マセラティ ギブリ(大谷達也)【ニューモデル試乗】
2014/05/07

イタリアのハイパフォーマンスカー作りは難しい。安心して乗れる車を作れば物足りないといわれ、荒削りな車を作れば時代遅れといわれる。その点、ギブリはほどよくスパルタンで、ほどよく洗練されている。残る課題はインテリアの品質感のみ、か?
地上に舞い降りた往年のスーパーカー
コンパクトで低価格な4シータークーペ
かつてスーパーカーファンが胸をときめかせたギブリの名が復活した。ただし、初代のようにパワフルなエンジンをフロントに搭載した2シータークーペでもなければ、ボクシーな2ドア4シータークーペに生まれ変わった2代目とも異なる。デザインが最新のマセラティの流儀に従っているのは当然ながら、3代目は4つのドアと5つのシートを備えた純然たるセダンとして誕生したのである。
端的にいうと、クアトロポルテがメルセデスのSクラス相当だとすれば、ギブリはEクラスのイメージ。とはいえ、マセラティの名に恥じないよう、例によってフェラーリと共同開発した3L V6直噴ツインターボを搭載している。それでいて価格は967万円からとお買い得。
つまり、コンパクトで低価格な4シータークーペとして一世を風靡したビトゥルボの再来といえなくもないのだ。
かつての“憧れ”がこんなに身近な存在になった
実車を目の当たりにすると、いかにも最新のマセラティらしい抑揚の効いたデザインに圧倒される。インテリアは、クワトロポルテに比べれば素材のクオリティがいくぶん劣るし、装備も簡略化されているが、それでもその華やかな意匠はイタリアンデザインそのものといえる。
走りの印象は、いかにもマセラティらしい。スロットルをちょっと踏み込んだだけで全長5mのボディは機敏に加速し、ステアリングレスポンスも鋭い。乗り心地や駆動系にもう少し洗練さが欲しい気もするが、その荒々しさがまたマセラティらしいともいえる。
かつての“憧れ”がこんなに身近な存在になったことを喜ばない手はないだろう。
SPECIFICATIONS
グレード | SQ4 | ||
駆動方式 | 4WD | ||
トランスミッション | 8AT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4970×1945×1485 | ||
ホイールベース(mm) | 3000 | ||
車両重量(kg) | 2030 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | V6DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 2979 | ||
最高出力[ps] | 410/5500 | ||
最大トルク[N・m] | 550/1650-5000 | ||
車両本体価格(万円) | 1039 |
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