【試乗】新型 ジープ グラディエーター|憧れのアウトドアライフを叶えてくれる!? ジープ伝統のピックアップトラック
カテゴリー: ジープの試乗レポート
2022/08/15
▲全長5.6mのボディに広大なベッド(荷台)とダブルキャブを備える、ジープブランドのピックアップトラック。日本にはオフロード性能を高めたグレード「ルビコン」が導入された伝統の走破性を備えつつも乗り心地は快適に
ジープのピックアップトラック「グラディエーター」がついに日本へやって来た。英語で「剣闘士」の意をもつそのトラックは、2019年に北米で発売されたものだ。しかし、日本ではトラック需要が見込めず、世界的な電動化の流れもあって、国内販売されることはないのだろうと思っていた。ところが、日本でも要望が多く寄せられたようで、それに応えるかたちで昨年末に導入。ローンチ記念として販売された400台は即完売。ジープ ラングラーなどと同様に、中古車市場ではプレミアム価格で取引される人気ぶりだ。
そもそもジープベースのトラックは、ワゴニアベースの初代が1963年に登場したことに端を発する。近年では当時のチェロキーをベースとした「コマンチ」が1992年に生産終了となり、ジープブランドのトラックはいったん途絶えていた。しかし、2018年のロサンゼルスオートショーで「グラディエーター」として復活を遂げた。
▲悪路走破性を高めたルビコンには、FOX社製パフォーマンスショックアブソーバーなどが装着される。グラナイトカラーの17インチホイールには、BFグッドリッチ製のマッドテレインタイヤを標準装備ボディサイズは全長5600×全幅1930×全高1850mm、ホイールベースは3490mmと、ラングラー アンリミテッドに対して全長は+730mm、ホイールベースは+480mmという、まったくの別物というべき大きさだ。そのおかげもあって、5名乗車が可能なダブルキャブ(4ドア)仕様で、広大なベッド(荷室)を備えており、積載能力は申し分ない。ベッドの最大積載重量は250kgだ。
ここで知っておくべきは、グラディエーターは3ナンバーの乗用車ではなく、普通貨物自動車なので1ナンバー登録になること。税金などは安くなるメリットがある一方で、毎年車検を受ける必要がある(初回は初度登録から2年)。また、高速料金も乗用車に比べて2割ほど高くなる。このあたりはユーザーのライフスタイル次第だが、全長5.6mというボディサイズをみても、維持費の面でもシティユースではなく、トラックらしく本格的なアウトドアユース向きのモデルということになる。
車体の骨格は、伝統のボディ・オン・フレーム構造を採用しており、ボディ剛性や耐久性は高く、悪路走破性やけん引能力に優れる。渡河性能は水深762mmまでと、さすがの性能を誇っており、アウトドアはもちろん、豪雨で冠水した道などでも役立つだろう。
インテリアデザインは基本的にジープ ラングラーのものを踏襲する。キャビンを覆うハードトップは3枚のパネルで構成されており、取り外しが可能。前席上部だけを外せばタルガトップのようになり、後部もすべて外せばオープンカー気分が味わえる。
北米ではグレードがいくつか用意されているようだが、国内仕様は「ルビコン」の一択だ。これにはラングラーのルビコンと同様に、ロックトラックフルタイム4×4システムを搭載するジープの中でも最もハードな走行に適したもの。
センターコンソールには、シフトセレクターとトランスファーレバーが備わっており、インパネには赤いロッカースイッチが備わる。電子制御式のディファレンシャルは、リアのみとフロント&リアのロックが選択可能で、最大限のトルクをホイールに伝達することができる。「4L」モードには、オフロード走行時に、車速を1~8km/hに維持してくれるセレクスピードコントロールなども備わっており、ドライバーはアクセルやブレーキペダルの操作から解放されステアリングの操作に集中することができる。
さらに、電子制御式フロントスウェイバーディスコネクトシステムを搭載。これは低速走行時にスウェイバーのロックを解除することでサスペンションストロークを最大25%拡大できるというもの。凹凸の激しい路面や岩場などで絶大な効果を発揮する。また、フロントグリル内には前方の障害物などをクローズアップするオフロードカメラが備わるなど、デジタル化されている。
▲インテリアはラングラーと同様のデザイン。センターディスプレイには、サスペンションストロークなどのリアルタイム情報を表示するオフロードページも備わる
▲レザーシートを標準装備。「Rubicon」の刺しゅうの入ったフロントはシートヒーターが備わるパワートレインは、今どき貴重な自然吸気の3.6L V型6気筒 DOHCエンジンで、8速オートマチックトランスミッションを組み合わせる。最高出力284ps、最大トルク347N・mを発揮し、大きくて重いボディを忘れさせるほど軽快に走る。
乗り心地に関しても、ジープ ラングラーが現行型でより乗用車的なものへと大きく改善しているが、グラディエーターはロングホイールベースの恩恵もあってそれ以上に快適に感じられる。後方のベッドを見なければ、トラックとは気づかないかもしれない。
トラックといえどもADAS(先進運転支援システム)は最新のもので、自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなどはしっかり備わっている。また全長が長く、後ろが見えにくいトラックだけに、ギアを「R」に入れると、後方の様子を広角映像でモニターし、後退時にはステアリング角度に応じてグリッドラインまで表示してくれるのは、とてもありがたい。
インフォテイメントはApple CarPlayに対応。iPhoneユーザーなら使いなれたSiriを利用した音声コントロールも可能だ。頭上にはオーバーヘッドサウンドバーが備わっており、その他に耐候型サブウーハーなど計9基のスピーカーが、迫力のあるサウンドを奏でる。
日本においてはメルセデス・ベンツ Gクラスやジープ ラングラーは、軍用車をルーツとする本物感、四角いスタイルが、都市生活者のファッションアイテムとして高い人気を得ている。しかし、このグラディエーターが醸し出すオーラは、それらとは一線を画している。まるで車が人を選ぶように、仕事であれ遊びであれ、そのポテンシャルを使いこなせるライフスタイルを送る人にこそふさわしい。
▲ジープ伝統の7スロットグリルをはじめ、ラングラー同様のデザインが取り入れられている
▲ルーフは3枚のパネルで構成。写真はフロント2枚を取り外した状態
▲ベッドの最大積載量は250kg。傷や腐食を防ぐベッドライナーが施工されている
▲本国ではディーゼルエンジンなども用意されるが、国内仕様のルビコンは3.6L V6自然吸気エンジンのみとなる
▲リアシートの座面下には取り外したソフトトップのボルトなどが収納可能。内装色はブラックとブラック/ダークサドル(写真)が用意されるジープ グラディエーターの中古車市場は?

アメリカでは2019年に登場しているが、日本では2021年11月から正規輸入されているピックアップトラック。中古車は20台以上が流通しているが、平均価格は人気の高さを反映し約840万円となっている。販売店が自社で輸入した並行輸入車も多い。正規モデルと異なる仕様だったりするので、物件の現車チェックは必須だろう。正規輸入車ではないものの気に入った仕様を探せる、というおもしろさもある。
▼検索条件
ジープ グラディエーター× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●3.6 ルビコン 4WD
| 型式 | 7BF-JT36 | 最小回転半径 | -m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 5.6m×1.93m×1.85m |
| ドア数 | 4 | ホイールベース | 3.49m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.64m/1.63m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 2280kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | 250kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 2805kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ブラッククリアコート、ファイヤークラッカーレッドクリアコート、ブライトホワイトクリアコート、グラナイトクリスタルメタリックC/C、スティンググレークリアコート、サージグリーンクリアコート、シルバージニス クリアコート |
||
| オプション色 |
ハイドロブルーパールコート |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 7BF-JT36 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 4 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ブラッククリアコート、ファイヤークラッカーレッドクリアコート、ブライトホワイトクリアコート、グラナイトクリスタルメタリックC/C、スティンググレークリアコート、サージグリーンクリアコート、シルバージニス クリアコート |
| オプション色 | ハイドロブルーパールコート |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | -m |
| 全長×全幅× 全高 |
5.6m×1.93m×1.85m |
| ホイール ベース |
3.49m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.64m/1.63m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 2280kg |
| 最大積載量 | 250kg |
| 車両総重量 | 2805kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | G | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | V型6気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | 83リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 3604cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 284ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
347(35.4)/4100 |
| エンジン型式 | G |
|---|---|
| 種類 | V型6気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 3604cc |
| 最高出力 | 284ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
347(35.4)/4100 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 83リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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