【試乗】新型ジープ コマンダー│上質さをまとって生まれ変わったアメリカンSUV
カテゴリー: ジープの試乗レポート
2023/07/20
▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、ジープ コマンダーに試乗した際のレポートをお届けプレミアムモデルと共有するプラットフォーム
2022年に日本へ導入された2代目となるジープ コマンダー。先代を知っている方からすると少々やわな印象を受けるかもしれない。
ラダーフレームによる縦置きユニットで5.7LのV8まで用意した初代は、ジープという強固なイメージを継承したモデルであった。これがジープをよく知っている人のコマンダーのイメージだろう。

しかし、タフなモデルはそう何種類も必要ないのが現状だ。メーカーに課された燃費規制もある。燃料費高騰という社会的な背景もあり、ブランドとしては扱いやすいモデルがあることも世界に知ってもらわなければならない。
新しく登場した2代目コマンダーはタフで骨格が太い印象から、世界で親しまれるように願いを込めた印象である。限られた少数の人に受け入れられるモデルも必要だが、台数をこなしグローバルに通用するモデルを作り出した。


先代の生産はアメリカおよびオーストリアであったが、このモデルよりブラジルとインドとなった。日本へはインド製が輸入されている。
基本的なプラットフォームは「SCCSプラットフォーム」といい、生産性とフレキシビリティ性の高い横置きユニットベースのフレームだ。コマンダーに使われているのはワイドタイプのアルファロメオ トナーレと同様のプラットフォームである。


デザインは上位車種のグランドチェロキーをほうふつさせ、横置きのパッケージングとは思えないほど迫力がある。エンジンは2Lのディーゼルターボと、9速ATによって制御される。
シートに腰を下ろすと、このクラスではトップレベルの高級感ある感触で迎えられる。今までのアメリカンノウハウがギュッと凝縮した印象だ。
満足度が高いインテリアとなっていることに正直驚いた。この雰囲気で600万円前後だという。生産国によりコストを下げながら良質な素材を使う手法は、カスタマーに満足感を与えるに違いない。


熟成されたミッション
エンジンを始動する。防音の素材を巧みに使っているが、特有の音は否めない。
ただ、このユニットは「マルチジェット」と呼ばれる熟成したユニットなので、9速ATとのマッチングが楽しみだ。
ちなみに、このATは2011年に登場した世界初の横置き9速ATである。トルクが安定しているので、少しのアクセル開度でコントロールしやすい。9速ATだけあって連続的な加速とスムーズな減速も熟成した印象がうかがえる。

少し加速しようとする。開閉度とスロットルの速さにより、素早くシフトをセレクトし機敏な加速も可能だ。
横置きユニットとしてのプラットフォームであるがプレミアムブランドにも提供していることもあり、乗り心地は想像をしていたよりもしなやかで大らかである。

シートのストローク感もあってリアの席も含めて満足感がある。ジープという点において独自の設計要件もあるのだろう。
視認性は極めて高い。乗り手から四隅の部分を想像させるデザインはスバルと似た感じを受ける。
4WDの性能レベルを試す機会はなかったが、ジープの設計要件であることを考慮すると通常のFFベースの4WDとは違った性能をただ信じるだけだ。
堂々とした印象と嫌味でない雰囲気の重なったオールラウンダーのSUVと言えそうだ。

▼検索条件
ジープ コマンダー(2代目)【試乗車 諸元・スペック表】
●コマンダー リミテッド 4WD
| 型式 | 3DA-H620 | 最小回転半径 | 5.8m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.77m×1.86m×1.73m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.78m |
| ミッション | 9AT | 前トレッド/後トレッド | 1.58m/1.59m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1870kg |
| シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 7名 | 車両総重量 | 2255kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
グレーマグネシオメタリッククリアコート |
||
| オプション色 |
パールホワイトトライコート、ヴェルヴェットレッドパールコート、ブリリアントブラッククリスタルパールC |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3DA-H620 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 9AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | グレーマグネシオメタリッククリアコート |
| オプション色 | パールホワイトトライコート、ヴェルヴェットレッドパールコート、ブリリアントブラッククリスタルパールC |
| シート列数 | 3 |
| 乗車定員 | 7名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.8m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.77m×1.86m×1.73m |
| ホイール ベース |
2.78m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.58m/1.59m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1870kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 2255kg |
| 最低地上高 | -m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | 46344732 | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 14.1km/L |
| 総排気量 | 1956cc | 燃費(WLTCモード) |
13.9km/L
└市街地:10.6km/L └郊外:13.9km/L └高速:16.1km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 170ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
350(35.7)/2500 |
| エンジン型式 | 46344732 |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1956cc |
| 最高出力 | 170ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
350(35.7)/2500 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 軽油 |
| 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 燃費(JC08モード) | 14.1km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 13.9km/L
└市街地:10.6km/L └郊外: 13.9km/L └高速: 16.1km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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