【試乗】新型 アウディ RS e-tron GT|ジェットコースター的な加速をしつつも、一寸の狂いもないハンドリングが可能なハイパフォーマンスEV
カテゴリー: アウディの試乗レポート
2022/05/05
▲2021年10月に販売されたアウディの電気自動車のRS e-tron GT。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏によるインプレッションをお届けするしっかりとアウディ色が出ているEV
アウディe-tron GTは、ポルシェ タイカンとハードウエアの多くを共有しているEVモデルのため、比較されることが多い。
エクステリアで言えば、タイカンのポルシェらしくリアエンジンレイアウトを想起させるスポーティなデザインに対し、e-tron GTはその名のとおりスポーツグランツーリズモという雰囲気である。
そして、四輪に力強い動力を与えたブリスターフェンダーのデザインからは、アウディのお家芸でもある“quattro”を全面的に表現していることがわかる。
また、フロントAピラーは本来力強い印象を与えることができる構造物のひとつであるが、このモデルは細くて繊細な印象だ。
だが、細い方が視認性は高く、ピラー付け根の裾野が広がることで同時にデザイン的な安定感を生み出すことができる。
RS e-tron GTはフロントフード部分が低いこともあり、その安定感はさらに増している。
ピラー上部からルーフに向かいクオーターパネルに差し掛かるにつれて、柔らかな線から頑強なフォルムに変わるのだ。
流れをカタチで表現したプレスラインからは、金属プレスで一家言あるアウディらしいコストを惜しまない技術力を見て取れる。



▲こちらはポルシェ タイカン。プラットフォームをはじめ、多くの主要部品をe-tron GTと共有しているこれぞまさに“フラットライド”
今回、試乗したモデルは、ハイパフォーマンス版のRS e-tron GT quattroである。
e-tron GT quattroとRSモデルの大きな違いのひとつが、全高だろう。
RSの方が20mmほど低く、さらに地に吸い付いたようなデザインとなっており、異次元な雰囲気がさらに増しているように思える。
そしてパフォーマンス面もすごい。車重こそRS の方が40kgほど車重が増えているが、e-tron GTの530psに対して645psと115psもアップしている。
0-100km/hはわずか3.3秒で、最高速は250km/hにも達する。この加速はまさにジェットコースター的で、気持ち悪くなってしまう人もいるかもしれない。
しかし、一般道でのソフトなアンジュレーションは、RSというハイパフォーマンスの仕様であってもしなやかで、最小限のストロークによりアライメント変化も少ない。とても安定感がある印象だ。
中速コーナーでも、地をはうような構えに一寸の狂いもない。
一方、ステアリングは軽やかで扱いやすいものの、欲を言えばもう少しダイレクトなフィールでも良いかと感じた。それほど性能が高いハンドリングEVなのだ。

続けて高速道路に入ると、さらにこのモデルの良さがわかる。
採用されている3チャンバー式のエアサスペンションは、高速域でも連続的でしなやかに動く。
次の動きに瞬時に反応し、これぞ“フラットライド”という乗り味で、スタビリティの高さもわかる。
そして、こんなにもハイパフォーマンスなモデルなのに、乗り心地がいい。このあたりがグランツーリズモらしい。
ここまで乗り心地と静粛性が高く、しかもハンドリングは抜群であるとグランドツーリングへと出かけたくなる。それほどの実力のスポーツサルーンなのである。
インテリアの調度品はアウディのフラッグシップのクオリティをもち、パフォーマンスはド級のスポーツカー……。
約1800万円という価格は、確かに高いと感じるかもしれない。しかし、その中身を知り、昨今のモデルと比較すれば、決して高くはない。それほほどの仕上がりの良さだ。


【試乗車 諸元・スペック表】
●4WD
| 型式 | ZAA-FWEBGE | 最小回転半径 | 5.5m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.99m×1.97m×1.4m |
| ドア数 | 4 | ホイールベース | 2.9m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.7m/1.67m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | △ | 車両重量 | 2320kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.09m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
アイビスホワイト、ミトスブラックメタリック、ケモラグレーメタリック、アスカリブルーメタリック、フロレットシルバーメタリック、スズカグレーメタリック、タクティクスグリーンメタリック、タンゴレッドメタリック、デイトナグレーパールエフェクト |
||
| オプション色 |
- |
||
| 掲載コメント |
※交流電力量消費率(WLTCモード)200Wh/km |
||
| 型式 | ZAA-FWEBGE |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 4 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | △ |
| 標準色 | アイビスホワイト、ミトスブラックメタリック、ケモラグレーメタリック、アスカリブルーメタリック、フロレットシルバーメタリック、スズカグレーメタリック、タクティクスグリーンメタリック、タンゴレッドメタリック、デイトナグレーパールエフェクト |
| オプション色 | - |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
不明 |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.5m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.99m×1.97m×1.4m |
| ホイール ベース |
2.9m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.7m/1.67m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 2320kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.09m |
| 掲載用コメント | ※交流電力量消費率(WLTCモード)200Wh/km ※一充電走行距離(WLTCモード)534km ※諸元・装備情報は一部本国仕様の情報を掲載しております |
| エンジン型式 | EBG-EBE | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 電気モーター | 使用燃料 | 電気 |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | -リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | -cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 645ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
830(84.5)/- |
| エンジン型式 | EBG-EBE |
|---|---|
| 種類 | 電気モーター |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | -cc |
| 最高出力 | 645ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
830(84.5)/- |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 電気 |
| 燃料タンク容量 | -リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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