【試乗】新型 フェラーリ 812GTS│獰猛なV12エンジンを搭載しながらも、驚くほどの安定感を魅せる魅惑のスーパーカー!
カテゴリー: フェラーリの試乗レポート
2021/05/13
▲812スーパーファストのスパイダーとして登場。フロントV12のオープンルーフにもかかわらず、並外れた安定性と刺激を味わうことが可能。スパイダーモデル専用のエアロダイナミクス設計をもつなど、性能へのこだわりを象徴するマシン今まで聞いたこともない強烈なサウンドが、これは車なのかと疑わせる
フェラーリ 812GTSは謎に満ちたスーパースポーツカーだ。排気量6.5Lの自然吸気V12エンジンが奏でるサウンドが謎に満ちている。初めてその音色を耳にした者は、おそらくこれが自動車の発するエンジン音であるとは信じられないはず。それくらいフェラーリのV12エンジンは、澄んだ乾いたエグゾーストノートを響かせる。
回転数に連動した周波数だけが耳に届くサウンドは、エンジンをはじめとする部品の無粋な共振を徹底的に排除して初めて実現できるもの。その意味でいえば、あの天上の歌声は恐ろしいほどのコストを費やした証明ともいえるのだ。
このエンジンの魅力はそのサウンドだけではない。スロットルペダルに軽く足を添えるだけで、レブカウンターの針はなにかにはじかれたかのように鋭く跳ね上がる。
4カム、4バルブのV12エンジンといえば、あきれるほど多くのパーツを組み合わせて作られているはずだが、このシャープな吹き上がりのエンジンはそうした無数ともいえるパーツの存在を一切意識させることなく、完璧な調和を保ったまま超高速運動をこなしてみせる。
俊敏さは、獲物を見つけて草原を走り始めた肉食獣をほうふつとさせる。巨大なはずのV12エンジンがどうしてこれほど鋭敏に反応できるのかは、やはり謎だ。
▲スパイダー化に伴い空力効果を最適化し、底面からのダウンフォースを最大限引き出している。また、フロントウインドウ上部にフラップを付け、オープン時の風の巻き込みを防ぐなど、そのエンジン音を楽しめるよう工夫がなされている
▲エグゾーストサウンドにもスパイダー独自の改良が施されている。排気音そのものに調律を施し、オープン時の音質を高めている
▲ルーフ形状は左右が隆起するトンネルバックスタイル。リトラクタブルハードトップ(RHT)は45km/h以下であれば走行中も14秒で開閉が可能
▲搭載されるV12エンジンは800ps/718N・m発生させるハードコア仕様。0-100km/h加速を3秒以下でこなす圧倒的性能を誇るフロントにV12エンジンを積んでいると聞けば、シャープなコーナリングは期待できないと考えるのが普通だが、この点でも812GTSは常識を超えている。直進付近にもまったく遊びのないステアリングは指1本分の操舵にも瞬時に反応し、V12エンジンの慣性モーメントがまたたく間に消え去ったかと思うような素早さで進路を変えてみせる。
最新のフェラーリらしくリアタイヤは圧倒的なスタビリティを発揮し、ドライバーにみじんほども不安を感じさせない。キャビンの前にV12エンジンを積んでいながら、これだけ鋭いステアリングレスポンスを示すことも謎だが、そのシャープな回頭性とリアの驚くほどのスタビリティを両立させていることも812GTSの謎のひとつに違いない。
しかも、驚くべきことにこの超高性能なスーパースポーツカーはオープンボディに仕立てられているのだ。前後の巨大なタイヤが生み出す振動のエネルギーはさぞかし強大だろうに、このアルミモノコックボディにはサスペンションの動きを逆に跳ね返すような強靱さがある。おまけに、ルーフを開け放ってもキャビンにほとんど風を巻き込まない点も謎だ。
フェラーリ 812GTSとは、かくも謎に満ちたスーパースポーツカーなのである。
▲インテリアはこれまでのフェラーリを踏襲。スイッチ類をハンドルまわりに集中させ、ドライバーの視線移動が少ないよう設計されている
▲このエキゾチックなフロントV12レイアウトは、1969年の名車365GTS4(通称デイトナ)以来50年ぶりとなる。812とは”800”馬力の”12”気筒モデル、GTSはグランツーリズモ(GT)スパイダー(S)という意味をもっている【試乗車 諸元・スペック表】
●F1 DCT
| 型式 | 7BA-F152BE | 最小回転半径 | -m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.69m×1.97m×1.28m |
| ドア数 | 2 | ホイールベース | 2.72m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.67m/1.65m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | ◯ | 車両重量 | 1645kg |
| シート列数 | 1 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 2名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ジアッロモデナ、ロッソスクーデリア、ロッソコルサ、ロッソムジェロ、ビアンコアヴス、ネロ、ブルーポッジ |
||
| オプション色 |
グリジオイングリッド、グリジオアロイ、アルジェントニュルブルクリンク、グリジオチタニオ、グリジオシルバーストーン、ネロデイトナ、ブルーアブダビ、ブルーミラボー、ブルーツールドフランス、ロッソディーノ、ロッソフィオラノ、グリジオフェロー、アヴォリオ、カンナ ディ フチーレ、グリジオスクーロ、ヴェルデブリティッシュ、ブルースコツィア、アズーロカリフォルニア、ブルースワター、ロッソ70アニヴェルサリオ、ビアンコセルヴィノ、グリジオGTS |
||
| 掲載コメント |
※納車時期を2019年10月以降の予定としているため、車両価格(税込価格)は消費税10%が適用された金額を掲載しております |
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| 型式 | 7BA-F152BE |
|---|---|
| 駆動方式 | FR |
| ドア数 | 2 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | ◯ |
| 標準色 | ジアッロモデナ、ロッソスクーデリア、ロッソコルサ、ロッソムジェロ、ビアンコアヴス、ネロ、ブルーポッジ |
| オプション色 | グリジオイングリッド、グリジオアロイ、アルジェントニュルブルクリンク、グリジオチタニオ、グリジオシルバーストーン、ネロデイトナ、ブルーアブダビ、ブルーミラボー、ブルーツールドフランス、ロッソディーノ、ロッソフィオラノ、グリジオフェロー、アヴォリオ、カンナ ディ フチーレ、グリジオスクーロ、ヴェルデブリティッシュ、ブルースコツィア、アズーロカリフォルニア、ブルースワター、ロッソ70アニヴェルサリオ、ビアンコセルヴィノ、グリジオGTS |
| シート列数 | 1 |
| 乗車定員 | 2名 |
| ミッション 位置 |
コラム |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | -m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.69m×1.97m×1.28m |
| ホイール ベース |
2.72m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.67m/1.65m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1645kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | ※納車時期を2019年10月以降の予定としているため、車両価格(税込価格)は消費税10%が適用された金額を掲載しております ※車両重量の数値は乾燥重量の数値です |
| エンジン型式 | - | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | V型12気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | 92リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 6496cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 800ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
718(73.2)/8000 |
| エンジン型式 | - |
|---|---|
| 種類 | V型12気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 6496cc |
| 最高出力 | 800ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
718(73.2)/8000 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 92リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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