ポルシェ パナメーラGTS【ニューモデル試乗】
カテゴリー: ポルシェの試乗レポート
2012/03/23
単なるラインナップの穴埋めにはあらず
4ドアGTモデルのパナメーラで、ポルシェが最もスポーティと謳うのがGTS。0-100km/h加速は4.5秒とNAモデルで最速を誇る。エクステリアは専用デザインのバンパーなどを装着しスポーティさを高めた
ターボと4Sの間に位置するパナメーラの新グレード「GTS」は、単にマトリックスの隙間を埋めるための存在ではない。指向しているのはサーキット走行まで含めたスポーツドライビングだ。パワーユニットは、4S用のV型8気筒4.8L直噴自然吸気エンジンをリファイン。レヴリミットは400rpm引き上げられて7100rpmに。最高出力は30ps増の430psに、最大トルクは20Nm増の520Nmに向上している。7速PDKに、シフトアップ時に点火と燃料噴射をカットすることで変速を速めるシリンダーシャットオフを搭載したのも注目だ。
駆動方式は電子制御式フルタイム4WDである。PASM付きのエアサスペンションはセッティングがハードに振られ、車高も10mmダウンされる。外観は意匠としては、ほぼターボに倣う。ヘッドライトベゼルをはじめ各部をブラック仕上げとしているのが特徴的なアクセントだ。
走りの充足感の高さはまさにポルシェだ
4WDを標準装備し、エアサスペンションと各ダンパーの減衰力を調整するPASM(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム)が採用された。PASMは3段階(コンフォート、スポーツ、スポーツプラス)から選択可能
見るからに精悍な外観に、各部に「GTS」ロゴが入れられて気分を昂らせる内装。高まる期待を、パナメーラGTSの走りは決して裏切らない。高回転型にしつけられてトップエンドでのさらなるひと伸びを手に入れ、新採用のサウンドシンポーザーが室内に快音を届けるエンジンの何と気持ちの良いことか。ますます小気味良い変速ぶりを見せるPDKと相まって、切れ味は抜群である。それに輪をかけて心酔させるのが痛快なフットワークだ。日常域ではしなやかかつフラットな快適な乗り心地を提供する一方、「SPORT PLUS」モードで攻め込めば、掛け値なしにステアリングとスロットルの連携で、どんな姿勢も思うまま。5m弱の全長のことなど忘れてしまう。
ブランド車としてというより、スポーツカーとしてのポルシェに思い入れている人が買うべきパナメーラ。それは間違いなく、このGTSである。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | パナメーラGTS | |
全長×全幅×全高(mm) | 4970×1930×1410 | |
車両重量(kg) | 1940 | |
エンジン種類 | V8DOHC | |
総排気量(cc) | 4806 | |
最高出力[ps/rpm] | 430/3500 | |
最大トルク[ Nm/rpm] | 520/6700 | 車両本体価格 | 1554万円 |
ポルシェ パナメーラGTS【ニューモデル試乗】/試乗レポート
あわせて読みたい
巨匠 ジウジアーロがデザインした中古で買える輸入車を5モデル選んでみた
【試乗】新型 アストンマーティン ヴァンキッシュ|V12を積んだ新たなFRフラッグシップは、リアルスポーツからGTまで劇的に変化する乗り味を得た!
【試乗】新型 ヒョンデ インスター ラウンジ|かわいい見た目に安心感を兼ね備えたコンパクトEV
【試乗】新型メルセデスAMG G63|改良により心地よさという価値が付加された新たなGクラス
【試乗】新型メルセデス・ベンツ Gクラス EQテクノロジー|電気の力でよりスポーティに、より高級に
マツダ RX-8の魅力は速さじゃない!? 中谷明彦とZ世代モータージャーナリストが、ロータリーエンジン搭載スポーツカーの魅力に迫る【カーセンサー中谷塾】#4
新型ボルボ XC90の新車価格1019万円に絶望した人に贈る「半額500万円で買えるコレ、代わりにどうですか?」5選
NA型 ユーノスロードスター は速くないけど楽しい車! 中谷明彦も思わず欲しいと唸る、その魅力は?【カーセンサー中谷塾】#3
「買えるモデルの祭典」で輸入中古車評論家が買いそうになったのはどんな車?【オートモビルカウンシル2025】
【試乗】新型 フォルクスワーゲン ゴルフ GTI|速い! そして洗練度を増した走り! これはまさに“大人”のホットハッチ!