【試乗】新型ホンダ シビック e:HEV|ハイブリッドでこそ味わえる加速の爽快感
2022/08/28
▲2021年7月に発表された新型ホンダ シビック e:HEV。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏によるインプレッションをお届けするスプリット型を採用したハイブリッドモデル
ホンダ シビックが登場以来、半世紀を迎えた。これはフォルクスワーゲン ゴルフよりも2年ほど長い、歴史ある単一モデルということになる。
当時の世情は、オイルショックに厳しい排ガス規制の最中。シビックは燃費が良くクリーンな排出ガスという技術力で一気にブランドイメージを向上させたモデルであり、日本の自動車産業の技術力を世に知らしめたモデルと言っていい。

初代シビックは、ミニマリズムを肌で感じている、日本人によるデザインであった。
1972年に登場したこのシビックが、自動車の輸出市場に最も影響を与えたモデルということを忘れてはいけない。世界中のコンパクトモデルを作っていたメーカーは、スタイリングとパッケージングに関して大きな影響を受けたが、それは今日の日本ではあまり知られていない。
そして、この50年歴史にひとつの集大成として世に送りこまれたのが11代目となる現行型のシビックだ。今回そのハイブリッドモデルの試乗会が、山梨県で行われた。


ご存じの方も多いがおさらいをすると、シビックのe:HEVはスプリット型のハイブリッドモデルである。これは電気モーターの良い部分と内燃機関の効率の良い部分を使う仕組みだ。
ハイブリッドシステムには他にもエンジンを発電機として使い、生まれた電気をモーターの動力に使うシリーズ型。また、エンジンをメインの動力として、電気モーターは加速や発進などのトルクを必要としているときに後押して燃費や走行性能を向上させるパラレル型がある。
以前ホンダは、IMAシステムというパラレルタイプのハイブリッドを主として搭載していた。これは車重が重くならないためパフォーマンスと燃費を両立させる方式であり、モーターをうまく使うことによってスポーツドライビングに向くという特性があった。
e:HEVは、このスポーツドライビングの経験と、シリーズ型のモーターによる走行とを上手く振り分けながら作ったシステムだ。
11代目のシビックは、「爽快」をキャッチコピーとして登場しただけあって、スポーティな雰囲気と思った以上のコンフォート感があったが、加速という点では爽快を感じさせなかった。
シビック e:HEVはそのあたりのネガな部分はどのようになっているのだろうか。
場所は山梨県・小淵沢を中心とした、ワインディングでの試乗だ。


わくわくさせる加速感とエンジン音
この手のハイブリッド車で好きなのは、静粛性が高くエアコンの効きがすこぶる良好だということがある。
試乗日は7月の猛暑続きの時期だったが、乗り込むと外気のムシっとした状況とは一転して快適だ。しかもエンジンは始動していない。スプリット型はこの点はいいと思う。
Dレンジにセレクトした発進だ。モーターのみでの走行はとても静かだ。しかもガソリンモデルに比べておよそ90kg重量が嵩んでいるので、バネ上の抑えが良くボディの座り
がいい。


そこから加速するが、なかなかエンジンは始動しない。さらに山間部を上るためにアクセルを踏み込む。
エンジンが始動するが、加速中のステップアップの雰囲気はなかなかいい演出だ。まるで変速機があるような雰囲気は遊び心があってスポーティなドライビングに華を飾る。
エンジン音は素晴らしくいい音色だ。アクティブサウンドコントロールによる演出は自然でその気にさせる。

落ち着いた乗り心地に加えて、カーブでの安定感はガソリンモデルより安定感がある。バッテリーの搭載位置やサスペンションのセットアップも、走りの質感が向上している。
ステアリングフィールも適度に重く安心感あり、不用意な操作でも姿勢は乱しにくい。高速走行はできなかったが、山間部の加速はエンジンとモーターの共演によって心地よいサウンドとともにフロントのコンタクトも抜群だ。
また、ブレーキのコントロールはとてもリニアで扱いやすく、このクラスでは最もブレーキタッチがいいモデルであろう。
e:HEVとなっただけとは思うなかれ、走りの質はトータルでとても向上している。シビックはe:HEV仕様にとても力を入れていることがよく理解できた。

【試乗車 諸元・スペック表】
●2.0 e:HEV
| 型式 | 6AA-FL4 | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.55m×1.8m×1.42m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.74m |
| ミッション | CVT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.57m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.92m×1.55m×1.15m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1460kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.14m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
クリスタルブラック・パール |
||
| オプション色 |
プラチナホワイト・パール、ソニックグレー・パール、プレミアムクリスタルレッド・メタリック、プレミアムクリスタルブルー・メタリック |
||
| 掲載コメント |
※HondaCONNECTおよびHonda Total Careプレミアムは初回申込から12か月間は基本パック・追加オプションサービスともに無料 |
||
| 型式 | 6AA-FL4 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | CVT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | クリスタルブラック・パール |
| オプション色 | プラチナホワイト・パール、ソニックグレー・パール、プレミアムクリスタルレッド・メタリック、プレミアムクリスタルブルー・メタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.55m×1.8m×1.42m |
| ホイール ベース |
2.74m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.57m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.92m×1.55m×1.15m |
| 車両重量 | 1460kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.14m |
| 掲載用コメント | ※HondaCONNECTおよびHonda Total Careプレミアムは初回申込から12か月間は基本パック・追加オプションサービスともに無料 |
| エンジン型式 | LFC | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | 40リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1993cc | 燃費(WLTCモード) |
24.2km/L
└市街地:21.7km/L └郊外:27.6km/L └高速:23.4km/L |
| 燃費基準達成 | R12年度燃費基準 達成車 |
||
| 最高出力 | 141ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
182(18.6)/4500 |
| エンジン型式 | LFC |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1993cc |
| 最高出力 | 141ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
182(18.6)/4500 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 40リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 24.2km/L
└市街地:21.7km/L └郊外: 27.6km/L └高速: 23.4km/L |
| 燃費基準達成 | R12年度燃費基準 達成車 |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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