C/Eクラス クーペの後継となるCLEクーペのオープンモデル。ブランド唯一の“カブリオレ”となる。日本ではISGを備えた2L 直4ターボを搭載するCLE 200 カブリオレ スポーツ(936万円)のみの導入となるメルセデスブランド唯一の“カブリオレ”
2024年6月、現ラインアップにおいて“メルセデス・ベンツブランド唯一のカブリオレ”となる「CLE」カブリオレが発売された。
ちなみに“カブリオレ”とは屋根が開く馬車をルーツとした4シーターオープンカーのこと。レースカー由来の「SL」やロードスターといった2シーターモデルに比べ、実用的でよりラグジュアリーな位置づけにある。
近年では1992年にW124型の後期型にカブリオレ(A124型)を設定し、国内でも人気を博した。その後、Sクラス(W140型)をベースとしたクーペモデル「CL」が登場する。1997年にはこのCLの名に由来するミドルサイズのクーペ&カブリオレ「CLK」が誕生。Cクラスのプラットフォームを用い、デザインやエンジン、価格などはEクラスと同等の設定となっていた。
今回のCLE カブリオレはまさにそのCLKの流れをくむものだ。現行Cクラスのプラットフォームを用いて、CクラスクーペとEクラスクーペを統合するかたちで生まれた新型がCLE クーペ&カブリオレだ。
▲日本導入モデルはスポーティなAMGラインエクステリアが標準装備となる新型CLEカブリオレのボディサイズは、全長4850mm、全幅1860mm、全高1425mm 。従来型Eクラスカブリオレが全長4845mm、全幅1860mm、全高1430mmなので、ほぼ同サイズ。2865mmのホイールベースは現行Cクラスと同じだ。
メルセデスの2ドアクーペの伝統であるロングホイールベース、ショートオーバーハング、ロングノーズのスタイリングを採用。メルセデスデザインの基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」にのっとったものだ。フロントまわりの立体的なスターパターンを採用したワイドなフロントグリルや、わずかに逆スラントとしたシャークノーズなどスポーティな要素を備えている。
インテリアデザインは、最新のCクラスのものを踏襲する。12.3インチのメーターディスプレイと、センターには11.9インチの縦型ディスプレイを配置。このディスプレイには、オープン時に日差しによる反射を防ぐため、画面の傾斜を調整する機能が備わっている。また、夜間に車内空間を演出する64色ものアンビエントライトを装備。複数のカラーを組み合わせた演出も可能だ。そして第3世代のMBUXを搭載。例えば車内温度が12度以下になるとシートヒーターをオンにするなど、頻繁に使う機能を事前に設定しておけば自動的に作動するルーティン機能を備えている。
前席には、CLEに専用開発された一体型のスポーツシートを採用。冬季など首元に温風を送るエアスカーフを内蔵する。シート素材は合成皮革であるブラックのレザーARTICOを標準装備し、オプションで4色の本革内装を用意。本革を選択した場合は、マルチコントロールシートバックパッケージやシートベンチレーターなどもセットで装備される。また、Burmester 3Dサラウンドサウンドシステムを選ぶと、フロントシートのヘッドレスト内蔵型をはじめ計17個のスピーカーを搭載した音響空間が出来上がる。
リアシートは左右独立式の2座仕様。メルセデスのカブリオレでは初めて後部座席の乗員用に2つの独立したヘッドエアバッグを採用する。身長180cmの大人だとヘッドクリアランスには余裕はないが、前席のシートバックも凹みをつけたデザインで前席シート下につま先が入るように工夫されており、ニースペースは確保されている。トランク容量は385L(ソフトトップ収納時295L)。バックレストは60:40 の分割可倒式になっており長尺物の搭載も可能。また、両手がふさがっているときにリアバンパー下部に足を近づけると、トランクを開けることができるフットトランクオープナーを標準装備する。
▲インテリアのデザインはCクラスと同様。縦型センターディスプレイはオープン時に垂直方向に角度を変え、日光の反射を防いでくれる現時点でグレードは「CLE 200カブリオレスポーツ」のみの設定。パワートレインは、最高出力150kW(204ps)、最大トルク320N・mを発揮する2L 直列4気筒エンジンと最高出力17kW(23ps)、最大トルク205N・mを発生する第2世代のISG(Integrated Starter Generator)を組み合わせたマイルドハイブリッドシステム。トランスミッションは定評のある9速AT(9G-TRONIC)を組み合わせる。エンジン回転数をおさえながら効率よく走行し、カタログ燃費はWLTCモードで14km/Lだ。
スペックからも想像できるようにとりたててパワフルというわけではないが、ISGのアシストもあって低回転域からしっかりと加速する。アクセル操作に対する反応もよく、コントロールしやすい。
▲セレクティブダンピングシステムを採用するスポーツサスペンションを標準とし、オプション(ドライバーズパッケージ)で連続可変ダンピングシステムを備えたDYNAMIC BODY CONTROLサスペンションが装着される
▲第2世代となるISGを組み合わせた2L 直4ターボ(M254型)を搭載試乗車はオプションのドライバーズパッケージ付きで、連続可変ダンピングシステム搭載の「DYNAMIC BODY CONTROLサスペンション」と20インチAMGアルミホイールを装備。タイヤサイズはフロント245/35R20、リア275/30R20。コンフォートモードを選べば乗り心地は良好で、ハンドリングはメルセデスらしく操舵に対して正確に反応するもの。
ソフトトップは遮音性が高められており、ルーフを閉じていると意識しなければまるでクローズドボディと錯覚するほどだ。センターコンソールにはソフトトップのオープン/クローズ、そしてウインドデフレクター用の3つのボタンが備わっている。オープントップモデルはルーフを閉じた状態でも、開いた状態でも美しくなければいけない。新型CLEはまさにそれを体現している。ソフトトップの色は標準がブラック、オプションでレッドとグレーが選択可能。走行中も60km/h以下であれば20秒以内で開閉できる。
市街地を流しながらルーフを開けてみる。タウンスピードであれば風の巻き込みも少なく、オープン時のボディ剛性の心細さなどもほとんど感じない。高速道路を走行する際に、フロントウインドウの上縁が開いて跳ね上がるウインドウディフレクターと後席後ろに備わるドラフトストップの組み合わせによって構成されるエアキャップを試してみる。見た目は少しばかり仰々しいがウインドデフレクターの効果は絶大で、キャビン内へ風の巻き込みが大幅に低減する。
ルーフをオープンにして走行するといつもと同じ道であっても見える景色が一変する。そして、周囲を走る車や街を歩く人とのコミュニケーションの取り方も変わる気がする。運転がやさしくなる。しかし、自動車メーカーがカブリオレをビジネスとして成立させるのは年々難しくなっているようだ。かつてはプジョーもルノーもボルボも、フォルクスワーゲンもカブリオレを定番商品として設定していた。いまやアウディですらラインアップに用意がない。日本車などいわずもがなだ。メルセデスのカブリオレに対する思いに敬意を表しながら、オープンカーのある生活をぜひ今のうちに。
▲長いボンネットにはパワードームを備え、より力強いスタイルを演出する
▲ボディシェル構造を強化することで安全性を向上。Aピラーの剛性を高めることにより横転時にも生存スペースを確保する
▲前席にはCLE専用開発された一体型スポーツシートを装着。オプションの本革シートには太陽の紫外線を反射する特殊コーティングが施されている
▲後席は先代同様に独立2座を採用。後席用に独立したヘッドエアバッグを備え安全性も向上している
▲ラゲージ容量はオープン時で295L、クローズ時で385L。分割可倒式リアシートを倒すことで長尺物も搭載できる▼検索条件
メルセデス・ベンツ CLE カブリオレ× 全国先代となるメルセデス・ベンツ Eクラス カブリオレの中古車市場は?

2018年に発売された先代Eクラスの4シーターオープン。他のEクラスモデル同様のスタイルに、遮音性や耐候性に優れた3層構造のソフトトップが採用されている。室内への風の巻き込みを軽減するエアキャップや、フロントシートに首元を暖めてくれるエアスカーフを備えるなど高級オープンカーならではの快適装備も備わる。
2024年9月上旬時点で、中古車市場には35台程度が流通、支払総額の価格帯は450万~1150万円。ハイパフォーマンスモデルであるメルセデスAMGのE53も数台が流通中。季節を問わずオープンエアを楽しめる、今や貴重なモデルのひとつとなっている。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ Eクラス カブリオレ(先代)× 全国▼検索条件
メルセデスAMG Eクラス カブリオレ(先代)× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●200 スポーツ (ISG搭載モデル)
| 型式 | 4AA-236450C | 最小回転半径 | 5.2m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.85m×1.86m×1.43m |
| ドア数 | 2 | ホイールベース | 2.87m |
| ミッション | 9AT | 前トレッド/後トレッド | 1.61m/1.59m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1900kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.14m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ポーラーホワイト |
||
| オプション色 |
オブシディアンブラック、グラファイトグレー、ハイテックシルバー、スペクトラルブルー、オパリスホワイト、パタゴニアレッド、アルペングレー、グラファイトグレーマグノ(マット) |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 4AA-236450C |
|---|---|
| 駆動方式 | FR |
| ドア数 | 2 |
| ミッション | 9AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ポーラーホワイト |
| オプション色 | オブシディアンブラック、グラファイトグレー、ハイテックシルバー、スペクトラルブルー、オパリスホワイト、パタゴニアレッド、アルペングレー、グラファイトグレーマグノ(マット) |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 4名 |
| ミッション 位置 |
コラム |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.2m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.85m×1.86m×1.43m |
| ホイール ベース |
2.87m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.61m/1.59m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1900kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.14m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | 254M20 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 66リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1997cc | 燃費(WLTCモード) | 14km/L └市街地:9.5km/L └郊外:14.5km/L └高速:17.3km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 204ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
320(32.6)/4000 |
| エンジン型式 | 254M20 |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1997cc |
| 最高出力 | 204ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
320(32.6)/4000 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 66リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 14km/L └市街地:9.5km/L └郊外: 14.5km/L └高速: 17.3km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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