【試乗】新型マセラティ グレカーレ|想像を超える嬉しい誤算も!? マセラティサウンドに包まれる小気味よい走りのSUV
カテゴリー: マセラティの試乗レポート
2022/06/16
▲スポーティとエレガントを兼ね備えた、マセラティ初のミドルクラスSUV。MC20由来のV6エンジン搭載モデルとハイブリッドをラインナップ、さらにBEVも登場予定という新世代の中心モデルだ嬉しい誤算は刺激的に電動化を活用したハイブリッド
マセラティの車名といえば、ミストラル以降、ギブリ、レヴァンテなど風にちなんだものとされるのが伝統だ。ブランド初のミディアム・プレミアムSUVとして登場したグレカーレも、もちろんその例に漏れない。由来は地中海の北東風である。
外観デザインのトピックは、先に登場したミッドシップスーパースポーツのMC20に続いて縦型ヘッドライトを採用したこと。ミディアムと言いつつ全長は約4850mmもあるが、スポーティなフォルムのおかげで引き締まった印象が強い。
これがマセラティ!? と驚かされるのがインテリアで、ダッシュボード中央にワイド画面のタッチスクリーンが搭載されるなど、先進的な仕立てとされている。お約束の時計も、実は多機能なデジタル化がされているのだ。
▲トップグレードのトロフェオ(写真)。フロントグリルはトロフェオとモデナがブラック、GTがクロームメッキで仕立てられている
▲ボディサイドにはグレード名が記される
▲加速度センサーなども表示できるデジタル時計を含め、4つのディスプレイを用いることでクラスターまわりのボタンをなくし、「現代的」なデザインとしている ミラノ近郊で試乗したのは、2つのグレード。MC20譲りのプレチャンバー燃焼を採用したV型6気筒3Lツインターボエンジンを搭載するトロフェオと、直列4気筒2Lターボエンジンと電気モーター、そして、eブースターと呼ばれる電気式スーパーチャージャーを組み合わせたマイルドハイブリッドのGTである。
トロフェオは、やはりエンジンの印象が強い車だ。最高出力530psの速さも鮮烈なのだが、特に中~高回転域のピックアップの良さ、ダイレクトなレスポンスには感心させられっぱなしだった。
▲トロフェオには最高出力530ps/最大トルク620N・mを発生する3L V6ツインターボが搭載された 嬉しい誤算は、その後に乗った最高出力300psのGTもまるで物足りなさなど感じさせなかったことである。eブースターのおかげで、ターボの過給圧が高まりきる前の低回転域からアクセル操作に対する反応は鋭いし、加速性能だって十分。電動化を、車をより刺激的にする方向に使っているのが、このテクノロジーの痛快なところである。しかも、回せば4気筒エンジンとは思えない、まさにマセラティらしいスポーツサウンドに浸ることもできるのだ。
そしてフットワーク。ボディは重々しさはないのに剛性感たっぷりで、おかげでサスペンションの動きはスムーズ。意のままの応答性を示すステアリングも相まって、交差点を抜けるだけでも小気味よい気分にさせてくれるのである。
▲日本での価格はGT(写真) 862万円、モデナ 1046万円、トロフェオ 1395万円とされたグレカーレの日本でのオーダー受け付けはすでに始まっており、デリバリー開始は2023年の初春を予定しているという。
さらに、そう遠くない将来にはBEV版のグレカーレ フォルゴーレの投入もすでに予告されている。BEVでもブランドのアイデンティティであるサウンドは妥協しないということだから、こちらの登場も楽しみにしたいところだ。
▲ブーメラン型のテールライトは、ジウジアーロがデザインした往年の名車3200GTがモチーフ
▲GTのみチョコレート色のレザーを標準化、他グレードはブラックレザーが用いられる
▲ロングホイールベース(2901mm)により、後席も広く快適に。40:20:40の分割可倒式を採用する
▲ラゲージ容量は、トロフェオ(写真)が570L、ハイブリッドのGTとモデナが535Lとなる

モータージャーナリスト
島下泰久
1972年生まれ。自動車専門誌から経済誌やファッション誌などに数多く寄稿、YouTubeチャンネルを主宰するなど幅広く活躍するモータージャーナリスト。「間違いだらけのクルマ選び」の著者でもある
ライバル、ポルシェ マカンの中古車市場は?

スポーツカーブランドのポルシェが送り出す、走りにこだわったミドルクラスSUVがマカン。ベーシックモデルからハイパフォーマンスのターボ、GTSまでをラインナップする。なお、現行型のトップグレードは2.9L V6ターボを搭載するGTSとなっている。
2014年から販売されている人気モデルだけに、プレミアムSUVながら中古車は300台近くが流通しており、2014~2015年の初期モデルなら価格も300万円台から流通している。MC後の現行型も数台ながら流通しているので、納車待ちの長い新車の代わりに、中古車を探してみるのもよいのではないだろうか。
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