高速道路のサービスエリアで食べるグルメはなぜうまいのか?
2016/01/27
▲最近の高速道路のSA・PAは、単なる休憩スポットではなく、そこに行くことが目的のひとつになるほどに進化している。写真はNEXCO中日本の「NEOPASA駿河湾沼津(上り)」
高速グルメをおいしいと感じる心理
ドライブの途中に立ち寄る高速道路のサービスエリア(以下、SA)やパーキングエリア(以下、PA)。楽しみのひとつといえば、やはりグルメだろう。屋台の焼きそばや豚バラ、アメリカンドッグなど、誤解を恐れずに言えばなんの変哲もないフード類も、街中で食べるそれとは別格のおいしさだ。
「そのおいしさには、心理学的な理由があるんです」と教えてくれたのは、心理カウンセラーの五百田達成氏。それは興味深い。
「キーワードは非日常です。SAやPAで食べる食事は、海水浴場やゲレンデで食べるラーメンやカレーに近い。普段とは違う楽しい環境で食べているという状況込みでおいしいと感じているんです。また、SAやPAにはご当地グルメが多い。焼きそばでも、富士宮やきそば、という冠が付くだけでうまいと感じるものです」
▲ゲレンデや海で女子が可愛く見えたり、ネット上で夜のPAの雰囲気が絶賛されたりするのも、非日常が関係しているのだとか高速グルメは味が濃いものが人気!?
さらに、この非日常補正に加えて、SA、PAグルメにはもうひとつ秘密があるという。それが、味が濃いメニュー。ドライブなどで疲れたときのことを考えて、たこ焼きや焼きそばなど、ちょっと濃い目に味付けされたグルメが多いのだ。確かに、あの味わいはご褒美的なおいしさだ。
「そもそも、最近では、施設がちょっとしたショッピングモール並みに充実し、有名な飲食店が軒を連ねている大型SAも珍しくありません。食事の質自体が上がっているので、おいしいと感じるだけでなく、本当に満足できる味だということもあるのでしょう」と五百田氏。
▲東北自動車道羽生パーキングエリア(上り)は、池波正太郎の代表作「鬼平犯科帳」の世界観を再現。「鬼平江戸処」として営業している。イートコーナーには、東京・日本橋の鳥料理の老舗「玉ひで」がプロデュースする「五鉄」も。ちなみに、五鉄は鬼平犯科帳の作中に登場する店だ(写真は軍鶏鍋をメインとした「鬼平江戸処膳」)非日常補正と疲れた体に染み渡る濃い味、そして、有名店の進出などによる味の向上。SA、PAグルメをおいしいと感じるのは必然だったのだ。
「ちなみに、SA、PAには限定を銘打ったグルメやお土産も多い。レジャーの開放感や思い出という口実があることで、心理的にはつい財布の紐が緩くなります」
NEXCO中日本に所属しているサービスエリア店舗の総売上は、2014年で1193億円。道路公団から民営化したことによりサービスの向上が図られているのか、食事のレベルが上がっているのだろう。B級グルメに位置づけられることが多いSA、PAの食事だが、実は侮り難い存在だった。
【取材協力】
五百田達成(いおた たつなり)
作家・心理カウンセラー。「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」を主なテーマに執筆・講演。最新刊は「アラン先生と不幸な8人」(ワニブックス)。「スッキリ!!」(日本テレビ系)レギュラーコメンテーターをはじめテレビ出演も多数。
▲こちらが五百田達成先生。モットーは「大人でも知らないことを、子どもでもわかる言葉で」。30万部を超える「察しない男 説明しない女」シリーズ他、著書多数【関連リンク】
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