【試乗】新型フォルクスワーゲン T-Roc|走りが成熟した人気コンパクトSUV
2022/12/08
▲2022年7月にマイナーチェンジされたフォルクスワーゲン T-Roc。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による、T-Roc TDI R-Line(右)、T-Roc R(左)、 2台のインプレッションをお届けする全世界累計販売台数100万台オーバーのコンパクトSUV
フォルクスワーゲンが送り出したコンパクトクロスオーバーSUVのT-Rocは、クーペのエッセンスを取り入れたデザインに少々こだわりを見せたモデル。2017年に登場(日本では2020年から)して5年が経過した。T-Rocは2つの国で生産されていて前期モデルはすでに100万台以上を販売したヒット作である。
それだけに今回の改良モデルが楽しみだ。なぜなら、販売台数が多いほど良いものを使える幅が広がるというメリットがあるからである。モデル登場時に試乗したときのファイルを開くと、“ディーゼルモデルの振動と音が気になる”とコメントがあったが、マイナーチェンジモデルはいかがだろうか。
今回の試乗会では、TDIを搭載したディーゼルモデルの「R-Line」と300馬力エンジンを搭載したガソリンモデル「R」を試乗した。
試乗する場所は神奈川県の茅ヶ崎エリア。海岸線を中心とした国道と茅ヶ崎の街をドライブした様子をお届けしたい。

エンジンの静粛性が大幅にアップデートしたTDI R-Line
まずは、ディーゼルモデルのTDIからである。こちらの日本導入仕様はFFモデルのみ。ちなみに、ガソリンエンジンのトップレンジ「R」は4 MOTIONのAWD仕様となっている。
TDI R-Lineのエクステリアは、走りに特化したグレード「R」のような装いが施されていてシャープでスポーティな雰囲気だ。


エンジン始動から静粛性が高くなったことに驚く。それは別物になったと言った方がいいかもしれない。加速中の燃焼ノイズもバッチリでモデルチェンジしたことが理解できる。
7速DSGはスムーズで素早いが、何よりもさらに滑らかになったことを付け加えさせてもらいたい。シフト間のエンジンとの調和が以前よりもジェントルになった。

続いて足回りだが、大きなトルクでもハンドリングに影響をきたさず、路面とのコンタクトを確実なモノになっており、急な加速でもフロントの安定感が万全だ。
浮き気味にならないサスペンションのセッティングは、DCCと呼ばれるアダプティブシャシーコントロールによる可変するセッティングの改良もあるのだろう。オプションとなるので価格は上乗せになるのだろうが恩恵は大きい。
雰囲気重視のR-Lineではあるが、この150馬力340N・mの出力の加速は十分すぎるということを付け加えておこう。
絶対的な性能を有したT-Roc R

間髪入れずに、300馬力ユニット搭載のRに試乗だ。フロントバンパーの形状を見るだけでTDI R-Lineとは違った本物を醸し出す。

エンジンはガソリン車をバランスよくチューニングした振動が微かに感じられる。エグゾーストも排圧を抑えて高出力時に発揮するタイプだけにアイドリングでは静かで秘められたパワーを感じさせない。
しかし、ひとたびぐっと踏み込み加速すると、出力の曲線は一気に角度を変えてスポーツカーのような加速を演じる。侮ってはいけないコンパクトSUVなのだ。
成熟した4 MOTIONのトラクションは車体の安定感を目的としているが、中速域のカーブではロードをかけて走らせるとハンドリングをシャープにさせてアスファルトとのコンタクトをさらに強靭に高める。

次回にはツイスティーなステージで試したくなるような走りを見せてくれた。
サスペンションはとても奥深く包容力をも感じさせ、動きが高級なサスペンションキットであるということが理解できる。簡単に例えると、上下5mmを動いたときにスケールが10分の1から20分の1になったような感覚というべきだろう。
先に試乗したTDI R-Lineに比べて170万円弱の追加を余儀なくされるが、価値が理解できる方には装備による走りの恩恵からすれば高くはない。もっとも性能を比較して選ぶ人はいないだろうと思う。絶対的な性能を欲している人にはRしか目に入らないはずだ。

▼検索条件
フォルクスワーゲン T-Roc(現行型)×全国【試乗車 諸元・スペック表】
●T-Roc TDI Rライン ディーゼルターボ
| 型式 | 3DA-A1DFF | 最小回転半径 | 5m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.25m×1.83m×1.59m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.59m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.54m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1430kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | 〇 | ||
| 標準色 |
ディープブラックパールエフェクト、ピュアホワイト、インジウムグレーメタリック、アスコットグレー、ペトローリアムブルーメタリック |
||
| オプション色 |
- |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3DA-A1DFF |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ディープブラックパールエフェクト、ピュアホワイト、インジウムグレーメタリック、アスコットグレー、ペトローリアムブルーメタリック |
| オプション色 | - |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
〇 |
| 最小回転半径 | 5m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.25m×1.83m×1.59m |
| ホイール ベース |
2.59mm |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.54m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1430kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DFF | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 50リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 19.5km/L |
| 総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) | 18.6km/L └市街地:14.9km/L └郊外:18.5km/L └高速:21km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 150ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
340(34.7)/3000 |
| エンジン型式 | DFF |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1968cc |
| 最高出力 | 150ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
340(34.7)/3000 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 軽油 |
| 燃料タンク容量 | 50リットル |
| 燃費(JC08モード) | 19.5km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 18.6km/L └市街地:14.9km/L └郊外: 18.5km/L └高速: 21km/L |
| 燃費基準達成 | - |
【試乗車 諸元・スペック表】
●T-Roc R 4WD
| 型式 | 7BA-A1DNFF | 最小回転半径 | -m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.25m×1.83m×1.57m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.59m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.55m/1.56m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 2.18m×1.34m×1.28m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1540kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
ディープブラックパールエフェクト、ピュアホワイト、インジウムグレーメタリック |
||
| オプション色 |
ラピスブルーメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 7BA-A1DNFF |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ディープブラックパールエフェクト、ピュアホワイト、インジウムグレーメタリック |
| オプション色 | ラピスブルーメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | -m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.25m×1.83m×1.57m |
| ホイール ベース |
2.59m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.55m/1.56m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1540kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DNF | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 50リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1984cc | 燃費(WLTCモード) | -km/L └市街地:-km/L └郊外:-km/L └高速:-km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 300ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/5200 |
| エンジン型式 | DNF |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1984cc |
| 最高出力 | 300ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/5200 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 55リットル |
| 燃費(JC08モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L └市街地:-km/L └郊外: -km/L └高速: -km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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