【試乗】日産 NV350キャラバン/スカイライン│雪上でクルクル定常円旋回! 全く異なる2台を、ドリフト状態に持ち込みテスト
2020/03/25
▲冬の北海道にて日産の現行型モデルに試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が、その様子をレポートする普段はなかなか体験できない定常円旋回
雪上を思いっきり走る機会は、そうそうあることではない。
今年1月に、日産が冬の北海道にて雪上試乗会を開催した。例年に比べると北海道でさえも積雪量が少ないという。
しかし、特設コースをはじめとした様々なシチュエーションで、日産の各モデルに試乗し、その性能を確認することができた。
今回は、普段なかなか体験することができない「定常円旋回」によるテストの様子をレポートする。
定常円旋回とは、アクセルとステアリングのコントロールにより、同じ場所で円を描くようにクルクルと車を回らせる動作だ。
これは、一般的には一定のステアリングの舵角で速度を変え、ステアリングの特性を吟味することが目的のテストだが、今回のように滑りやすい雪上ではスタビリティ装置の性能を知ることができる。
ここで試乗したのは、商用車のNV350キャラバンとFRセダンのスカイラインの2モデル。
そこまで広くはないテストエリアだが、性能を確かめつつ、VDC(ビークルダイナミクスコントロール)のONとOFFを切り替え、ドリフト時のコントロール性を楽しむことができた。
では、それぞれの様子をお伝えしよう。
大柄なボディだからこそ、4WDの恩恵は大きい
日産 NV350キャラバン
最初はNV350キャラバンだ。用意されたのは、ディーゼルの4WD、ミッションはATの仕様だ。
エンジンは決して静粛性が高いとは言えないが、商用車用のエンジンとギア比のため非常にトルキーである。
この4WDはパートタイム式で、スイッチひとつで2WDと4WDを切り替えられるのだが、最初は4WDの状態で走らせる。
レスポンスが上々なのは空荷のせいかもしれないが、荷物を積んだ状態でも心強いのだろうという感じがする。
▲雪上試乗の機会はほとんどないNV350キャラバンで定常円旋回を行う
▲今回試乗したのは4WDモデル。スイッチひとつで切り替えることができる
▲商用車らしく荷室は広大。荷物の有無で挙動が大きく変わりそうだステアリングを切っても外側へとふくらむのは、前後のトルク配分が50:50の直結状態あるためだ。
走破性は良いが、ステアリングを切るだけではフロントが外にふくらみ曲がらない。アンダーステアが強い状況だ。
そこからステアリングできっかけを作り、リアを滑らせてみる。
フロントタイヤの切れ角を最小限にしてコントロールするが、このモデルにはLSD(リミテッドスリップデフ)が装着されていないので、レスポンスよく曲がっていかない。
パートタイム式の4WDを小さなエリアで上手に滑らすのは難しい。
せっかくなので、今度は2WDの状態にして走ってみた。ビックリするほど前に進まない。
アクセルを細かくコントロールし、前に進めながら滑らせ、小回りを利かせる。
中央に置かれたパイロンを軸に回ろうとするが、空荷で大柄の車体は思った以上に慣性が大きい。
雪になると、都内でもワンボックスがコントロール不良になる理由がよくわかる。
▲2WDの状態では慣性も大きく、コントロールが難しい。あらためて4WDの恩恵がわかる雪上でもわかる素直なコントロール性
日産 スカイライン
続いては、ガソリンモデルのスカイラインだ。
初めはVDCをONの状態でコースイン。驚くほど旋回性がいい。
細かい前後の制御によりアンダー傾向にはなるが、パイロンを中心によく曲がる。
あらためて電子デバイスの制御のすごさに驚く。
▲電子制御により驚くほど挙動が安定している次はいよいよOFFにして走り出す。これは楽しい。
レンジはマニュアルモードでホールドの状態だ。
ステアリングをちょんと切り込みながら、スロットルコントロールでリアを滑らす。
ゼロカウンターの状態で、アクセルのコントロールのみでフロントを軸にして回転する。
慣性がついてアングルが深くなったときに、ステアリングを意図的に操作しコントロールする。
電子制御の入ったバイワイヤー式のステアリング機構は、ナチュラルでダイレクト感があって楽しめた。
こういった状況下でも、トルク特性がフラットで素直なコントロール性をもっていることが理解できる試乗となった。
▲FRらしい派手なテールスライドを楽しむことができた【試乗車 諸元・スペック表】
●NV350キャラバン 2.5 プレミアムGX ロングボディ ディーゼルターボ 4WD
| 型式 | LDF-VW6E26 | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.7m×1.7m×1.99m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.56m |
| ミッション | 5AT | 前トレッド/後トレッド | 1.47m/1.45m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 2070kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | 1000kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 3195kg |
| ミッション位置 | インパネ | 最低地上高 | 0.17m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
ダークメタルグレーメタリック、ホワイト、ブリリアントシルバーメタリック、ダークブルーパール |
||
| オプション色 |
インペリアルアンバーパール、マルーンレッドマルチフレックスパールM、ファントムブラックパール、ブリリアントホワイトパール3コートパール |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | LDF-VW6E26 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 5AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ダークメタルグレーメタリック、ホワイト、ブリリアントシルバーメタリック、ダークブルーパール |
| オプション色 | インペリアルアンバーパール、マルーンレッドマルチフレックスパールM、ファントムブラックパール、ブリリアントホワイトパール3コートパール |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
インパネ |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.7m×1.7m×1.99m |
| ホイール ベース |
2.56m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.47m/1.45m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 2070kg |
| 最大積載量 | 1000kg |
| 車両総重量 | 3195kg |
| 最低地上高 | 0.17m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | YD25DDTi | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 65リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 11.4km/L |
| 総排気量 | 2488cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | H27年度燃費基準 +10%達成車 |
||
| 最高出力 | 129ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
356(36.3)/2000 |
| エンジン型式 | YD25DDTi |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 2488cc |
| 最高出力 | 129ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
356(36.3)/2000 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 軽油 |
| 燃料タンク容量 | 65リットル |
| 燃費(JC08モード) | 11.4km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | H27年度燃費基準 +10%達成車 |
●スカイライン 3.0 GT タイプSP
| 型式 | 5BA-RV37 | 最小回転半径 | 5.6m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.81m×1.82m×1.44m |
| ドア数 | 4 | ホイールベース | 2.85m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.53m/1.56m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 2m×1.48m×1.18m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1730kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 2005kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.13m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ダークメタルグレーメタリック、ブリリアントシルバーメタリック、スーパーブラック |
||
| オプション色 |
HAGANEブルーメタリック、オーロラフレアブルーパール2コートパール、ブリリアントホワイトパール3コートパール、メテオフレークブラックP 2コートパール、インペリアルアンバーパール、カーマインレッドカラークリアーメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 5BA-RV37 |
|---|---|
| 駆動方式 | FR |
| ドア数 | 4 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ダークメタルグレーメタリック、ブリリアントシルバーメタリック、スーパーブラック |
| オプション色 | HAGANEブルーメタリック、オーロラフレアブルーパール2コートパール、ブリリアントホワイトパール3コートパール、メテオフレークブラックP 2コートパール、インペリアルアンバーパール、カーマインレッドカラークリアーメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.6m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.81m×1.82m×1.44m |
| ホイール ベース |
2.85m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.53m/1.56m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 2m×1.48m×1.18m |
| 車両重量 | 1730kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 2005kg |
| 最低地上高 | 0.13m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | VR30DDTT | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | V型6気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 80リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 2997cc | 燃費(WLTCモード) |
10km/L
└市街地:6.2km/L └郊外:10.6km/L └高速:12.9km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 304ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/5200 |
| エンジン型式 | VR30DDTT |
|---|---|
| 種類 | V型6気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 2997cc |
| 最高出力 | 304ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/5200 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 80リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 10km/L
└市街地:6.2km/L └郊外: 10.6km/L └高速: 12.9km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
【関連リンク】
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