【試乗】新型 マセラティ MC20チェロ|過去と未来をつなぐマセラティのベストバイ! クーペと変わらぬ実力が車好きを魅了するベストバイモデル!
カテゴリー: マセラティの試乗レポート
2024/02/02
▲新開発V6エンジンを搭載する、新世代のブランドアイコンとなるミッドシップスポーツのオープンバージョン。カーボンモノコックシャシーの製作などには、レーシングコンストラクターのダラーラが協力しているブランドの過去と未来をつなぐミッドシップスーパーカー
マセラティは今、ブランドにとって何度目かの再生期を迎えている。電動化時代を見据えつつ、内燃機関との共存共栄を図る戦略は、車好きにとって注目に値する。
未来戦略の核となるモデルがフラッグシップのミッドシップスーパーカー、MC20だ。ブランドの過去と未来をつなぐモデルでもある。それゆえに“Made in Modena”にこだわった。マセラティの次世代戦略はモデナのR&D施設と本社&ファクトリーを核にして今後も推し進められることだろう。
MC20は、クーペもスパイダー仕様のチェロもその全量がモデナの本社に隣接する工場にてアッセンブルされる。敷地内にはMC20専用ドライサンプV6ネットゥーノエンジンの組立工場やペイントショップも併設されているから、正真正銘のモデナ産だと言っていい。
スパイダーモデルは、クーペと同時並行で開発されている。カーボンモノコックボディをはじめ、将来の電動化を見越して設計もされた。今のところ、いずれのボディタイプでも新開発V6エンジンを積んだグレードのみとなっているが、早晩、同じシャシーにモーター+バッテリーを積んだBEVのフォルゴーレも登場するはず。軽量で高剛性、性能調整のしやすいカーボン素材の特色を生かしたエンジニアリングは、当然のことながら、スパイダー化にあたってもその設計に大いに貢献している。
スパイダー化による重量増は65kgにとどまった。“スピードシェイプ”と称されるリアカウル以外のデザインはクーペとほぼ同じ。カウルが閉まった状態ではクーペと同じルーフ形状を保つ。それゆえ空力性能もクーペとほとんど変わらず。前後のダウンフォースバランスに至ってはクーペとまったく同じだ。
セグメント最大面積となるガラストップの電動リトラクタブルルーフを採用する。開閉に要する時間はわずかに12秒。特殊な液体を挟み込んだガラスルーフはスイッチひとつで瞬時に透明から不透明へと変わる。
▲ブランド初のバタフライドアを採用、ルーフにはPDLC(高分子分散型液晶)技術を採用し、ボタンひとつで不透明な状態から透明に変更できる
▲撮影車両はエクステリアカラーに三層ペイントのアクアマリーナを採用する導入記念モデル「プリマセリエ ローンチエディション」。カーボンパーツも多数装着されている。ちなみに、車名の「チェロ」はイタリア語で「空」を意味するクーペとまったく同じバタフライドアを跳ね上げてコックピットへと潜り込んだ。カーボンシャシーをもつ高性能なスポーツカーとは思えない上質な空間が広がっている。マセラティというとレースオリエンテッドな老舗ではあるけれど、同時にラグジュアリーなグランドツアラー(GT)を作り続けてきた。MC20シリーズはそんな2つの伝統をハイレベルで両立する初の市販モデルだと言えそうだ。
事実、その走りのキャラクターは高速道路ではクーペと変わらず安定志向を貫き、よくできたGTとして振る舞い続ける。背後に高性能なエンジンを積んでいるとは思えないほど落ち着いた高速クルージングをみせ、その乗り心地もまた秀逸。500kmくらいのドライブであれば難なく快適にこなす。
それでいてひとたびワインディングロードに持ち込めば、パワフルなエンジンと強固なシャシーで意のままのリアルスポーツへと変身した。ミッドシップカーにありがちなフロントの忙しさはなく、それでいて自由度はしっかりと確保されており、思いどおりのハンドリングを楽しむことができる。多少オーバースピード気味でコーナーに入っていっても慌てることがない。リアのトラクションも絶大で、立ち上がりから思い切り踏んでいけた。なるほど、ダラーラが基本設計に関与しただけのことはあった。
しかもチェロであれば爽快なオープンエアモータリングもできる、とくれば、これはもうスポーツカー好きにはたまらない。
ネットゥーノエンジンはどの領域でも頼もしく、扱いやすく、それでいて高回転域ではとても刺激的だ。MC20チェロは今、ブランドのベストバイである。
▲カーボンとアルカンターラを用いたラグジュアリーかつスポーティなインテリア
▲レザーとアルカンターラを用いたシート、プリマセリエにはホワイト系を採用する
▲ルーフはスライドしてリアハウジングに格納される。ルーフ開閉操作はセンターディスプレイで行う
▲プリマセリエはロゴ入りの20インチホイールを装着
▲センターコンソールにはダイヤル式の走行モードセレクターを配置。GT/スポーツ/コルサ/ウエットが用意される▼検索条件
マセラティ MC20チェロ× 全国
自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
マセラティ MC20(クーペ)の中古車市場は?

マセラティにとっておよそ半世紀ぶりの量産ミッドシップモデル。ダラーラが製作に協力したカーボンモノコックシャシーに、新開発のV6ツインターボ“ネットゥーノ”エンジンを搭載する。今後はBEV仕様も予定されており、ブランドの電動化戦略を担うモデルでもある。
2024年1月中旬時点で、中古車市場には50台ほどが流通。価格帯は2350万~3690万円となっている。2020年に発表されたモデルだが、日本市場へのデリバリーは2022年からスタートしているため全物件が新しく、コンディションを気にすることなく装備やボディカラーなどといった好み優先で選ぶことができる。
▼検索条件
マセラティ MC20× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●プリマセリエ ローンチエディション
| 型式 | - | 最小回転半径 | -m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | MR | 全長×全幅×全高 | 4.67m×1.97m×1.22m |
| ドア数 | 2 | ホイールベース | 2.7m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.68m/1.65m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | -kg |
| シート列数 | 1 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 2名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
- |
||
| オプション色 |
アクアマリーナ |
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| 掲載コメント |
※諸元・装備情報はベースとなるグレードの情報を掲載しております |
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| 型式 | - |
|---|---|
| 駆動方式 | MR |
| ドア数 | 2 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | - |
| オプション色 | アクアマリーナ |
| シート列数 | 1 |
| 乗車定員 | 2名 |
| ミッション 位置 |
コラム |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | -m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.67m×1.97m×1.22m |
| ホイール ベース |
2.7m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.68m/1.65m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | -kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | ※諸元・装備情報はベースとなるグレードの情報を掲載しております |
| エンジン型式 | - | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | V型6気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 3000cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 630ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
730(74.4)/5500 |
| エンジン型式 | - |
|---|---|
| 種類 | V型6気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 3000cc |
| 最高出力 | 630ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
730(74.4)/5500 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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