ダイハツ ムーヴの新型は「最高の快適さ」を目指したモデルである
2015/02/05

デザインから、クラスを超えたクオリティが垣間見えた
日本国内で普通乗用車を脅かす存在なのが軽自動車だ。燃費競争も激化していたが、最近の軽自動車を試乗すると燃費よりもメーカーによる“質感競争”が激化しそうだと、ひしひし感じる。
新しくなったダイハツ ムーヴは、まさに質を向上させたモデルだ。ボディのプレス面といい、塗装といい、ドアを開けたプレスといい、普通乗用車を超えている部分も見受けられた。他のメーカーの200万円級よりも塗装が良いのには、正直驚いている。
では、走りはどうか。NAエンジンを搭載するムーヴX“SA”とターボエンジンを搭載するムーヴカスタムRS“Hyper SA”を試乗した。
質感だけでなく、走りの“質”も向上
まずはムーヴに乗る。シートとペダル、ステアリングのレイアウトは適切で、視認性も高い。細かな気配りを感じるデザインだ。
走り出してすぐに、乗り心地がとても良いことに気づく。10mも走れば分かるほどだ。石畳の道を走ってもステアリングホイールにバタツキがなく、接地感もきちんとある。サブフレームとボディの取り付け剛性も増した。ブレーキングやコーナリングなどで沈み込む際の安定感も向上している。軽量化されているが、強度の高い素材が用いられ、キャビンはさらにしっかりした。
アイドリングストップからの再始動の時間とスターターモーターのノイズが若干気になったが、不満を感じるほどではなかった。
一方、カスタムは十分なトルクで、エクステリアの意匠に合った加速を味わえる。エンジンのノイズもこちらの方が抑えられていて、高速では静かだろう。CVTとの相性も良く、キビキビと走り、変速も素早い。
15インチの専用ホイールとサスペンションのマッチングがすこぶる良い。クラスを超えるハンドリングと乗り心地だ。扁平率の低いタイヤは乗り心地が悪くなりがちだが、こちらの方がしっくりとしているのには驚いた。
サスペンションは、取り付け剛性と力の逃がし方が研究されたことや、緩衝剤であるバンプストッパーに高価なウレタンが採用されたことで、力が加わったときでも衝撃をコントロールし柔らかく受け止めてくれる。ショックアブソーバーも細かな動きに反応して、ダンピングが効くので乗り心地と質感の向上に役立っている。
性能が向上した見えない部分からは、ダウンサイズしてくるユーザーを納得させる使命感を感じた。軽自動車の中で「最高のコンフォート(快適さ)」を目指していることが、乗れば分かる1台だった。




【SPECIFICATIONS】
■グレード:ムーヴ X“SA” ■乗車定員:4名
■エンジン種類:直3DOHC ■総排気量:658cc
■最高出力:52ps/6800rpm ■最大トルク:60N・m/5200rpm
■JC08モード燃費:31.0km/L
■駆動方式:FF ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:3395×1475×1630(mm) ■ホイールベース:2455mm
■車両重量:820kg
■車両本体価格:130万6800円(税込)
■グレード:ムーヴ カスタム RS“Hyper SA” ■乗車定員:4名
■エンジン種類:直3DOHCターボ ■総排気量:658cc
■最高出力:64ps/6400rpm ■最大トルク:92N・m/3200rpm
■JC08モード燃費:25.6km/L
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:3395×1475×1630(mm) ■ホイールベース:2455mm
■車両重量:900kg
■車両本体価格:179万2800円(税込)
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