【試乗】アウディ Q7│鋭い走りをみせる本格派マシンであると同時に、7人乗りファミリーカーでもある希少な1台!
カテゴリー: アウディの試乗レポート
2021/02/21
▲エクステリアやインテリアはもちろん、パワートレインや先進安全装備などすべてにおいて進化。軽快かつ快適な走りと7人乗りという利便性がともに向上しているマイルドハイブリッドによる滑らかな走りは、大きいボディを意識させない
2006年に国内デビューした初代アウディ Q7は、3列シート7人乗りSUVの元祖ともいえるモデルだ。2016年に2代目へとフルモデルチェンジし、およそ4年を経て昨年マイナーチェンジが実施された。
エクステリアでの変更点は、SUVシリーズのQモデルに共通するオクタゴン(八角形)のシングルフレームグリルが採用されたこと。リアのデザインは左右のライトをつなげるアルミニウムストリップを配置し、水平基調でモダンな印象となった。
エクステリア以上に、大幅に手を加えられたのがインテリアだ。最新のA8やe-tronなどが採用する、インパネ中央の上下に2つの大型タッチスクリーンを配している。上段の10.1インチディスプレイは、インフォテインメントおよびナビゲーションを、下段の8.6インチディスプレイは空調コントロールなどを操作するもので、スマートフォンのようなクリック感を再現する“ハプティック”フィードバックを備えている。
乗車定員は5名を標準とするが、試乗したのはオプションの7人乗り3 列シート仕様となる「7シーターパッケージ」装備車。2 列目には、個別にシートスライドとリクライニングが可能な独立した3人分のシートを設定し、3列目は電動格納式となる。
3列目は決して広いとは言えないものの、2列目と融通し合えば身長約178cmの男性でも多少の余裕をもって着座は可能だ。ラゲージスペースはサードシートを格納した状態で770L、セカンドシートも格納すれば1955Lの大容量を誇る。
▲ベースグレードでは19インチ、Sラインは20インチのアルミホイールを標準装備
▲リアはウインドウやライトなどのパーツを細くワイドにデザインしたことで、シャープな印象を強めている
▲アローデザインのマトリクスLEDヘッドライトは、ミリ秒単位で制御され、対向車へのライトの照射を防ぐ試乗車の「Q7 55TFSI quattro Sライン」のパワートレインは3L直噴V6ターボエンジンに48V電源とマイルドハイブリッド(MHEV)ドライブシステムを組み合わせたものだ。最高出力340ps、最大トルク500N・mを発揮する。
トランスミッションは 8速ティプトロニックで、クワトロ(フルタイム4WD)は、機械式センターディファレンシャルを搭載する本格仕様だ。通常走行時は前後40:60にトルク配分していることで、FRのような軽快なハンドリングが特徴。状況に応じて、トルク配分を前後70:30から15:85へと可変させることで、安定したトラクション性能を実現している。
Sラインの足回りには、車高を15mm低め、よりスポーティなチューニングを施したアダプティブエアサスペンションスポーツを標準装備している。そして、タイヤはオプションの21インチ、コンチネンタル製コンチスポーツコンタクトを装着していた。
発進時には電動アシストの存在は意識するほどではないが、全長5065m、全幅1970mm、全高1705mm、車両重量2160kgという巨体を忘れさせるほど軽やかに走る。ただし、街乗りでは走行モードは“ダイナミック”よりも“コンフォート”の方がこの車には似つかわしい。おうようなエアサスの動きが、より一層快適性を増してくれる。
高速走行時には、積極的にコースティングを行い、カタログ燃費はWLTCモードで9.3 km/Lとなっている。高速メインであれば、燃費計は10km/Lを優に超える数値を表示していた。
ADAS(先進運転支援システム)も様々なものがアップデートされている。特徴的な機能としては、走行中にドライバーの異常を検知した際、システムがドライバーに注意を促すとともに、ドライバーからの反応がない場合には車線を維持しながら車両を緩やかに減速、停止するエマージェンシーアシストを搭載している。
駐車などの際に車両の前後だけでなくタイヤ周辺の状況を3Dビューにより確認することが可能で、ホイールを縁石などにぶつけることを防止するカーブストーンアシストなども採用している。
▲USB接続によってApple CarPlayやAndroid Autoが利用可能、Google Mapなどの対応したアプリを車内のインフォメントシステムで使うことができる
▲Sラインには8速ティプトロニックを操作可能なパドルシフトを装備
▲シート皮はパーシャアルレザー、バルテラレザー、ボルコナレザーの3種類、計11色から選択可能
▲ISOFIX規格のチャイルドシートを搭載可能な3列目シート。2~3列目シートを倒すことでフルフラットに
▲電動テールゲートをすべてのグレードで標準装備。またフルフラットでの使用ができ利便性も高い新型Q7は静粛性、乗り心地、そして安全性、環境性能などすべての面において進化していた。悩ましいのは、もし5人乗りでいいのだとすると身内にQ8という魅力的な選択肢があることだ。さらに、もう少しの予算と充電環境があるならe-tronも捨てがたい。
そう考えれば、やはりQ7は内燃エンジンと7人乗り仕様を是とし、人や荷物を満載して長距離を走るような人にこそふさわしい。セダンではスペースが足りない、ミニバンでは走りの質が足りないと感じている舌の肥えた人が選ぶ、時代のファミリーカーなのだと思う。
▲オルタネータスターターをエンジンと合わせることで、振動の少ないスムーズなアイドリングストップを実現【試乗車 諸元・スペック表】
●55 TFSI クワトロ Sライン 4WD
| 型式 | 3AA-4MDCBA | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 5.07m×1.97m×1.71m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 3m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.67m/1.68m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 2200kg |
| シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 7名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.19m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ディープブラック |
||
| オプション色 |
オルカブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、フロレットシルバーメタリック、マタドールレッドメタリック、デイトナグレーパールエフェクト、ナバーラブルーメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3AA-4MDCBA |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ディープブラック |
| オプション色 | オルカブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、フロレットシルバーメタリック、マタドールレッドメタリック、デイトナグレーパールエフェクト、ナバーラブルーメタリック |
| シート列数 | 3 |
| 乗車定員 | 7名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
5.07m×1.97m×1.71m |
| ホイール ベース |
3m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.67m/1.68m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 2200kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.19m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | DCB | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | V型6気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 85リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 2994cc | 燃費(WLTCモード) |
9.3km/L
└市街地:6.9km/L └郊外:9.4km/L └高速:10.9km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 340ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
500(51)/4500 |
| エンジン型式 | DCB |
|---|---|
| 種類 | V型6気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 2994cc |
| 最高出力 | 340ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
500(51)/4500 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 85リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 9.3km/L
└市街地:6.9km/L └郊外: 9.4km/L └高速: 10.9km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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