【試乗】三菱 デリカミニ|歴史と自信を背負い生まれた、デリカの末っ子! 軽自動車らしからぬその性能を体感してきた
2023/08/27
▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、三菱 デリカミニ 660 T プレミアム 4WDに試乗した際のレポートをお届け三菱の歴史と自信の体現
三菱デリカと聞くと4WDと思う方も多いことだろう。しかし、元々は便利な物を運ぶ商業車であり、人を乗せるワンボックスでもあった。
頑丈なトラックのシャシーを使った2代目のデリカスターワゴンの4WD仕様が、走破性を考えたスタイリングと大径タイヤで人気を博したのである。
そして、最低地上高を上げて大径タイヤを踏襲し、3代目と進化させた。キャブオーバータイプのミニバンで最低地上高を上げたスタイリングは、他社にはない力強くタフなイメージがあった。
三菱のエンジニアにはランエボ、パジェロ、そしてデリカに搭載した乗用タイプの4WDの技術についてのモチベーションは非常に高い。それもそのはず半世紀近い歴史があるのだから。
そして今回、末っ子のデリカが加わった。これが「デリカミニ」である。

見た感じは小型でヤンチャなかわいらしいルックスが特徴だ。軽スーパーハイトワゴンの地上高をさらに上げた印象である。
実際には2WDに比べて5mm高い、160mmの最低地上高を確保しているが、それ以上に感じるのはデザインによるものだ。少しばかり、2代目デリカ4WDのイメージをほうふつさせる。

試乗前には、長年にわたり駆動系とサスペンションを専門的に担当した技術者に説明をしていただいた。彼は4WDの先行開発者でもあり、競技車両を含めた多くの経験もあり、職人気質なことは以前から知っている。
「とにかく走行性能とサスペンションには自信がある」とだけ私に話した。その言葉が真なのか確かめるべく、試乗へと移る。
軽自動車としては驚くほどの性能
パワーユニットは3気筒0.66リッターインタークーラー付きターボチャージャーとハイブリッドという、スペックとしてはプレミアムカー顔負けの装備だ。この出力を、CVTから前後へと動力を分散する。
ビスカスカップリングによるオンデマンド型であるので、4WDとはいえマイルドな感じが伝わる。

シートに腰を沈めてアジャストすると、視認性は良好だ。しかも、後席までの距離が結構あるのでびっくりした。後席のカメラマンが足を組んでもゆとりがある。
一般道を走る前に、敷地内のグラベルの道で少しロードを加えて性能を確かめようと走り出した。徐行でも路面の追従性は非常にいい。軽自動車スーパーハイトとしては異常にしっかりとした足回りの印象だ。ボディ剛性との兼ね合いを考慮した絶妙なセッティングである。
そして、速度を少し上げてもガタガタいわず、サスペンションはスムーズに動きアンジュレーションを確実に処理する。こんな軽ってあるのかと思ったくらいである。

少しステアリングに舵角をつけて負荷を与えた。フロントは空回りを最小限に抑えつリアからも動力を感じる。
消極的なビスカスかと思っていたが、積極的にリアにも動力を分散してスタビリティをコンタクトで求める仕様だ。自信の表れはこのことなのかと感じた。
技術力とノウハウがあるからこそ、コストを考え単純化した4WDでもパラメーターを最適化して路面に素早く伝えられるのである。

もう、ターマックを走らずして性能が理解できるほどの仕上がりだ。とはいえ、一般道を走ってみた。
予想どおりスムーズで、収束の速いサスペンションの恩恵で凸凹でもコーナーでも不安に陥ることはない。外から見ているとロールが大きいように見えるかもしれないが、路面とのコンタクトは申し分ないのだ。
スーパーハイトワゴンであってもこれだけ乗り心地と静粛性、しかもグラベルでのコンタクトが良好なのは、1日にしてならずだ。
また、デリカという歴史ある性能に自負があるからこそ、作り上げたモデルと言える。

▼検索条件
三菱 デリカミニ(初代) × 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●三菱 デリカミニ 660 T プレミアム 4WD
| 型式 | 4AA-B38A | 最小回転半径 | 4.9m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 3.4m×1.48m×1.83m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.5m |
| ミッション | CVT | 前トレッド/後トレッド | 1.3m/1.29m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 2.2m×1.34m×1.39m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1060kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | -kg |
| ミッション位置 | インパネ | 最低地上高 | 0.16m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
ブラックマイカ、チタニウムグレーメタリック |
||
| オプション色 |
アッシュグリーンM/ブラックマイカ、ナチュラルアイボリーM/ブラックマイカ、ライトニングブルーマイカ/ブラックマイカ、サンシャインオレンジM/ブラックマイカ、レッドメタリック/ブラックマイカ、ホワイトパール/ブラックマイカ、アッシュグリーンメタリック、ナチュラルアイボリーメタリック、ミストブルーパール、ホワイトパール |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 4AA-B38A |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | CVT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ブラックマイカ、チタニウムグレーメタリック |
| オプション色 | アッシュグリーンM/ブラックマイカ、ナチュラルアイボリーM/ブラックマイカ、ライトニングブルーマイカ/ブラックマイカ、サンシャインオレンジM/ブラックマイカ、レッドメタリック/ブラックマイカ、ホワイトパール/ブラックマイカ、アッシュグリーンメタリック、ナチュラルアイボリーメタリック、ミストブルーパール、ホワイトパール |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 4名 |
| ミッション 位置 |
インパネ |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 4.9m |
| 全長×全幅× 全高 |
3.4m×1.48m×1.83m |
| ホイール ベース |
2.5m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.3m/1.29m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 2.2m×1.34m×1.39m |
| 車両重量 | 1060kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | -kg |
| 最低地上高 | 0.16m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | BR06 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 27リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 21km/L |
| 総排気量 | 659cc | 燃費(WLTCモード) |
17.5km/L
└市街地:16.2km/L └郊外:18.3km/L └高速:17.6km/L |
| 燃費基準達成 | R12年度燃費基準 60%達成車 |
||
| 最高出力 | 64ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
100(10.2)/4000 |
| エンジン型式 | BR06 |
|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 659cc |
| 最高出力 | 64ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
100(10.2)/4000 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 27リットル |
| 燃費(JC08モード) | 21km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 17.5km/L
└市街地:16.2km/L └郊外: 18.3km/L └高速: 17.6km/L |
| 燃費基準達成 | R12年度燃費基準 60%達成車 |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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