“変わらなかった”ことが逆にニュースになる、マセラティ グラントゥーリズモ
カテゴリー: マセラティの試乗レポート
タグ: マセラティ / クーペ / カブリオレ / FR / グラントゥーリズモ / グランカブリオ / EDGEが効いている
2018/01/06

これでホントに最後のフェラーリ製V8NA搭載モデル
2007年のデビュー以来、はや10年がたったというのに、いまだ新鮮で目立った雰囲気を放ち続ける、マセラティグラントゥーリズモ&グランカブリオ。これで最後となるマイナーチェンジを受けた。
ポイントは、スタイリング&インテリアデザインの文字どおり“マイナー”な変更にあるが、それよりも“変わらなかった”ことがニュースだと思う。
何が変わらなかったのか。それは、エンジンだ。
マセラティのフラッグシップクーペ&カブリオレにはデビュー以来、4.2もしくは4.7Lのマラネッロ謹製V8自然吸気(NA)エンジンが積まれてきた。
ギブリやクワトロポルテといったブランドの兄妹たちはもとより、フェラーリのV8モデルも続々とターボエンジンへと“ダウンサイジング”を果たして、高性能化と環境対応を急いできた、という背景がある。
当然、次期型グラントゥーリズモ系もそうした流れに沿うはずで、最後のマイチェンがあると聞いたときも、なるほどパワートレイン系だけでも先に変えてみるのだろうなと予想したが、大ハズレであった。
なんと、4.7L1本に絞ったものの、フェラーリ製自然吸気エンジンをそのまま残したのだ。
これには思わず、乗っておきたい! という気分に。
基本的な乗り味こそ不変ながら、相変わらず美しいエグゾーストノートを響かせて、ドライバーに運転する根源的な喜びを教えてくれる点がポイント。
類い希なGT性能や、大柄にも関わらず俊敏なハンドリング性能も、不変である。
カタチの変化に好みはあるだろうが、いまだ随一のGTカーであった。



【SPECIFICATIONS】
■グレード:GRANTURISMO MC ■乗車定員:4名
■エンジン種類:V8DOHC ■総排気量:4691cc
■最高出力:338(460)/7000[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:520(53.0)/4750[N・m(kgm)/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:6AT
■全長x全幅x全高:4920x2055x1380(mm) ■ホイールベース:2940mm
■車両価格:2216万円(税込)
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