【試乗】新型 日産 GT-R(2020年モデル)│「さすがにもう進化は難しいのでは……?」そんな不安は乗ってすぐに払拭された
2019/10/09
▲2019年6月に登場した日産 GT-Rの2020年モデル。毎年進化を続けているGT-Rだが、今回は自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が試乗した際の模様をレポートする日産が誇る渾身のモデル……それがGT-Rだ
日産自動車が造る渾身のモデルといえば、GT-Rである。
登場からすでに12年が経過しようとしている長寿モデルだ。
2007年に登場してから毎年のように改良が加えられたイヤーモデルが登場しているが、そのたびに進化を感じることができる。
特に2017年モデルでは飛躍的に改良され、静粛性、乗り心地、扱いやすさが格段にレベルアップした。
そして、そのモデルをベースにした2020年モデルは、さらに磨きがかけられたという。
今回試乗する機会を得たので、その様子をお伝えしたい。
日産車の中で最もハイクオリティな造り

▲試乗車のボディカラーは、2020年モデルにて追加されたワンガンブルー。見る角度により表情を変える用意されたのは“ワンガンブルー”のプレミアムエディションだ。
アメリカで2018年モデルに試乗してから、約1年ぶりにGT-Rのステアリングを握る。
GT-Rのドアは軽量だがとても剛性感があり、アルミ合金のダイキャストの造りはとてもいいクオリティだ。
パワーウインドウを開けたり閉めたりしても、内張りはびくともしない。
インテリアの質感も相変わらずハイクオリティだ。
ホールドをさせつつも、柔らかくバックレストからヒップまで包み込むシートは、スポーツカーらしく雰囲気もよい。
ただ、今こうして乗り込むとスポーツカーとしては着座位置が全体に高く感じる。
しかし、日産車の中で最もハイクオリティであるのは間違いない。

▲優れているのは動力性能だけではない。GT-Rはインテリアの質感も良いエンジンとブレーキ性能の進化が大きい
エンジンを始動する際のクランキングの音は、本当に静かになったが古さは否めない。
Dレンジに入れてアクセルを軽く踏む。素早い変速が可能なツインクラッチのトランスミッションはダイレクトであるが、極めて扱いやすい。
さらにアクセルを踏み込むと、レスポンスはとてもリニアでドライバビリティが向上していることがうかがえる。
目に見えない部分にも、しっかりと改良を加えていることがよくわかる瞬間だ。
しかも、エンジンからエグゾーストに伝わる音は、6気筒の燃焼が均一であることを教えてくれる心地よい音色だ。
リアルスポーツカーやスーパーカーにあるような、ハーモニックで心を高揚させるサウンドである。
ステアリングも正確無比でコラム部分の剛性も高く、ハイスピードでも安心した操作感とダイレクトな感覚を失わないように設計され進化している印象だ。
また、昨年のモデルと比べても不快な突き上げがない。
以前のGT-Rはわだちでのブレーキングでステアリングが大きく取られるようなこともあったが、大きく改善されている。
▲搭載される3.8L V6ツインターボエンジンはさらにレスポンスが良くなっている初期型ではリアに搭載されるトランスミッションから聞こえる高周波の音が気になったが、とても静かになった。
ついもっとアクセルを踏み込みたくなる衝動に駆られる。
今では少し古さを感じる6速ミッションにも関わらず、粘り強いトルク特性で、どこからでも踏み込めば生じるマキシマムな加速力がエクスタシーへと誘う。
背中が押し付けられるような加速をした後のブレーキングでも、素晴らしい性能を見せてくれる。
低速から高速までリニアに踏み加減を調整できるので、スムーズなブレーキコントロールが可能になるのである。
昨年モデルよりも明らかにコントロール性が向上している。
これは、レスポンシブに反応するようになったエンジンとともに、最も体感できるGT-Rの進化である。
▲加速直後でもブレーキの安定性は素晴らしい! エンジンと合わせ最も進化したポイントのひとつだろう車の性能だけに任せず、操ることを楽しむ
毎年、「もうこれ以上の進化は難しいのでは?」と思えるが、改良されたイヤーモデルに乗ると明らかな違いが見えてくる。
日本のスポーツカーとしても貴重な存在であり、GT-Rがなくなれば技術の日産も消えてしまうくらい影響力は大きいだろう。
そのくらい世界的にも日産を象徴するモデルがGT-Rなのだ。
2020年モデルも12年が経過して色褪せるどころか、さらに成熟したと感じられるモデルであった。

【試乗車 諸元・スペック表】
●3.8 プレミアムエディション 4WD
| 型式 | 4BA-R35 | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.71m×1.9m×1.37m |
| ドア数 | 2 | ホイールベース | 2.78m |
| ミッション | 6AT | 前トレッド/後トレッド | 1.59m/1.6m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.73m×1.48m×1.1m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1770kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | 1990kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.11m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ダークメタルグレーメタリック、バイブラントレッドカラークリア |
||
| オプション色 |
アルティメイトシャイニーオレンジ4コートM、アルティメイトメタルシルバー4コートM、メテオフレークブラックP 2コートパール、ブリリアントホワイトパール3コートパール、ワンガンブルー4コートマルチフレックスPM |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 4BA-R35 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 2 |
| ミッション | 6AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ダークメタルグレーメタリック、バイブラントレッドカラークリア |
| オプション色 | アルティメイトシャイニーオレンジ4コートM、アルティメイトメタルシルバー4コートM、メテオフレークブラックP 2コートパール、ブリリアントホワイトパール3コートパール、ワンガンブルー4コートマルチフレックスPM |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 4名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.71m×1.9m×1.37m |
| ホイール ベース |
2.78m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.59m/1.6m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.73m×1.48m×1.1m |
| 車両重量 | 1770kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 1990kg |
| 最低地上高 | 0.11m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | VR38DETT | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | V型6気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 74リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 3799cc | 燃費(WLTCモード) |
7.8km/L
└市街地:5.2km/L └郊外:8.4km/L └高速:9.4km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 570ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
637(65)/5800 |
| エンジン型式 | VR38DETT |
|---|---|
| 種類 | V型6気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 3799cc |
| 最高出力 | 570ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
637(65)/5800 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 74リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 7.8km/L
└市街地:5.2km/L └郊外: 8.4km/L └高速: 9.4km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
【関連リンク】
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