レクサスRXはハリアーとは別物 【試乗by西川淳】
カテゴリー: レクサスの試乗レポート
タグ: SUV / クロスオーバーSUV / 高級 / FF / 4WD
2009/03/17
静かで覇気がなく、味もそっけもないところなどもLS譲り
日本におけるレクサスブランド待望のSUV。プレミアムブランドへの言わば登竜門的な存在だ。レクサスRXといえば、以前は日本名ハリアーの対外レクサスブランド用モデルだった。もちろん、海外ではその後継モデルという位置づけだが、トヨタ/レクサスとしてはハリアー後継ではなく全く新しいコンセプトで開発したクロスオーバーSUVであるとした上で、ハリアーの販売を国内では継続(ハイブリッドと2.4L)し、レクサスRXの独自性をアピールしたいようだ。
モデルラインナップはRX450hとRX350という大排気量モデルのみ。前者は3.5Lのアトキンソンサイクルエンジンにリダクションギア付きハイブリッドシステム、そしてE−Fourを組み合わせたモデルで、4.5LのV8モデル級のパワーとクラス最高の燃費性能を実現したとされる。後者には3.5LのV6、6AT、アクティブトルクコントロール4WDを搭載。それぞれのグレードに、よりスポーティで欧州仕様のシャーシと19インチタイヤを採用した「バージョンS」、セミアリニン革シートを装備する豪華な「バージョンL」、そして「バージョンLのエアサスペンション仕様」が用意される。また、350にはFFモデルの設定もある。
“ハリアーの後継車ではない”と関係者が言う通り、外観の雰囲気にそれらしさは微塵もない。わずかに、クーペ風のサイドウインドウとリアクセションのまとめ方がハリアー(前RX)っぽいが、このように思い切った手法は初代ハリアー以降のクロスオーバー車に共通するものだ。特にフロントマスクは、LSなどと共通の最新レクサスモードである。SUVモデルにありがちな“いかつさ&”を抑え、車幅もそれほど広げずに、クリーンな佇まいとした。
インテリアのほうがはるかに挑戦的である。メーターナセルは助手席側に向けて楕円形に出っ張り、上部にメーター系を、下部にスイッチ系を集中させた。シフトレバーがその下から生えている。デザインだけではない。シフトレバーを上方に追いやってまで使いたかったのが、リモートタッチシステムだ。これは、センターコンソールに手を置いたままで、画面上のポインターを遠隔操作するというもの。SUVではナビ用画面を見やすいところに置くと便利な画面タッチが使えないという問題が指摘されてきたが、このリモートシステムはそれを打破するもので、今後、SUVやミニバン、スポーツカーなどにも使用されそうだ。
まずは注目のリモートスイッチの使用感から。遠くの小さいポインターが人によってどれだけ見やすいかという疑問は残るが、使用感そのものは上々だ。特にポインターがスイッチ類の上に来たときの“段差”感がいい。ポインターの移動速度などを変えることもできる。
試乗車はRX350のバージョンS。まずハッキリ言えるのは、ハリアーとは相当に違う乗り物であるということ。たとえて言うならば、ハリアーがマークXだとすれば、新型RXはちゃんとGSになっている(クラスは違うけれど)。静かで覇気がなく、味もそっけもないところなどもLS譲り。いい意味で車の運転に無関心でいられるから疲れないかも。そこがレクサスらしさ、だと言われれば、車運転好きに反論の余地はない。
19インチを履くバージョンSでは、若干下回りにバタツキを感じたが、街乗りから高速まで、総じて引き締まった走りをみせる。ワインディングにおける走りも、これまでのトヨタのSUVレベルからすれば雲泥の差。もっとも、そういう場面が似つかわしいモデルではないが。最後に、別の機会に試したバージョンLエアサスペンション付きのほうが全体的に重厚な乗り味で、実にレクサスらしく、ハリアーを完全に忘れさせるモデルだったことを報告しておく。
あわせて読みたい
スバル STI S210の抽選販売に落選した人へ贈る「今すぐ買えるコレ、代わりにどうですか?」5選
ポルシェ カイエン(3代目)の中古車平均価格が遂に1000万円を切った! 1年で約90万円ダウンしている今が狙い目!? オススメの買い方・選び方は?
ジムニーノマドが受注停止中だが、シエラじゃダメなのか? 比較して本気で考えてみた!
【試乗】新型 ポルシェ マカン|BEVでもエンジン車と変わらぬポルシェらしい自然なドライブフィールが味わえる!!
【試乗】新型 アウディ Q6 e-tron|快適な乗り心地と扱いやすさで幅広い層にアピールする最新BEV!
新型クラウンエステート発売の裏でクラウンクロスオーバーの中古車価格が400万円台に! 最高級クロスオーバーSUVの中古車状況やオススメの狙い方を解説
「九州の人気観光地ドライブならココ!」プジョー 3008で行く“旅のプロがオススメ”の絶景・ご当地グルメ・温泉満喫ツアー
受注停止中のジムニーノマドの代わりに「三菱の5ドアコンパクトSUV パジェロイオ」はどうですか?
【試乗】新型 ランドローバー ディフェンダー オクタ|オフロードでもオンロードでも “究極のパフォーマンス”を発揮する635psのラリーベースモデル
【試乗】新型 メルセデスAMG GT63 S Eパフォーマンス 4ドアクーペ|AMG謹製V8エンジンを感じさせてくれるパフォーマンス志向のPHEVモデル