【試乗】新型トヨタ GRヤリス(AT)|スポーツ仕様の8速ATを搭載したマイナーチェンジモデル
2024/08/17
▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、マイナーチェンジした新型トヨタ GRヤリスに試乗した際のレポートをお届けデザイン変更に加えエンジンの出力も向上
かねてより、GRヤリスのハイパフォーマンスATモデルは必須であろうと感じていた。
素晴らしいシャシーだけに、「MTモデル同様かそれ以上にスポーツドライビングを感じたい」と思ったファンも多いことだろう。私もその1人であった。

以前、『人気車ゼミナール』という連載でもご紹介したGRヤリスATモデルは、潜在的なポテンシャルをもちながらもマイルドなエンジン設定は非常にもったいないと感じていた。
しかし、出来の良いシャシーは街中でも無論良好だった。

そのGRヤリスが2024年にフェイスリフトを機にアップデートされた。
最も大きなトピックは、モータースポーツにも耐えられるオートマチックトランスミッション、GAZOO Racing Direct Automatic Transmission(GR DAT)を搭載したという点だ。このATは、従来から使われているトルクコンバーター付きの8速ATなのだが、横置きエンジン用としては世界初の8速ATである。


トヨタ GRヤリスDATは今までRAV4やレクサスで使われてきた信頼性を軸に、モータースポーツのノウハウを注いだプラネタリーギアタイプのATである。スポーツ性を考えるとツインクラッチタイプがあるが、GR DATは耐摩擦性が高い素材を使い、小型高性能ソレノイドにより瞬時なシフトを可能にした。
従来のMT仕様よりも8速化した恩恵を受けたクロスレシオ化も、魅力となる部分のひとつである。

他にも肝心な部分では、エンジンの出力の変更がある。
従来の272馬力から304馬力を発揮する。それにともない、トルクも37.7kg・mから40.8kg・mと向上している。一般的に出力が向上すればトータルの性能も上がるイメージだが、最も大切なのはバランスである。
では、早速乗ったフィーリングをお伝えしよう。


▼検索条件
トヨタ GRヤリス(初代) × 2024年4月~ × 全国※流通状況により物件が表示されない可能性があります。
※当記事で紹介しているグレードとは異なるグレードも含まれます。
シャシー剛性のさらなる向上がもたらす走り
コックピットに収まると、デジタル志向が強いインフォメーションパネルが目の前に飛び込む。
デザインというよりも機能性能に特化した情報パネルと言える。モータースポーツ性がさらに強くなった印象だ。
シートポジションを合わせると目線も低くなる。改めてコックピットまわりを見ると反射を嫌ったマットに仕立てたパネル類が本物の証しであることを知るのである。

エコ、ノーマル、スポーツのモードがあるが、まずはノーマルで走らせる。エンジン始動するが、驚くほど静粛性が高い。
レバーをDレンジにセレクトして発進させる。走り出したらトルクコンバーターからロックアップクラッチに切り替えられ、歯切れの良いシフトで出力を損なわないようにシフトアップとホールドを繰り返す。非常に扱いやすい。
8速化したことで、4速まではMT以上にクロスレシオ化されており、エンジン特性を発揮しやすい。少々踏み込んでみたが加速も力強く、キックダウンなんかしなくとも十分なトルクを得られて伸びやかなクルージングだ。


サスペンションの動きもきめ細やかな制御で、スポーティブルでありコンフォートな感じが高まった。先代よりもシャシー剛性がさらに高くなり、ダンピングとスプリングの役割が明確に理解できる。
汐留から首都高へ入る。上り坂をぐっとアクセルを開けてみると素晴らしい加速だ。エンジンの音色も質が高い。

この加速時に荷重がリアに移っても姿勢は変わらない。ジオメトリーとダンパーのセッティングの安定性が高くなった印象だ。浜崎橋ジャンクション手前のバンピーな路面でも追従性はとても良い。
タイトなカーブでもシートと相まった性能はGTのような心地よさもうかがえる。ハンドリングも正確で安心感のあるコンタクトで申し分ない。これ1台あれば家族からプライベートまで最高を提供してくれるだろう。
最後に一言。ATモデルはMT仕様よりも断然バランスの良さが感じられた。この開発者のセンスがうかがえるセッティング。酸いも甘いもかみ分けた紳士淑女がドライビングする姿を見たら、間違いなく素敵なチラリズムを演出できる。
経験を積み上げたからこそ理解できる逸品が、GRヤリス DATもモデルであるのだ。


【試乗車 諸元・スペック表】
●GRヤリス 1.6 RZ ハイ パフォーマンス GR-DAT 4WD
| 型式 | 4BA-GXPA16 | 最小回転半径 | 5.3m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4m×1.81m×1.46m |
| ドア数 | 3 | ホイールベース | 2.56m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.57m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.79m×1.43m×1.18m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1300kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | 1520kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.13m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
スーパーホワイトII |
||
| オプション色 |
プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスブラックパール、エモーショナルレッドII、プレシャスメタル |
||
| 掲載コメント |
※T-Connect利用料金は初度登録日から5年間無料です |
||
| 型式 | 4BA-GXPA16 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 3 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | スーパーホワイトII |
| オプション色 | プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスブラックパール、エモーショナルレッドII、プレシャスメタル |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 4名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.3m |
| 全長×全幅× 全高 |
4m×1.81m×1.46m |
| ホイール ベース |
2.56m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.57m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 1.79m×1.43m×1.18m |
| 車両重量 | 1300kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 1520kg |
| 最低地上高 | 0.13m |
| 掲載用コメント | ※T-Connect利用料金は初度登録日から5年間無料です |
| エンジン型式 | G16E-GTS | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 50リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1618cc | 燃費(WLTCモード) |
10.8km/L
└市街地:7.1km/L └郊外:11.3km/L └高速:13.3km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 304ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/4600 |
| エンジン型式 | G16E-GTS |
|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1618cc |
| 最高出力 | 304ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/4600 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 50リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 10.8km/L
└市街地:7.1km/L └郊外: 11.3km/L └高速: 13.3km/L |
| 燃費基準達成 | - |
▼検索条件
トヨタ GRヤリス(初代) × 2024年4月~ × 全国※流通状況により物件が表示されない可能性があります。
※当記事で紹介しているグレードとは異なるグレードも含まれます。

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
【関連ページ】
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