日本で生まれ欧州で育ったスズキ 新型スイフトがさらに軽快な走りを手に入れた(試乗レポート)
2017/02/12

走りの良さを予感させる、重心の低いプロモーションと躍動的なフォルム
新型スイフトが新たなプラットフォームを携えて登場した。2004年から発売以来、世界で530万台も販売しているスズキのヒットコンパクトカーである。デザインは初代からの造形をAピラーからクオーターパネルのショルダーラインを踏襲しながら流行のアイコンを取り入れて作り出した。フロントグリルやヘッドライトは印象的なデザインでまとい、格好の良さを際立たせ、キビキビとした雰囲気だ。軽快なのはいでたちだけではない。新たなプラットフォームは新しいアーキテクチャーによって作り出した軽量で高剛性が売りである。車重が軽くなるということは、運動性能を高めて良いことづくしであるが、バネ上(ボディ)が軽くなると上から下へと抑えが利かなくなるためコツコツと跳ねる車もある。そのあたりも踏まえて試乗を行ったのでお伝えしたい。
新プラットフォーム採用により大幅に向上した走行性能
まずは“スイフト RS”だ。その中でもHYBRID RSを試乗する。ドアを閉めた感じとても剛性が高く、先代よりも精度が向上したようだ。ポジションはボディ先端部の見切りの想像がつくデザインで良好だ。エンジンをかけてDレンジに入れる。DレンジとNレンジの節度が曖昧なのが気になったが、触れる質感も向上した。副変速機付きCVTは先代よりも100Kg以上も軽量化されたHYBRID RSをさらに軽やかにスタートさせる。NA1.2リッターエンジンだが1.5リッター級の余裕のトルク感を想像させるレスポンスだ。全く不快感がない。サスペンションはコンパクトカーとは思えず、重量感ある乗り心地である。タイヤに沈み込ませるセッティングは絶えずキャビンを平行に保とうとしてドライバーや同乗者に不安感を持たせない配慮がいい。アイドリングストップを積極的に行うが、再始動にためらいがなくスムーズでストレスを与えない。
もう1台のRStは1.0リッターのターボモデルだ。これまた低回転からマナーの良いトルク特性でHYBRID仕様よりも静粛性に富んだエンジンだ。燃費は落ちるようだが追い越し加速などのトルク特性はビビッドだ。RStは6速ATを搭載しており、ステップアップ感と小気味良い変速がキビキビとしたスイフトの印象を強める。ドライブしていて楽しい組み合わせだ。
メインの2台とは別にRSの5速MTにも試乗した。このモデルはNAユニットを自在に堪能することができ、870kgというHYBRID RSよりも40kgも軽い車重のおかげでキビキビ感も抜群だ。しかしフロントの重量軽減なのか接地感がHYBRID RSやRStよりも希薄で重厚感は軽減してしまう。もう少しホットな仕様を望みたい。
もう一台“XG”という最もピュアな素性がよくわかるエントリーモデルにも試乗した。ホイールが1インチ小さくなったのでトレッド(幅)を若干ワイドにして性能に遜色を感じさせない配慮がある。スチールホイールながらこれまたバタバタとすることもなく乗り心地が良い。凸凹の石畳でもタイヤとサスペンションのマッチングもよく、ボディのバイブレーションを全く感じない。シャシー作りからヨーロッパで本当に鍛えられてきたことがひしひしと伝わる新しいスイフトである。



【SPECIFICATIONS】
スイフト HYBRID RS
■乗車定員:5名 ■総排気量:1242cc
■エンジン種類:直列4気筒DOHC+モーター
■使用燃料:レギュラー ■駆動方式:2WD ■トランスミッション:CVT
■最高出力:67(91)/6000[kW(PS)/rpm]
■最大トルク:118(12.0)/4400[N・m(kgf・m)/rpm]
■全長×全幅×全高:3840×1695×1500mm ■ホイールベース:2450mm
■車両重量:910kg ■車両価格:169万1280円(税込)
スイフト RSt
■乗車定員:5名 ■総排気量:996cc
■エンジン種類:直列3気筒DOHC+ターボ
■使用燃料:レギュラー ■駆動方式:2WD ■トランスミッション:6AT
■最高出力:75(102)/5500[kw(ps)/rpm]
■最大トルク:150(15.3)/1700-4500[N・m(kgf・m)/rpm]
■全長x全幅x全高:3840×1695×1500mm ■ホイールベース:2450mm
■車両重量:930kg ■車両価格:170万4240円(税込)
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