そのすべてが高度なバランスで味付けされたフランス流スポーツ アルピーヌ A110【Car as Art !】
カテゴリー: アルピーヌの試乗レポート
2021/12/26
▲【ALPINE A110|写真=橋本玲】ヘリテージを最大限に生かした“全く新しいモデル”
その是非はともかく、名車をモダンに再現する数々のプロジェクトには成功したモデルもあれば、失敗したモデルもある。成功の筆頭はBMW ミニやフィアット 500あたり。アメリカンマッスルにも成功作がいくつか。最近ではランボルギーニ カウンタックなどという大物までレトロモダンでリバイバルした。
スポーツモデルとして最も成功したのが、ルノーのアルピーヌ A110だろう。
60年代半ばから70年代後半にかけて生産され、70年代には世界のラリーシーンを席巻した伝説のマシンが下敷きだ。ルノー製エンジンをリアアクスル後ろに置くRRで、その絶大なトラクション性能をベースに旋回性が重視されるラリーで活躍した。マニアックなクラシックカーとして今なお人気を誇っている。
▲ラリーカーとして名をはせた初代の生産が終わったのが1977年、その40年後によみがえったのが、コンパクトなリアミッドシップのアルピーヌ A110
▲撮影車両は、2020年11月にスタートしたカスタマイズプログラム、アトリエ アルピーヌを用いた1台そんな初代の生産終了からちょうど40年後。再びA110がよみがえった。RRではなくリアミッドシップとして。このあたりの考え方は、例えばフィアットがRRのチンクェチェントをFFの500として復活させた手法と同じである。つまり、ブランドにとっての歴史的な遺産というべき名前とデザインをフルに活用しつつ、全く新たなモデルを作り出すという挑戦だ。
とはいえ、パッケージやレイアウトが大きく変われば変わるほど、過去のデザインを上手に活用することは難しい。VW ビートル(RRからFFへ)がたどった運命を思い出せば明白だ。逆に言うとそこにデザイナーの腕の見せどころがある。
▲スポーツカーらしいシンプルで機能的なインテリア。フローティングデザインのセンターコンソールもポイントとなる
▲ステアリングの右側には走行モードを変更する赤いスイッチが備わっている初代A110のデザインは、かのジョバンニ・ミケロッティ。個性的な顔立ちとフォルムが今なお新鮮で、新型でもその特徴を上手く活用した。実際にはフロントの特徴的な丸い内側のライトと、フロントフードやボディサイドのリブといった程度で、新たなパッケージゆえ逆にその程度しか活用できなかったのかもしれないけれど、誰がどう見てもA110だと思わせるあたり、よく特徴を捉えてモダナイズされたと思う。
そう考えると、この手のレトロモダンデザインが成功する秘訣は、モチーフの活用を最小限にとどめ最大限にその力を発揮させることではないだろうか?
BMW ミニにしてもフィアット 500にしても、単独でみれば確かに過去の名車に似ているように思うけれど、並べて見比べたなら大きさから何から違うことだらけ。そのバランスの妙が、息の長いヒット作になるかどうかの分かれ目であるように思う。
▲中間グレードのリネージにはブラックレザーの内装がオプションで用意される新型アルピーヌ A110の場合、そのデザイン的なレトロモダンのミックスが絶妙であったことと、何よりミッドシップスポーツカーとして断然に扱いやすく高性能であったことが、過去の栄光とよく結びついて功を奏したと言えそうだ。
▲アトリエ アルピーヌでは3種類のホイールに各3色を用意。撮影車両はゴールドのホイール(SERAC)にゴールドのキャリパーがコーディネートされていた▼検索条件
アルピーヌ A110(2018年 6月~)× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●アルピーヌ A110 リネージ アトリエアルピーヌ
| 型式 | 7BA-DFM5P1 | 最小回転半径 | 5.8m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | MR | 全長×全幅×全高 | 4.21m×1.8m×1.25m |
| ドア数 | 2 | ホイールベース | 2.42m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.56m/1.55m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1120kg |
| シート列数 | 1 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 2名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ブラン グラシエ |
||
| オプション色 |
ブルーアルピーヌM、ブラン イリゼM、グリ トネールM、ノワールプロフォンM、ブルーアビスM、グリ トネール マット、アシエ メタルM、ブルー ド フランス、シャンパーニュM、オランジュ サンギーヌ、ヴェール クレールM、ベージュ コルナリンM、ブルー フォンセ、グリ モンテベッロM、ローズ ブリュイールM、ヴェール エムロードM、ベージュ サーブルM、ブルー ネプチューン、ジョン レデレ、ルージュ ルビーM、ヴェール ジャルダン、ブルー アルピーヌ アシエM、ブルー ポン、ジョン サフラン、チューリップ ノワールM、ヴェール ノルマンM、ブルー アルピーヌ エリタージュM、ブルー シエラM、オランジュ アクロポリス、バニーユ、ヴェール ティヨル、ブルー アジュールM、ブラウン アラビカM、オランジュ コライユ、ヴェール サンドルM |
||
| 掲載コメント |
※アトリエアルピーヌカラー 各色世界限定110台 |
||
| 型式 | 7BA-DFM5P1 |
|---|---|
| 駆動方式 | MR |
| ドア数 | 2 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ブラン グラシエ |
| オプション色 | ブルーアルピーヌM、ブラン イリゼM、グリ トネールM、ノワールプロフォンM、ブルーアビスM、グリ トネール マット、アシエ メタルM、ブルー ド フランス、シャンパーニュM、オランジュ サンギーヌ、ヴェール クレールM、ベージュ コルナリンM、ブルー フォンセ、グリ モンテベッロM、ローズ ブリュイールM、ヴェール エムロードM、ベージュ サーブルM、ブルー ネプチューン、ジョン レデレ、ルージュ ルビーM、ヴェール ジャルダン、ブルー アルピーヌ アシエM、ブルー ポン、ジョン サフラン、チューリップ ノワールM、ヴェール ノルマンM、ブルー アルピーヌ エリタージュM、ブルー シエラM、オランジュ アクロポリス、バニーユ、ヴェール ティヨル、ブルー アジュールM、ブラウン アラビカM、オランジュ コライユ、ヴェール サンドルM |
| シート列数 | 1 |
| 乗車定員 | 2名 |
| ミッション 位置 |
コラム |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.8m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.21m×1.8m×1.25m |
| ホイール ベース |
2.42m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.56m/1.55m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1120kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | ※アトリエアルピーヌカラー 各色世界限定110台 |
| エンジン型式 | M5P | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 45リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1798cc | 燃費(WLTCモード) |
14km/L
└市街地:9.4km/L └郊外:14.8km/L └高速:16.9km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 252ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
320(32.6)/2000 |
| エンジン型式 | M5P |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1798cc |
| 最高出力 | 252ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
320(32.6)/2000 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 45リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 14km/L
└市街地:9.4km/L └郊外: 14.8km/L └高速: 16.9km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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