【試乗】新型 フィアット 600e|ソフトな走りがキャラにマッチ! 日常使いが快適な“かわいい”電気自動車
カテゴリー: フィアットの試乗レポート
2024/10/27
▲フィアットのBEV第2弾となるコンパクトハッチ。1955年に登場した初代600や500eからインスピレーションを得たスタイルは、ブランドの重要なキーワードである“かわいい”と伝統を取り入れている“かわいい”と実用性&快適性のほどよいバランス
2024年9月、フィアットブランドとして約1年半ぶりとなる新モデル「600e」が発売された。これは「500e」に続くBEV(電気自動車)の第2弾だ。
初代「600(セイチェント)」は、1955年から1969年までつくられたコンパクトなボディながら4シーターを実現した画期的なモデルだった。そして新型「600e」でも4ドアの5シーターとしてより実用性を高めている。
最大の特徴は愛らしいデザインで、初代「600」や「500e」からインスピレーションを得たテイストを随所に散りばめている。
プラットフォームはステランティスグループの電動コンパクトモデル用となる「e-CMP」を採用。先日発表されたジープ初のBEV「アベンジャー」と共通のものだ。ボディサイズは全長4200mm、全幅1780mm、全高1595mm、ホイールベース2560mm。日本市場のことを鑑みれば、全高は1550mmに収めてもらえると良かったかも。ちなみに500e(全長3630mm、全幅1685mm、全高1530mm、ホイールベース2320mm)と比べてみると、ふたまわりくらい大きくなっている。
インテリアには、丸型のメータークラスターや2本スポークのステアリングホイールなど500のデザイン要素を取り入れている。センターには10.25インチタッチパネルを配置。シートには、切り抜き加工後の本革の切れ端を再利用したエコレザーを使用するなど、環境への配慮も行き届いている。荷室容量は360Lで、リアシートの背もたれを倒すと、最大1231Lにまで拡大できる。
また、安全&快適機能も進化。アダプティブクルーズコントロールを使用する際、車線内の任意の位置を維持する「レーンポジションアシスト」、運転席のシートマッサージ機能「アクティブランバーサポート」、リアバンパー付近に足を入れるとトランクゲートが開く「ハンズフリーパワーリフトゲート」、車両周囲1mから遠ざかると自動施錠、車両周囲3m以内に接近すると自動解錠する「キーレスエントリー(プロキシミティセンサー付)」と、これら4つの機能をフィアットブランドとして初めて採用したことも大きなポイントだ。
パワートレインは、フロントに搭載した交流同期式モーターによって前輪を駆動。最高出力156ps/最大トルク270N・mを発生。容量54kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。普通充電およびCHAdeMO規格の急速充電に対応する。一充電走行距離は493km(WLTCモード)とデイリーユースには不満のないもの。
▲日本には最上級グレードのラ プリマ(La Prima)のみを導入。ボディカラーはブランド新色のサンセットオレンジ(写真)とスカイ ブルーに加え、人気のホワイトが用意されている
▲丸型メーターや2本スポークのステアリングなど初代のモチーフが取り入れられたシートに腰掛け、ステアリングコラムの左側にあるボタンで起動する。「ENGINE START STOP」の文字が見える。広義ではモーターもエンジンであると言えるとは思うが、ふと気になってしまった。ドライブモードは「NORMAL」をはじめ、電費を抑えて航続距離を延ばす「ECO」、アクセルレスポンスの良くなる「SPORT」の3種類がある。回生レベルは、シフトボタンのDレンジからBレンジに切り替えることで多少強くなるが、いわゆるワンペダルフィーリングのような停止するほどではない。いい意味で違和感なく操作できる。
BEVというと、とかく急加速であったり、強い回生ブレーキであったり、スポーツカーでもないのに極端な味付けをしているモデルがあるが、「600e」は回生もハンドリングもソフトにチューニングされており、車のキャラクターにとてもマッチしているように感じた。また、乗り心地もサスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット、リアはトーションビームというオーソドックスな形式だけれど、ロールに不自然さがなく、少々荒れた路面でもバタつくようなこともなく快適だった。
外見と内面とがほどよくバランスしていることを四字熟語で“文質彬彬”(ぶんしつひんぴん)というけれど、まさにそれだと思う。
▲初代600や500eのデザインアクセントを継承したという、丸みを帯びたふくよかなフォルム
▲丸みのあるスタイルにマッチした、個性的デザインのLEDヘッドライトを採用
▲グロスブラックのアクセントやダイヤモンドカットのホイールで精悍さを演出する
▲シフトセレクターはセンターコンソールに備わる
▲ターコイズブルーのステッチで飾られたシートにはエコレザーが用いられている
▲60:40分割可倒式シートを採用、シートバックを倒せばラゲージ容量は最大1231Lに拡大するブランド初のBEV、フィアット 500eの中古車市場は?

2022年にブランド初のBEVとして登場、内燃エンジンを搭載した歴代500のアイコニックなスタイルを踏襲する。最高出力118ps/最大トルク220N・mを発生するモーターで前輪を駆動。42kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、一充電走行距離は335km(WLTCモード)となる。
2024年10月下旬時点で、中古車市場には15台程度が流通。支払総額の価格帯は290万~450万円となる。ソフトトップを備えたオープンは20台程度が流通、支払総額の価格帯は320万~640万円となる。
▼検索条件
フィアット 500e× 全国▼検索条件
フィアット 500eオープン× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●ラ プリマ
| 型式 | ZAA-FH1FI | 最小回転半径 | 5.3m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.2m×1.78m×1.6m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.56m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.53m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1580kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
ホワイト |
||
| オプション色 |
サンセットオレンジ、スカイブルー |
||
| 掲載コメント |
※一充電走行距離(WLTCモード)493km |
||
| 型式 | ZAA-FH1FI |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ホワイト |
| オプション色 | サンセットオレンジ、スカイブルー |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
不明 |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.3m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.2m×1.78m×1.6m |
| ホイール ベース |
2.56m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.53m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1580kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | ※一充電走行距離(WLTCモード)493km ※交流電力量消費率 WLTCモード 126wh/km 市街地モードWLTC-L 105wh/km 郊外モードWLTC-M 117wh/km 高速道路モードWLTC-H 138wh/km |
| エンジン型式 | ZK02 | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 電気モーター | 使用燃料 | 電気 |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | -リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | -cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 156ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
270(27.5)/4060 |
| エンジン型式 | ZK02 |
|---|---|
| 種類 | 電気モーター |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | -cc |
| 最高出力 | 156ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
270(27.5)/4060 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 電気 |
| 燃料タンク容量 | -リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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