【試乗】新型 アウディ Q8 e-tron|走行距離をより長く! 人気BEVがフラッグシップに“進化”した!!
カテゴリー: アウディの試乗レポート
タグ: アウディ / SUV / クロスオーバーSUV / 4WD / Q8 e-tron / EDGEが効いている / 藤野太一
2023/12/02
▲BEVのe-tron/スポーツバックe-tronが大幅改良を受けると同時に、フラッグシップSUV「Q8」の名が冠された。エクステリアに最新ブランドデザインを採用した他、BEVの要となる一充電走行距離と急速充電性能が向上している最新ブランドデザインとリサイクル素材で内外装を“洗練”
アウディはフォルクスワーゲングループにおいて、電動化の急先鋒を担うブランドだ。2026年以降に登場する新型車はすべて電気自動車(BEV)に、既存の内燃エンジンモデルも2033年を最終期限として段階的に生産を終了するという方針を打ち出している。
アウディブランドとして初の電気自動車となるSUVのアウディe-tronは2018年に発表。日本市場では少し遅れて2020年からの発売であったが、グローバルでのセールスは約16万台(2022年末時点)のヒット作となった。
その後、アウディは4ドアクーペのe-tron GT、コンパクトSUVのQ4 e-tronと電気自動車のラインナップを拡大してきたが、このたび最初に登場したアウディe-tronがマイナーチェンジを実施した。まず、車名がSUVのフラッグシップモデルとしてQ8を冠し、Q8 e-tron / Q8 スポーツバック e-tronへと変更された。同時に前後に配されたアウディのフォーリングスは新CIにのっとり、すっきりとした印象を与える2次元のデザインになっている。
エクステリアでは、フロントとリアのデザインを刷新。アウディの特徴のひとつであるシングルフレームグリルを、ブラックのマスクで囲む新しい意匠を採用。リアには新たにQ8のバッジが配された。また、アンダーボディなどにスポイラーを加えることで、空気抵抗を低減。空気抵抗係数(Cd値)はQ8 e-tronでは0.28から0.27に、Q8 スポーツバック e-tronでは0.26から0.24に向上している。
水平基調のインテリアデザインは、マイナーチェンジ前とほぼ変わらない印象。ステアリングの奥に12.3インチの液晶メーターを、センターには上下2段になったタッチ式パネルを配置する。親指などを使って直感的な操作がしやすい、アウディ独自のシフトセレクターも踏襲されている。オプション装備として、静粛性を高めたアコースティックガラスやBang&Olufsenの3Dサウンドシステム(16スピーカー)などをセットにしたサイレンスパッケージが用意されており、フラッグシップモデルにふさわしい静粛性と音環境を作りだすだけにぜひとも装着しておきたい。
インテリアの部材には断熱材と制振材、およびカーペットにリサイクル素材を使用する。Sラインパッケージのスポーツシートの表皮には合成皮革とDinamica(ダイナミカ)を採用。このダイナミカはリサイクルされたペットボトル、使用済みテキスタイル、繊維の端材などから再生されたポリエステル繊維が最大45%含まれている。また、シートベルトバックルカバーには自動車の混合プラスチック廃棄物を再利用するなど、サステイナビリティへの取り組みが随所に盛り込まれている。
▲クーペSUVのスポーツバックもラインナップ。こちらは上級モデルの「55」のみとなる電気自動車にとって最も重要なポイントである一充電走行距離と急速充電性能ももちろん向上している。
Q8 e-tron にはバッテリー容量の違いにより「50」と「55」の2つの仕様がある。「50」は最高出力約340ps(250kW)、最大トルク664N・mを発揮。総容量95kWh(先代比+24kWh)のバッテリーを搭載し、一充電走行距離424km (WLTCモード)と先代比+89kmを実現。
「55」は最高出力約408ps(300kW)で、最大トルクは50と同じく664N・m、総容量114kWh(先代比+19kWh)と100kWh超の大容量バッテリーを搭載。一充電走行距離501km(WLTCモード)で先代比+78kmとなった。これはバッテリーの大容量化だけでなく、リアアクスルの非同期モーターの仕様変更や空力の改善によって実現したものという。
▲全グレードがスポーティな内外装パーツを備えたSライン仕様となる(Q8 e-tron)試乗車したのは「Q8 55 e-tron quattro S line」だった。Dレンジに入れて走りだす。ドライブモードは基本的に「オート」でいい。エアサスペンションを標準装備しており、乗り心地は終始しなやかでいたって快適だ。エアスプリングのチューニングが見直されており、今回は試す場面はなかったが新たに「オフロード」モードが追加されているようで、走行状況に応じて車高を調整してくれる。ステアリングのギア比も変更されており、繊細な操作に対して優れた応答性をみせる。まったく違和感のない、かつ電動化による瞬時のquattro(AWD)の制御などはアウディの真骨頂といえるものだ。
充電性能においても大幅なアップデイトが図られ、150kWまでの急速充電に対応するようになった。いまアウディ ジャパンは、ポルシェジャパン、フォルクスワーゲン ジャパンと手を組み、全国のディーラー網などを活用する充電サービス「Premium Charging Alliance(PCA)」を展開していて、いま各地で設置が進められている150kW急速充電器のメリットを享受できる。例えば55 e-tron quattroの場合、150kW急速充電器を使用すると、10%から80%まで34分で充電可能(理論値)というから、利便性が高まるのは間違いない。
アウディが約50年間も使い続けている「Vorsprung durch Technik」というスローガンがある。日本語で「技術による先進」と訳されるが、まさにいまのアウディを体現するものと言えるだろう。電動化の急先鋒として、電動化、デジタル化、サステイナビリティなど常に変化を推進していくそのプロセスにおいて、Q8 e-tronは洗練という進化を果たしていた。
▲車体左側のタイヤハウス後方に充電口を配置。150kWの急速充電器に対応している(Q8 e-tron)
▲ラゲージ容量はQ8 e-tron(写真)が569L、Q8 スポーツバック e-tronが528Lとなる
▲リアスタイルはバンパーなどが変更されたものの、ほぼ変わらないデザインとしている(Q8 スポーツバック e-tron)
▲12.3インチディスプレイを用いたバーチャルコックピットシステムを採用。ステアリングには各種操作スイッチの他、回生レベルを変更できるパドルシフトを備える
▲個性的なシフトセレクターは従来モデル同様。セレクターの右側にあるシルバーの部分で操作する
▲国内モデルはSラインのため、フロントにはスポーツシートが装着されるライバルとなるBMW iXの中古車市場は?

BMWが次世代を見据えて開発したという、クロスオーバーSUVスタイルのBEV専用モデル。2021年に国内販売を開始している。BMWらしさを強調する大型キドニーグリルを備えたエクステリア、カーブドディスプレイの採用でスイッチ類を減らしたシンプルなインテリアなど、電気自動車らしいデザインが用いられている。全モデルが前後輪に各1基ずつのモーターを備えた4WD仕様となり、一充電走行距離が455kmのxDrive40、650kmのxDrive50、615kmのハイパフォーマンスバージョンであるM60をラインナップ。
2023年11月下旬時点で、中古車市場には50台ほどが流通。価格帯は650万~1400万円となる。エントリーグレードのxDrive40が40台弱と流通数の多数を占めており、価格も600万円台半ばから探すことができる。
▼検索条件
BMW iX× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●55 クワトロ Sライン 4WD
| 型式 | ZAA-GEEDE | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.92m×1.94m×1.64m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.93m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.65m/1.65m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 2600kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.18m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
ミトスブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、プラズマブルーメタリック、ウルトラブルーメタリック、マデイラブラウンメタリック、クロノスグレーメタリック、デイトナグレーパールエフェクト |
||
| オプション色 |
ソネイラレッドメタリック |
||
| 掲載コメント |
※交流電力量消費率 WLTCモード 239Wh/km 市街地モードWLTC-L 240Wh/km 郊外モードWLTC-M 239Wh/km 高速道路モードWLTC-H 246Wh/km |
||
| 型式 | ZAA-GEEDE |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ミトスブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、プラズマブルーメタリック、ウルトラブルーメタリック、マデイラブラウンメタリック、クロノスグレーメタリック、デイトナグレーパールエフェクト |
| オプション色 | ソネイラレッドメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
不明 |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.92m×1.94m×1.64m |
| ホイール ベース |
2.93m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.65m/1.65m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 2600kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.18m |
| 掲載用コメント | ※交流電力量消費率 WLTCモード 239Wh/km 市街地モードWLTC-L 240Wh/km 郊外モードWLTC-M 239Wh/km 高速道路モードWLTC-H 246Wh/km ※一充電走行距離(WLTCモード)501km |
| エンジン型式 | EAS-EDE | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 電気モーター | 使用燃料 | 電気 |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | -リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | -cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 408ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
664(67.7)/- |
| エンジン型式 | EAS-EDE |
|---|---|
| 種類 | 電気モーター |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | -cc |
| 最高出力 | 408ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
664(67.7)/- |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 電気 |
| 燃料タンク容量 | -リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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