【試乗】新型日産 アリア │こだわりぬかれたデザインと、静かな走りが魅力のプレミアムなSUV型電気自動車
2022/07/07
▲自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が、日産 アリアに試乗した際のレポートをお届けする国産車らしからぬプレミアムな雰囲気を感じさせる、デザインフルなBEV
今からおよそ2年前に量産型のベールを脱いだ日産 アリア。
注文受注は1年前に行われたが、様々な要因が重なり生産が遅れたこともあり、フラッグシップBEVとして新鮮さを失われたのは否めない。
しかし、肝心なのはBEVとしての真価だ。
実際に試乗会で我々が乗る機会を得たのは2022年4月中旬である。
冒頭に商品企画の方やデザイナー方に説明をしていただいたが、アリアに対しての思いが全く伝わらなかった。デザイナーが造形や作り込みに対しての熱い思いを語ると思いきや、これまた原稿をただ棒読みをするという形式で、商品の持っている本当の力を全く感じさせない。新鮮でない商品はここまで体たらくとなってしまうのか……と感じたのは私だけではないはずだ。
とはいえ、すでに我々が試乗する前に街でもちょくちょく見かけた、都心に溶け込んだデザインは奇をてらってなく、どことなく高級感も漂うと感じたのが私のパッと見た印象だ。
では、ここからは実際に試乗した印象をお伝えしよう。
羽田空港周辺から出発し、一般道と首都高速を利用して走らせてみた。
カタログにはFFと4WDがあり、電池容量はともに66kWhと91kWhをチョイスできるが、試乗できたモデルは66kWh FWDのB6というグレードだ。
様々なプレミアムBEVを研究して作られたであろう造形は、不満のない航続距離を可能にするバッテリーを搭載できる。しかも、乗員を満足させるキャビンのスペースとユーティリティの確保をねらったSUV型なのだ。


このホスピタリティ性は、テスラやジャガーiペースを研究したのだろうという印象だ。
ここで、日産もBEVでプレミアムブランドとしてのろしを上げたいという野心作であると感じた。プレスラインに抑揚を少なくし、前後のアイデンティティで勝負する様相だ。
インテリアでは、シートポジションを合わせて見回すとデザインと作り込みは凝っており、ハイブランドのエッセンスが満載である。
今までの国産車の雰囲気とは一転して進化している。

センタークラスターやコンソール周辺も、分かりやすいというよりもデザインオリエンテッドである。
ただ、すべてがまとまっているかというとそうではなく、セレクターレバーは妙に武骨に感じ、コンソールバックスの充電器と小物入れの樹脂類との落差があるのが少し残念だ。
とはいっても、日産車のイメージを変えるほどデザインと質にこだわりを感じた。
冒頭のデザイナーよりも熱く質感とデザインを話したくなったくらいである。
ドアの精度も高く、BEVとしてはリーフの後の第2弾とは言いたくないくらい、アリアはリーフと比べると所有した満足感が高まるに違いない。
話が長くなってしまったが、ここからは走らせた感想を述べていく。


アクセルを踏んだ滑らかな走りと扱いやすさは、アクセレーションとの出力の制御が上手だということである。
羽田空港周辺の一般道を走っても、様々な路面状態にもかかわらず、静粛性は極めて良好。
高速で遠くに行きたくなる乗り心地のよさも見逃せない。
デザインで見ると、とても2トン近い重量があるようには思えないが、コーナーリングの際には外側にグイグイと慣性重量が増すのだ。
どちらかというとサルーンっぽく使う方がいいのかもしれない。
ブレーキのフィールも、回生の制動によるリニアリティも一日の長があり、悪くないと感じた。
冒頭の説明は作戦だったんじゃないかと思えるほど車して質が高い。トラクションやカーブでの動力の制御により質の高さを表している点も見逃せない。
エクステリアとインテリアの出来栄えもさることながら、それらに見劣りしない見えないエンジニアリング魂が感じられるモデルである。
【試乗車 諸元・スペック表】
●66kWh FWD B6
| 型式 | ZAA-FE0 | 最小回転半径 | 5.4m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.6m×1.85m×1.67m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.78m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.59m/1.59m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 2.08m×1.54m×1.17m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1960kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 2235kg |
| ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.18m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
ミッドナイトブラックパール、プリズムホワイト/Mナイトブラック2トーン、暁サンライズカッパーM/スーパーブラック、バーガンディー/Mナイトブラック2トーン、シェルブロンド/Mナイトブラック2トーン |
||
| オプション色 |
- |
||
| 掲載コメント |
※交流電力量消費率 WLTCモード 166Wh/km 市街地モード 159Wh/km 郊外モード 170Wh/km 高速モード 176Wh/km |
||
| エンジン型式 | AM67 | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | 電気モーター | 使用燃料 | 電気 |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | -リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | -cc | 燃費(WLTCモード) | - |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 218ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
300(30.6)/4392 |
| 型式 | ZAA-FE0 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ミッドナイトブラックパール、プリズムホワイト/Mナイトブラック2トーン、暁サンライズカッパーM/スーパーブラック、バーガンディー/Mナイトブラック2トーン、シェルブロンド/Mナイトブラック2トーン |
| オプション色 | - |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
不明 |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.4m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.6m×1.85m×1.67m |
| ホイール ベース |
2.78m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.59m/1.59m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 2.08m×1.54m×1.17m |
| 車両重量 | 1960kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 2235kg |
| 最低地上高 | 0.18m |
| 掲載用コメント | ※交流電力量消費率 WLTCモード 166Wh/km 市街地モード 159Wh/km 郊外モード 170Wh/km 高速モード 176Wh/km ※一充電走行距離 WLTCモード 470km |
| エンジン型式 | AM67 |
|---|---|
| 種類 | 電気モーター |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | -cc |
| 最高出力 | 218ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
300(30.6)/4392 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | 電気 |
| 燃料タンク容量 | -リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | -km/L |
| 燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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