【名車試乗】トヨタ セリカXX(A60型)|1300kgを切る車重と6気筒NAエンジンがもたらす軽やかな走り
2024/06/14
▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、往年の名車トヨタ セリカXX(A60型)に試乗した際のレポートをお届け近年の車と異なる直線的なデザインが特徴
2代目セリカXX(ダブルエックス)に試乗するのは初めてである。個人的には世界ラリー選手権で戦っていたワルデガルド氏がステアリングを握ったセリカGT-TSが好きだったこともあって、日本ではセリカXXに試乗したことはなかった。
初代のセリカXXはどういうわけか学生の時に運転したが、正直いってラグジュアリー系の鈍重としたモデルに食指が動かなかった。




しかし、2代目となってまたスポーティさが戻ってきたのだ。1980年代といえば日本の経済も上り調子でイケイケドンドンといった具合であった。そんなさなかセリカXXが登場したのである。
今回、試乗することができたのはトヨタ系サブスクリプションサービスの“KINTO旧車プロジェクト”「Vintage Club」にてレストアしたモデルだ。
最近の巨大化したモデルばかり見慣れているからか、目の前に停車しているXX 2000GTはキュッと引き締まった直線的なシェープは軽快でありながら上品な雰囲気もあるGTだと感じさせる。



この当時のモデルはコンパクトの中に存在感を示すエッセンスがちりばめられている。6気筒エンジンの搭載を前提にデザインされているため、ロングノーズで伸びやかな存在感が表現されている。
当時、F1を画期的なアイディアで進歩させたコーリン・チャプマンが、このXX のCMに出演して話題になった。
ロータスとトヨタは資金援助を含めた技術のやり取りをしていた。余談であるがその後GMがロータスを買収する形となりトヨタは手を引くが、現在でもスーパーチャージャー搭載のパワーユニット搭載車などのやり取りはある。
トヨタ初の量産4バルブユニット
シートに腰を下ろす。ホッとする緩やかなホールドのシートは状態がいい。クラッチも交換したばかりのためかストロークもとれているのでミートがしやすそうだ。

エンジンを始動すると6気筒4バルブの「1G-GEU」は軽やかに回る。ブリッピングもいい感じだ。規制がまだ厳しくない時代のモデルはなかなかレスポンスもよくその気にさせる。
ちなみに、トヨタとしては初めての量産4バルブユニットであり、今では当たり前だがペントルーフ型の燃焼室を採用して燃焼速度を速めた高性能を目的としたユニットであった。

5速MT仕様もうれしい。6気筒をMTで操るのは最高に気持ちがいい。しかもNAというところも扱いやすく、エンジン回転の伸びを楽しめる。
「W55」と呼ばれるアイシン製のトランスミッションは、W型としては初めてケースにアルミ合金を採用した。


1速に入れて発進する。油圧のパワーステアリングは軽やかだ。路面とのコンタクトはいささか希薄ではあるが、懐かしいフィールだ。エンジン音も思ったとおりとてもいい。
乗り心地は40年前の車としては良好だ。3ドアでも剛性が思った以上に保たれている。着座位置は低くスポーツカーの雰囲気がある。

四輪ディスクブレーキのフィールも良好で整備をちゃんと行っているのが分かる。これならば日常に全く問題ない。当日は暑い日であったもののエアコンの効きも万全だった。
プリミティブなフィールを味わい操る楽しさを改めて教えてくれるそれがA60型トヨタ セリカXX 2000GTというモデルである。

セリカXXをはじめ、往年の名車に乗れるサービス
「Vintage Club by KINTO」では試乗したセリカXXをはじめ、往年の旧車を借りられるサービスを展開している。各車両の整備はトヨタ自動車やレストアを手がける新明工業が行う。
レンタルできるモデルは下記サイトを参照。
また、2024年6月19日~9月29日までの期間は静岡キャラバンとして、静岡県各地のディーラーで「セリカXX」「70スープラ」「80スープラ」などのレンタルが展開される(※6月19日~7月6日はトヨタカローラ静岡 富士店にて80スープラの展示企画のみ)。
詳細、レンタルの予約は下記のリンクより。

【試乗車 諸元・スペック表】
●セリカXX 2.0GT
| 型式 | E-GA61 | 最小回転半径 | 5.4m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.66m×1.69m×1.32m |
| ドア数 | 3 | ホイールベース | 2.62m |
| ミッション | 5MT | 前トレッド/後トレッド | 1.43m/1.39m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.74m×1.38m×1.07m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1230kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 1505kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.16m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
- |
||
| オプション色 |
- |
||
| 掲載コメント |
※このクルマの燃費は発売当時の資料により、10モードの数値を表示しております。燃費=10.8km/l |
||
| 型式 | E-GA61 |
|---|---|
| 駆動方式 | FR |
| ドア数 | 3 |
| ミッション | 5MT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | - |
| オプション色 | - |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.4m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.66m×1.69m×1.32m |
| ホイール ベース |
2.62m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.43m/1.39m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.74m×1.38m×1.07m |
| 車両重量 | 1230kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 1505kg |
| 最低地上高 | 0.16m |
| 掲載用コメント | ※このクルマの燃費は発売当時の資料により、10モードの数値を表示しております。燃費=10.8km/l |
| エンジン型式 | 1G-GEU | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列6気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | 61リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1988cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 160ps | 最大トルク/回転数 kg・m/rpm |
18.5/5200 |
| エンジン型式 | 1G-GEU |
|---|---|
| 種類 | 直列6気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1988cc |
| 最高出力 | 160ps |
| 最大トルク/ 回転数kg・m/rpm |
18.5/5200 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 61リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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