【試乗】新型メルセデス・ベンツ GLC220d 4MATIC│至る所に“上質さ”を感じるミドルサイズSUV
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
タグ: メルセデス・ベンツ / クロスオーバーSUV / 高級 / GLC / 松本英雄
2024/02/20
▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、メルセデス・ベンツ GLCに試乗した際のレポートをお届け世界で人気を博したFRベースのミディアムサイズSUV
初代メルセデス・ベンツ GLCは2015年に同社ミディアムサイズセダン「Cクラス」のSUV版として生まれたモデルだ。
なので、中身はCクラスと同様の「MRAプラットフォーム」を採用している。だがGLCでは全長を短く、ホイールベースは長くしたことよって快適性と運動性を高めているのが特徴だ。
初代発売から欧州のみならず日本でも人気のモデルとなった。


今回紹介する新型GLC(2代目)はドイツ・ブレーメンをはじめ世界4ヵ国で生産されており、日本仕様はメルセデス・ベンツのお膝元ドイツ・ブレーメンで作られている。
中身は新型5代目Cクラスの「MRA2プラットフォーム」を使用し、初代同様ホイールベースを伸ばしている。FRベースのプラットフォームなだけあって、リアに力強さを感じるフォルムとなった。

また、このプラットフォームは160馬力から680馬力まで対応可能なポテンシャルをもつ。これはGLCにとってかなりマージンのある設計なので、SUVとしての“性能の強さ”も申し分ないといえる。
試乗したモデルは「GLC 220d 4MATIC」。ここに搭載されるディーゼルユニットは先代から進化させたOM654Mを搭載している。
このエンジンは、新しいオフセットクランクシャフトやコネクティングロッドなどを採用しフリクション損失を低減させている。つまり、より効率的にパワーを生み出せるよう進化しているのが特徴だ。
そこに、バリアブルジオメトリーのターボチャージャーの恩恵も相まって197馬力を発揮するスペックとなった。さらに、マイルドハイブリッドを携えているからドライバビリティが楽しみである。

安定感ある走りと上質なデザインに仕上げたモデル
乗り込んでまず感じたのは、内装の質感がかなり向上した点だ。基本のアーキテクチャーを揃えたインパネはゴージャスな雰囲気が際立つ。
エンジンは電光石火の速さでスタートする。
これはクランクシャフト軸に取り付けられた三菱電機製のスタータージェネレーターによって実現しており、低回転での始動をなくしスムーズな燃焼へと導くことで振動を抑える。
始動後のアイドリング音もとても静かだ。

フロントウインドウからの視界が幅広く見える印象だ。さらに、スムーズな走り出しが高級な雰囲気を作り出す。
ステアリングは、重みを考慮しつつ回しやすさを考えた仕様となっている。4.7mを超える全長でもフロントのオーバーハングが短く非常に扱いやすい。これはFRベースのプラットフォームの恩恵といえるだろう。
そして、特筆すべきはサスペンション。先代と比べ動きがとにかくスムーズである。
また、搭載されるディーゼルエンジンとマイルドハイブリッドの相性も抜群で、シフトの滑らかさと乗り心地のよさがメルセデスの真髄だといわんばかりである。
試乗会場となった、海沿いの西湘バイパスを走りながら優雅な気分にさせる。プラットフォームを共有しているCクラスセダンよりこちらの方が落ち着いた印象だ。
また、ワインディングでも楽しいというより、スタビリティを考えた“Enjoy&Safety Drive!”といった雰囲気。これは、運転していても疲れないミディアムSUVとなるだろう。

近年人気のSUVだが、FRベースのモデルは高級セグメントしかない。そのゆえ威圧感もある車も存在するが、試乗したGLC220d 4MATICは走りやデザインから品の良さを感じる。
街中から長距離まで、雨や風があっても安心できる相棒であることに間違いないモデルである。
【試乗車 諸元・スペック表】
●GLC 220d 4マチック (ISG搭載モデル) AMGラインパッケージ ディーゼルターボ 4WD
| 型式 | 3CA-254605C | 最小回転半径 | 5.5m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.43m×1.89m×1.64m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.89m |
| ミッション | 9AT | 前トレッド/後トレッド | 1.63m/1.64m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | △ | 車両重量 | 1970kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.18m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
ポーラーホワイト |
||
| オプション色 |
オブシディアンブラック、ノーティックブルー、グラファイトグレー、モハーベシルバー、ハイテックシルバー、スペクトラルブルー、セレナイトグレー、ダイヤモンドホワイト、ヒヤシンスレッド |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| エンジン型式 | OM654M |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1992cc |
| 最高出力 | 197ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
440(44.9)/2800 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ディーゼル |
| 燃料タンク容量 | 62リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 18.1km/L └市街地:14.3km/L └郊外:18.5km/L └高速:20.1km/Lkm/L |
| 燃費基準達成 | - |
| エンジン型式 | OM654M | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ディーゼル |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 62リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1992cc | 燃費(WLTCモード) | 18.1km/L └市街地:14.3km/L └郊外:18.5km/L └高速:20.1km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 197ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
440(44.9)/2800 |
| エンジン型式 | OM654M |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1992cccc |
| 最高出力 | 197ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
440(44.9)/2800 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ディーゼル |
| 燃料タンク容量 | 62リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 18.1km/L └市街地:14.3km/L └郊外:18.5km/L └高速:20.1km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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