【試乗】新型 ランドローバー レンジローバー|ドライブフィールに“無音”がとことんマッチする!
カテゴリー: ランドローバーの試乗レポート
2023/12/01
▲2022年に5世代目が登場した、英国ラグジュアリーSUVブランドのフラッグシップSUV。2024年モデルから全グレードが電動化されるが、レンジローバーは現行型が登場した時からPHEVモデルをラインナップしているエンジンのサウンドやパワフルさはさほど必要ない
2024年モデルから、すべてのエンジングレードで“電動化”されることになったレンジローバー。つまり、人気のBMW製V8も自社製ディーゼル6気筒もマイルドハイブリッドになるということ。静かで柔らかく厳かなドライブが信条のレンジローバーにあって、周りから強要されるまでもなく電動化は必須のトレンドだった。
そんな中、新型デビュー時からラインナップされていた電動グレードがある。3L直6のプラグインハイブリッドモデル、P510eだ。レンジローバーのグレード表記はシンプルで、Pはガソリンエンジン(Dならディーゼル)、510はエンジンの最高出力、eは電気モーター付きのプラグインハイブリッド車であることを示す。
今回、改めて試乗したのはP510eのSVイントレピッドだ。SVとは特別オーダー部門であるSVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)が手がけた最上級グレードで、トリム違いとしてイントレピッドとセレニティの2種類が用意されている。後者がラグジュアリーさを追求した仕様であるのに対し、今回テストに供したイントレピッド(大胆不敵や勇敢という意味)はその語感どおり、スポーティでダイナミックな雰囲気漂う仕立て。シルバーやブロンズのメッキが特徴的なセレニティに対して、イントレピッドではダーククロームフィニッシュのアンスラサイトアクセントを効果的に使用する。
インテリアではデュオトーンと呼ばれる洒落た演出が光っている。前後でシートのトーンや色味が違うのだ。テスト車のシート素材はウルトラファブリックで、フロントが明るくリアは沈んだグレイという個性的なコーディネーションだった。
▲SVイントレピッドにはアンスラサイトメッキのグリルやアクセントパーツが備わる。サテンフィニッシュなどの個性的なボディカラーも用意される
▲リアゲートにはハンドクラフトのセラミック製「SV」バッジが備わったプラグインハイブリッドということで最大の魅力はガレージで一晩充電しておけば、翌日、最低でも80kmくらい(WLTP値は113km)は電気自動車として走ってくれること。都会の日常利用の範囲であれば、おそらくガソリンスタンドに行くことがめっきり減るに違いない。
電気自動車として走るレンジローバーはとにかく最高だ。懐深く、しなやかで、しかも安定感のあるレンジローバーのドライブフィールに“無音”走りがとことんマッチする。ひとたびその快感を知ったなら、もうできるだけエンジンなどかかってほしくないと思ってしまうほど。決して悪くないエンジンフィールであるにも関わらず、だ。
エンジンとモーターの協調はもちろん電動からエンジンへの切り替え、もしくはその逆も含め、全体的なパワートレイン制御も極めてスムーズ。意地悪く“ミス”を感じようと身体中のセンサーを働かせてドライブしても、違和感を覚えることはない。ハイブリッド、エレクトリック、セーブという3つのドライブモードを用意するが、充電に積極的なセーブモードでややざらついたエンジンフィールを感じた程度で、他は重量級のモデルらしくすべてが滑らかにつながっているという印象だった。
ハイブリッドモードでのここ一発の加速などは、V8モデルにこそやや負ける。エンジンとモーター、いずれもが黒子になって十分に力強い加速を生み出す。V8ほどの迫力こそないものの、力を途切れさせることなく速度を上げてくれるからとても扱いやすいし心地よい。エンジンのサウンドやパワフルさなんて、レンジローバーにはさほど必要のない要素だと思うのだが、どうか。
レンジローバーを駆るといつも気分が落ち着く。追い越し車線を下品に突き進むような真似は自然としなくなる。ロールス・ロイスやベントレーといった英国の御用達ブランドとまるで変わらない。車の方に身についた品位がそうさせるのか。走行車線をゆっくり流していると、車線を縫うようにしてばかみたいにすっ飛んでいくSUVが本当にバカバカしく思えた。
▲インフォテインメント・システム(Pivi Pro)が備わる。13.1インチのタッチ式ディスプレイに機能を集約することで、スイッチ類の少ないすっきりしたインテリアとしている
▲操作系パーツの素材にはサテンブラックのセラミックなどが用いられている
▲セミアリニンレザーだけでなく、軽量で肌触りの良いウルトラファブリック(Ultrafabrics)も選択可能
▲後席はリクライニングやマッサージなどの快適機能が備わる。センターコンソールにはエアコンなどを操作するタッチパネルを内蔵 ▼検索条件
ランドローバー レンジローバー× 全国
自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
ライバルとなるベントレー ベンテイガの中古車市場は?

ラグジュアリーとパフォーマンスを追求する、英国ラグジュアリーブランドであるベントレーから2015年に登場した初のSUV。他のベントレーモデルと共通する意匠を用いるなど、伝統のブランドらしい仕立て。ベーシックモデルに加え、ハイブリッドやハイパフォーマンスモデルのスピードなどをラインナップする。ミュルザンヌの後継として新たなベントレーのフラッグシップとなる、ロングホイールベースも2022年に登場している。
2023年11月中旬時点で、中古車市場には100台ほどが流通。価格帯は1230万~3590万円となる。2023年12月に新車受注を終了するW12エンジン搭載モデルは40台程度が流通、ハイブリッドは数台のみとなっている。
▼検索条件
ベントレー ベンテイガ× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●SV 3.0L P510e スタンダードホイールベース 4WD
| 型式 | 3LA-LKB34A | 最小回転半径 | 5.3m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 5.07m×2.01m×1.87m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 3m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.7m/1.71m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | ◯ | 車両重量 | -kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.22m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
サントリーニ・ブラックメタリック、ボラスコグレイ・メタリック、アイガー・グレイメタリック、ハクバシルバー・メタリック、ベルグレイヴィアグリーン・メタリック、ヴァレジネブルー・メタリック、オストゥーニパールホワイトメタリック、サンライズカッパー・グロス、サンライズカッパー・サテン |
||
| オプション色 |
カルパチア・グレイプレミアム・メタリック、ブリティッシュレーシンググリーン・グロス、ブリティッシュレーシンググリーン・サテン、リグリアンブラック・グロス、リグリアンブラック・サテン、エーテルフロストシルバー・グロス、エーテルフロストシルバー・サテン、ベロシティブルー・グロス、ベロシティブルー・サテン、コンステレーションブルー・グロス、アイシーホワイト・グロス、アイシーホワイト・サテン、イオニアシルバー・グロス、イオニアシルバー・サテン、サンセットゴールド・グロス、アメジスト・グレイパープルメタリック、ペトロリックスブルー・グロス、トルマリンブラウン・グロス、トルマリンブラウン・サテン、ザンギネロオレンジ・グロス |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3LA-LKB34A |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | ◯ |
| 標準色 | サントリーニ・ブラックメタリック、ボラスコグレイ・メタリック、アイガー・グレイメタリック、ハクバシルバー・メタリック、ベルグレイヴィアグリーン・メタリック、ヴァレジネブルー・メタリック、オストゥーニパールホワイトメタリック、サンライズカッパー・グロス、サンライズカッパー・サテン |
| オプション色 | カルパチア・グレイプレミアム・メタリック、ブリティッシュレーシンググリーン・グロス、ブリティッシュレーシンググリーン・サテン、リグリアンブラック・グロス、リグリアンブラック・サテン、エーテルフロストシルバー・グロス、エーテルフロストシルバー・サテン、ベロシティブルー・グロス、ベロシティブルー・サテン、コンステレーションブルー・グロス、アイシーホワイト・グロス、アイシーホワイト・サテン、イオニアシルバー・グロス、イオニアシルバー・サテン、サンセットゴールド・グロス、アメジスト・グレイパープルメタリック、ペトロリックスブルー・グロス、トルマリンブラウン・グロス、トルマリンブラウン・サテン、ザンギネロオレンジ・グロス |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.3m |
| 全長×全幅× 全高 |
5.07m×2.01m×1.87m |
| ホイール ベース |
3m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.7m/1.71m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | -kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.22m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | - | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列6気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | -リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 3000cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 510ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
-/- |
| エンジン型式 | - |
|---|---|
| 種類 | 直列6気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 3000cc |
| 最高出力 | 510ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
-/- |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | -リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |
【関連リンク】
あわせて読みたい
“日本の誇り” 日産 R35 GT-Rは果たしてスーパーカーなのか?【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
【爆増】ランクル250の流通台数が900台超え! トヨタのランドクルーザーシリーズの最新型中古車状況、オススメの狙い方を解説
’07 フェラーリ F430|空力とヘリテージが息づくV8ミッドシップ【名車への道】
X3が3代目なら200万円代前半で狙える? BMWの人気プレミアムSUV、中古車相場やオススメの狙い方を解説
’73 シトロエン DS|独自のデザインと乗り心地、そのすべてに“哲学”がある【名車への道】
“好き”をワガママに選ぶ。アートディレクターの最適解がマツダ CX-30なワケ
「もはや家!」200台限定の新型Gクラスが3500万円超えに絶望したあなたに贈る「1/3で買えるこの車、代わりにどうですか」5選
フェラーリの維持費ってどれくらいかかるの? そんなリアルな疑問、専門店に聞いてきた!
~300万では選べない、1000万では高すぎる~ 600万円で探せる一度は乗っておくべきクルマ【カーセンサーEDGE 2025年11月号】
新型T-Rocが海外で発表されたけど初代なら100万円台で買える? 日本にぴったりのコンパクトSUV、中古車相場やオススメの狙い方を解説!









