【試乗】新型 アウディ Q8 e-tron|電気自動車ならではの格別な加速感はもちろん、デザイン的にも価値ある1台
2024/02/12
▲2023年7月に発売されたアウディ Q8 e-tron。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏によるインプレッションをお届けする期待が高まるアウディのフラッグシップモデル
アウディの良さを一言で言うならば、「コスト以上の質感の高さ」だろうか。1990年代後半からその片りんが見られ、どこまで成長するのか? 質感への探求はどこまであるのか? 新型モデルが登場するたびに期待は高まり、四半世紀見てきた私にとっての楽しみであった。
そのアウディが約1年前にアナウンスしたQ8 e-tronは、フラッグシップにふさわしい質感に、静粛性と運動性能を導入したピュアなEVである。
昨今のプレミアムモデルにふさわしいのはEVかPHEV、はたまたHEVなのか。そんなことを考えながら試乗することができたので、その様子をお伝えしたい。
大きさを感じさせない格別な加速
▲アウディの電動SUVのフラッグシップとなるQ8 e-tron今回、ステアリングを握ったモデルはQ8 55 e-tron S-lineだ。
まずは、外観を見ていて感じるのは「他にはないシャープでスポーティな大型SUVである」ということ。プレス部品のひとつひとつが数度の工程を経ているということは、プレス技術に携わったことがある方ならすぐに理解できよう。
小さなアールによって作り出された複雑でシャープな造形から、特殊に調合した鋼板であることがわかる。浮ついていない本物のプレミアムを打ち出したボディである。
▲アウディらしく精巧なプレス技術がわかるボディドアを開けたときのピラーやヒンジの取り付けも非常に美しい。これぞアウディの真骨頂といえる。
エクステリアのデザインに沿ったインテリアの質感は最高だ。ドアトリムの作りも申し分なく、インテリアのつまみや送風口の動きの精度も感心する。ただし、扱いやすいかどうかは別で、人によっては慣れが必要かもしれない。いずれにせよ、良質を感じることができ、触れる部分すべてに作りこみを感じる。
▲車内のパーツひとつひとつを見ても非常に精度が高い
▲ペットボトル由来のリサイクル原料を使用するシート素材シートに座ると、ストローク感が身体を常に支えてくれる。個性的なシフトレバースイッチを軽く操作し、Dレンジに入れてスタートだ。
Q8 55 e-tronのモーターの出力は、400psを超えるパワーとおよそ68kg・mのトルクである。2基のモーターによるトラクションは、quattro テクノロジーによって得られたノウハウがたたき込まれえている。
車重は2.6tあり、重厚な乗り心地は低速でもよくわかる。下からのアンジュレーションは、サスペンションで寛容に受け止める。
少し深くアクセルを踏み込んでみると、力を車体にためた後瞬時に加速する。電動車のトルクは、一気に最大値へ向かうが、このQ8 55 e-tronの加速感は格別だ。

首都高速への合流もちゅうちょする必要はない。全長が4.9mを軽く超える長さだが、その大きさからは想像できない動きを見せ、高速コーナーが連続するステージでも大らかで安定感ある動きだ。
ひとつ気になったのはシャシー剛性である。EVモデル専用ではないことは周知の事実であるが、内燃機関モデルに比べて質量を完全に封じ込められていないように感じた。
e-tronとなって剛性を向上させているはずであるが、モーターの大きく瞬時に発生するトルクと重さを完全に封じ込めるのはかなり難しいのであろう。

しかし、それらを感じることよりも工業製品として、デザインとして本物を知っていることが悦になることである。
静粛性に優れたモデルはいくつもある。しかし、このQ8 55 e-tronのスタイリッシュで都会的、ファッションを先取りしたかのようなダイナミックなフォルムに身を包みこまれることができる人は幸運だろう。
車両価格は約1300万円だが、他のプレミアムフラッグシップと比べても見た目以上に価値がある。ベースとなるQ8の発売から5年経過しているが、基本デザインは決して色あせることはない。
今、改めて見てもカッコよさに変わりはなく、生ものデザインではないことが証明されているのである。
▼検索条件
アウディ Q8 e-tron(初代・現行型)× 全国 ※流通状況により物件が表示されない可能性があります【試乗車 諸元・スペック表】
●55 クワトロ Sライン 4WD
| 型式 | ZAA-GEEDE | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.92m×1.94m×1.64m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.93m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.65m/1.65m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 2600kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.18m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
ミトスブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、プラズマブルーメタリック、ウルトラブルーメタリック、マデイラブラウンメタリック、クロノスグレーメタリック、デイトナグレーパールエフェクト |
||
| オプション色 |
ソネイラレッドメタリック |
||
| 掲載コメント |
※交流電力量消費率 WLTCモード 239Wh/km 市街地モードWLTC-L 240Wh/km 郊外モードWLTC-M 239Wh/km 高速道路モードWLTC-H 246Wh/km |
||
| 型式 | ZAA-GEEDE |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ミトスブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、プラズマブルーメタリック、ウルトラブルーメタリック、マデイラブラウンメタリック、クロノスグレーメタリック、デイトナグレーパールエフェクト |
| オプション色 | ソネイラレッドメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
不明 |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.92m×1.94m×1.64m |
| ホイール ベース |
2.93m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.65m/1.65m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 2600kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.18m |
| 掲載用コメント | ※交流電力量消費率 WLTCモード 239Wh/km 市街地モードWLTC-L 240Wh/km 郊外モードWLTC-M 239Wh/km 高速道路モードWLTC-H 246Wh/km ※一充電走行距離(WLTCモード)501km |
| エンジン型式 | EAS-EDE | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 電気モーター | 使用燃料 | 電気 |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | -リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | -cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 408ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
664(67.7)/- |
| エンジン型式 | EAS-EDE |
|---|---|
| 種類 | 電気モーター |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | -cc |
| 最高出力 | 408ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
664(67.7)/- |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 電気 |
| 燃料タンク容量 | -リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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