クラストップクラスの質感と走りを実現したマツダ 新型CX-5の実力(試乗レポート)
カテゴリー: マツダの試乗レポート
2017/01/10

欧州車と勘違いするような質感を実現
HPなどですでに全容が明らかになっている新型CX-5であるが、そのポテンシャルが、正式に公道でわかるのは今年の2月からである。しかし今回、北海道剣淵にあるマツダの寒冷地テストコースにて雪上を思う存分試乗することができたので、その性能をお伝えしたい。
試乗することができたのは“SKYACTIV-D”の2.2リッターユニットが搭載したFFとAWDの19インチホイールを装着したスタッドレスタイヤ仕様だ。新型CX-5の新色である煌びやかな“ソウルレッドクリスタルメタリック”は従来の同色系である“ソウルレッドプレミアムメタリック”に比べるとプレミアム感と塗装の質がずいぶん増している。
シートに座りドアを閉めると、それだけで重厚感が漂う。内装もこのクラスでは群を抜いた質感だ。その証拠に、ウィンカーを出そうとしたがワイパーを動かしてしまった。身体が欧州車と勘違いしてしまったのだろうか。それほどまでに他社の国産車とは違う車だ。コストを抑えながら雰囲気の良いエッセンスをちりばめたからだろう。その分、所有する満足感も得られる。
ステアリングホイールは見た目と握ったフィールがとても良い。ただ見栄えを良くしただけではなく、微細な動きを感じとれるようなスマートでコントロールしやすいグリップの形状にしたのがこだわり抜いた証しである。
SKYACTIV-D2.2は相変わらず扱いやすく力強いが、ディーゼル特有の音の大きさが気になる。しかし、FFでもこのディーゼルエンジンは滑りやすい路面ではとても扱いやすい。多少タイヤが滑ったとしてもアクセルを戻せば確実に路面を捉える。氷と化した荒れた雪道でもボディの弱さを感じる部分は皆無であった。

雪上というコンディションの中“G-ベクタリングコントロール”の威力を体感
このような路面状況だからこそ“G-ベクタリングコントロール”は威力を発揮し、ドライバーの頻繁なステアリング修正をなくしてくれた。それでも、テストコースのようなシビアな路面でのFFモデルは、軽快であるがリアに動力がない分不安定さは否めない。
一方AWDはとても安心感がある。アイスバーンぎみの上り坂でラフなアクセルワークでもスイスイ上れるたくましさがある。ただし下り坂はただアクセルを戻しただけではリアに動力が不十分で不安定さは残る。安定感を得るにはしっかりとしたギアーレシオを選択することが大切だ。
今回はシビアに滑りやすい路面の性能を過度にフューチャーしたが、普通に雪道を走るにはFFでも十分である。
また、一通り試乗した後に、後部座席に同乗させてもらい雪上を走った。先ほどまで体感していた“G-ベクタリングコントロール”の良さをさらに体感することができた。
後部座席では、自分で操作していない分、微細な動きに対して敏感になる。普段乗るときは、思わずアシストグリップをつかんでしまうこともしばしば。雪上ではさらにその感覚が増していた。しかし、頻繁なステアリング修正が軽減されることで、想像以上に安心して乗ることができた。マツダの同乗者への配慮を感じた瞬間だった。
いずれにしろ、このクラス(車両本体価格300万円前後)の車としては、群を抜いて良い質感と仕上がりになっていると感じた。
※G-ベクタリングコントロール
2016年8月に発売されたアテンザよりマツダの車で標準装備となっている『車の速度とステアリングの舵角操作に応じてエンジンのトルク制御を行い、デバイスで不快感を克服する』機能のことである。筆者も、昨年6月にこの機能を初体験したときにはその性能の高さに驚いた。




【SPECIFICATIONS】
■グレード:XD 2WD (6EC-AT)
■乗車定員:5名 ■総排気量:2188cc
■エンジン種類:水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボディーゼル
■使用燃料:軽油 ■駆動方式:2WD■トランスミッション:6AT
■最高出力:129(175)/4500[kw(ps)/rpm] ■最大トルク:420/2000[N・m/rpm]
■全長x全幅x全高:4545x1840x1690(mm)■ホイールベース:2700mm
■車両重量:1600kg ■車両価格:277.56万円(税込)~
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