【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross|未体験ゾーンへといざなう、間違いない出来のエントリーモデル
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
2024/10/28
▲人気輸入SUVのフォルクスワーゲン T-Crossがこのたびマイナーチェンジを受けた。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による試乗インプレッションをお届けするマイナーチェンジを受けた人気輸入SUV
現状でフォルクスワーゲンが放つ最も購入しやすい、そして私自身オススメしたいモデルがT-Crossだ。
冒頭から結論を記してしまったが、それだけ素晴らしいモデルなのである。
T-Crossが日本で登場したのは2019年11月であった。私も長距離を試乗する機会があったが、第一印象から非常に良いと感じたのを覚えている。
特に路面とのコンタクトが素晴らしいのだ! 若干力不足で高負荷時のエンジンノイズが気になることもあったが、それは高速などの加速時といった限られたシチュエーションのときだけであった。
フラットな一般道の心地よさとハンドリングは、このセグメントでは最上位に位置するモデルである。
あれから5年経過して、初めてのマイナーチェンジを受けた。


基本的にはキャリーオーバーモデルであるが、意匠を含めて先進運転支援やタブレットタイプとなったインフォテインメントシステムをはじめ、快適装備も追加された。
エントリーモデルの弱点はコストをかけられない点がある。しかし、上級モデルに使用していた高価な装置を、T-Crossの改良モデルでは積極的に採用した。
特にヘッドライトについてはデザインの変更だけではなく、ゴルフなどにも採用されている“IQ.LIGHT”が装備された。これはLEDライトを細かく制御して夜間の視認性をさらに向上させている装置であり、夜間の山間部や高速道路の標識をばっちり照射する。
▲今回の試乗車のTSI スタイルには、シートヒーターやIQ.LIGHT、パークディスタンスコントロールなどが標準装備されたますます磨きがかかり、さらに質が高くなった
では、ドライブしたときの印象はどうだろうか。フォルクスワーゲンは何も変更せずにマイナーチェンジモデルを世の中には送らず、必ず見えない部分をブラッシュアップしている。それが楽しみだ。
新たに加わったカラーもあって軽快さが助長されている。相変わらずの美しいプレスラインと塗装は、この価格とセグメントのバリューを考えると群を抜いている。
余談だが、T-Crossはスペインの中でもとても生活水準が高いエリアのパンプローナという歴史ある街でつくられており、この車のキャラクターに合っていると感じる。

では乗り込んでエンジンを始動する。
3気筒TSIユニットは先代に増して静粛性が向上している。EA211エボ2となって規制に適合させたモジュールユニット。
出力的には先代と変わりないが、排出ガス規制もさることながらドライバビリティを向上させてDSGとのマッチングに力を注いでいる。

3名乗車でも走り出しのトルクは申し分ない。何よりも負荷をかけた状態の静粛性が向上している。
乗り心地も先代の軽やかな雰囲気を継承しながら、角が取れてまろやかになった。より大人な雰囲気になったということだろうか。
カーブや横風でも車体が振られることはない。強いて言えば、後席のクオーター部分の風切り音は先代と同様にやや気になる。しかし、各部の静粛性が向上したからこそ目立つのかもしれない。

T-Crossは輸入SUVでは人気のあるモデルである。トータルの質が高いということが理由のひとつで、実際に購入された方々もそこを理解しているのだろう。
新しくなったT-Crossはますます磨きをかけた。日本とは思想が違う「ドイツのモノづくり」を体感できるはずだ。
未体験ゾーンにいざなうエントリーモデルは、間違いのない出来栄えだ。
【試乗車 諸元・スペック表】
●TSI スタイル
| 型式 | 3BA-C1DKR | 最小回転半径 | 5.1m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.14m×1.76m×1.58m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.55m |
| ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.53m/1.51m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1260kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト、アスコットグレー、スモーキーグレーメタリック、クリアブルーメタリック、グレープイエロー |
||
| オプション色 |
キングズレッドメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3BA-C1DKR |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 7AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト、アスコットグレー、スモーキーグレーメタリック、クリアブルーメタリック、グレープイエロー |
| オプション色 | キングズレッドメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.1m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.14m×1.76m×1.58m |
| ホイール ベース |
2.55m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.53m/1.51m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1260kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DUS | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 40リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 19km/L |
| 総排気量 | 999cc | 燃費(WLTCモード) |
17km/L
└市街地:13.5km/L └郊外:17.2km/L └高速:19km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 116ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
200(20.4)/3500 |
| エンジン型式 | DUS |
|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 999cc |
| 最高出力 | 116ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
200(20.4)/3500 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 40リットル |
| 燃費(JC08モード) | 19km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 17km/L
└市街地:13.5km/L └郊外: 17.2km/L └高速: 19km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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