【試乗】ボルボ V40クロスカントリー|惜しまれつつも生産終了となったが、コンパクトモデルの中で最もプレミアムなモデルだと再認識した
カテゴリー: ボルボの試乗レポート
タグ: ボルボ / V40クロスカントリー / 松本英雄 / c!
2019/12/08

ボルボ好調の立役者
2013年に日本に導入され、ボルボ車の販売拡大に大きく貢献したV40シリーズだが、今年2019年に生産を終了した。
エントリーモデルでありながら、北欧の柔らかく深みのある質感の魅力を、存分に味わうことができたモデルだ。
ボディはコンパクトでも、安全装備の精度は高かった。特にキープレーンコントロールは、他メーカーとは違い、柔らかく補正する点に好感をもっていた。
今回は、そんなV40シリーズで長距離クルージングを行い、あらためてその魅力を味わう機会を得たのでレポートする。
約300kmのロングドライブは快適そのもの


我々に与えられたのは、V40クロスカントリー T5だ。
搭載エンジンは4気筒2Lターボで、245psを発揮して四輪に駆動力を分散するAWDモデルだ。
V40シリーズには、発売してから改良されるごとに試乗する機会があった。月並みな言い方かもしれないが、角が取れて何事にもソフトになっていると感じていた。
特にクロスカントリーは、出力を上手に路面に伝えており、安定感があったと記憶していた。
今回は、紅葉を目前とした福島県の裏磐梯にある五色沼を目的地とした。スタート地点の東京・芝公園からは、約300kmの道のりだ。
シフトをDレンジに入れ、サイドブレーキをリリースする。プレミアムブランドでありながら、ハンドリリース式のサイドブレーキは、一瞬ノスタルジーさを感じさせる。
芝公園ICより首都高速へ入る。ググッと一気に加速して本線に合流、そして東北自動車道へと向かう。
245psを発揮するこのモデルは、穏やかなイメージとは裏腹に、スポーティな加速を見せてくれる。
V40クロスカントリーには、3つのドライブモードがあるのだが、首都高速ではノーマルモードで走る。
レスポンスの良さがほどほどの方が、短い距離で分岐を繰り返す首都高での運転には合っている。
試乗車には私を含め3名が乗車しているが、意外にも後部座席は決してタイトではなさそうだ。
国産の同じセグメントのモデルと比べると、乗り心地や静粛性は良好だ。サスペンションが奥深く動き、とても細かくセッティングされていることがわかる。
低速から中速、どのスピードレンジでも対応できる要素をもつ。
首都高速のような複雑なルートも、意のままにスイスイと走らせることができ、あっという間に東北自動車道に達した。
ここからは、エコモードに切り替えて走ることにする。長い直線が延々と続く高速道路では、おおらかなレスポンスでストレスなく走るため疲れない。
この日は風が強く、高速道路には落下物が多かったが、正確無比でコントロールできるステアリングのため、難なくそれらを避けて走行することができた。
あらためて感じたプレミアム感
偶然にも編集者とカメラマン、そして私の3人とも、福島に何らかの所縁があった。
各々の思い出を語りながら、あっという間に猪苗代磐梯高原ICに到着した。
担当編集者は、以前この地で仕事をしていたそうで、当時よく通っていたというローカルな食堂へと向かった。
このエリアは、ソースかつ丼が名物で美味しいらしい。
福島のグルメは味が濃口の印象だったが、4時間近くドライブしてきた我々のおなかを満たしてくれる最高の食事であった。


食堂から目的地の五色沼までは、残り20分ほどの道のりだ。
山間部へと入り、ワインディングセクションが増えてくる。
ダイナミックモードへと切り替えて走るが、安定感はとても高く、上り坂でのパワーも申し分ない。
これくらいパワフルな出力のエンジンには、やはりAWDの組み合わせが良い。スタビリティが高く、スポーツドライビングにも十分対応する。
最近の他モデルと比べると、V40クロスカントリーは、長さや幅がちょうどよくタイトな道でもとても扱いやすい。

ロングドライブを通して、あらためてコンパクトながらも高級感があるモデルだと再認識した。
登場から6年がたった今でも、走りや操作性に古さを感じさせない小さな高級車がなくなってしまうのはとても残念である。
しかし、生産中止になったとしても、中古車としてはまだまだ現役だ。
この大きさで最高の質感を持つ唯一のモデル。それがV40シリーズなのだ。



【試乗車 諸元・スペック表】
●T5 AWD サマム 4WD
型式 | CBA-MB420XC | 最小回転半径 | 5.4m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.37m×1.8m×1.47m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.65m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.55m/1.54m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1580kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 1855kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.15m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
アイスホワイト、アマゾンブルー、ブラック、パッションレッド |
||
オプション色 |
クリスタルホワイトパール、ブライトシルバーメタリック、エレクトリックシルバーメタリック、マッセルブルーメタリック、デニムブルーメタリック、オスミウムグレーメタリック、オニキスブラックメタリック、ルミナスサンドメタリック、リッチジャバメタリック、フラメンコレッドメタリック |
||
掲載コメント |
- |
型式 | CBA-MB420XC |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | アイスホワイト、アマゾンブルー、ブラック、パッションレッド |
オプション色 | クリスタルホワイトパール、ブライトシルバーメタリック、エレクトリックシルバーメタリック、マッセルブルーメタリック、デニムブルーメタリック、オスミウムグレーメタリック、オニキスブラックメタリック、ルミナスサンドメタリック、リッチジャバメタリック、フラメンコレッドメタリック |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.4m |
全長×全幅× 全高 |
4.37m×1.8m×1.47m |
ホイール ベース |
2.65m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.55m/1.54m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1580kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 1855kg |
最低地上高 | 0.15m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | B420 | 環境対策エンジン | H17年基準 ☆☆☆ |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 57リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 14.8km/L |
総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) | - |
燃費基準達成 | H27年度燃費基準 +10%達成車 |
||
最高出力 | 245ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
350(35.7)/4800 |
エンジン型式 | B420 |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1968cc |
最高出力 | 245ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
350(35.7)/4800 |
環境対策エンジン | H17年基準 ☆☆☆ |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 57リットル |
燃費(JC08モード) | 14.8km/L |
燃費(WLTCモード) | -km/L |
燃費基準達成 | H27年度燃費基準 +10%達成車 |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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